-
担当者:木寅昌紀
生粋の奈良県民の私が宅地建物取引士や賃貸経営管理士の目線で奈良の賃貸情報や暮らしの事、エリア情報まで幅広く発信します!
母子家庭でも入居審査に通る?シングルマザーの家賃目安や住まい選びとは
母子家庭(シングルマザー)でも普通の賃貸物件に住めるの?入居審査はちゃんと通るの?という不安の声が多く寄せられます。
そこで、母子家庭で入居審査を受けるために必要な物や、家賃目安などの住まい選びのポイントをまとめてご紹介します!
母子家庭でも賃貸契約の入居審査は通ります!
入居審査で最重要視されるのは母子家庭かどうかにかかわらず、やはり「支払い能力」です。
家賃と支払い能力のバランスが取れていれば、入居審査にはちゃんと通ります。
ただし、母子家庭にとって最も不安要素になるのがこの支払い能力であることも確かです。
そこで、自治体や行政から受けられる母子家庭向けの補助金や助成金を上手く活用して、家賃を安定して払い続けられるようにすることで、入居審査に通過するための条件をクリアすることができるのです。
母子家庭(ひとり親家庭)に給付される手当とは?
行政で定められた制度で給付される手当がいくつかありますが、まずはその受給資格があるのかを確認する必要があります。
代表的な制度と、その受給資格について説明します。
児童手当
母子家庭に限らず、中学生以下の児童が居る家庭を対象に支給される手当です。
一ヶ月あたり、0~3歳未満は一律15,000円、3~12歳(小学校卒業)は第一子と第二子が10,000円、第三子以降が15,000円、中学生が一律15,000円の手当てが支給されます。
年3回、毎年6月、10月、2月に都度自治体の役所へ現況届を提出する必要がありますが、提出月にそれまでの4ヶ月分(6月の支給は2~5月分)が支給されます。
ただし、毎年6月の提出を忘れた場合には、それ以降の支給を受けることができなくなるため、注意が必要です。
年収ベースの所得制限がありますが、一般的に母子家庭の収入で所得制限の対象となることはあまりありません。
児童扶養手当
母子家庭や父子家庭、両親のいずれかが重度の障害を持っている場合などを対象に国が支給している制度で、18歳に達する日以降最初の3月31日までの児童(順当に進学すると高校卒業まで)が支給の対象となります。
全国消費者物価指数を元に支給額が計算されるため多少変動しますが、2ヶ月分ずつ年6回に分けて支給されます。
令和二年の場合、児童1人に対して1ヶ月あたり43,160円、2人目が居れば10,190円が加算、3人目以降は6,110円が加算されます。
児童手当と同様に自治体の役所へ現況届を提出する必要があり、毎年8月1日~31日の間が提出期間となります。
児童扶養手当の場合、現況届を2年間提出していなかった場合は受給資格が喪失するため注意が必要です。
住宅手当(家賃補助)
都道府県や市区町村など、地域によって自治体が定めた住宅手当などの制度もあります。
母子家庭、所得制限、家賃の上限など制度で定められた条件を満たす賃貸物件に住む家庭を対象に、家賃額の一部が支給されます。
その他には、半年以上同じ物件に住んでいることなどが条件とされていることもあるため、新しく住居を探す際に利用できない制度でもあります。
住宅手当とは異なりますが、家賃額の安い公営住宅の募集の際に母子家庭用の別枠を用意するなど、実質的に家賃負担を減らす取り組みが自治体ごとに行われています。
家賃補助制度とは≫
その他の手当や給付制度
上記以外にも、条件を満たす場合に手当が支給される制度が国もしくは自治体によって定められています。
ひとり親家庭医療費助成制度
母子家庭などのひとり親家庭の保護者や子供が病院や診療所で診察を受けた際の健康保険自己負担分を、居住する市区町村が助成する制度で、自治体ごとに所得制限や負担割合などが異なります。
こども医療費助成
義務教育修了(中学校卒業)までの児童を対象に居住する市区町村が助成する制度で、自治体ごとに支給条件が異なります。
特別児童扶養手当
精神障害があり精神の発達が遅れていたり、身体に障害があり日常生活に著しい制限を受けている児童の障害等級により支給される手当です。
障害児福祉手当
身体的または精神的な障害があるために日常生活を自力で送ることができず、常時介護を必要とする20歳未満の子供が対象となる手当です。
遺族年金
夫または妻の死亡により母子家庭となっている場合には、遺族基礎年金、遺族厚生年金、死亡一時金等の遺族年金が受け取れる場合があります。
母子家庭の入居審査に必要なものは?
一般的な賃貸契約を行う際に必要なものとほぼ同じです。
・身分証明書(保険証、免許証、パスポートなど)
・子供の保険証
・住民票(マイナンバーの記載がないもの)
・印鑑及び印鑑証明書
・収入証明書
連帯保証人が必要な物件であれば、保証人分も含めて用意する必要があります。
雇用形態によって収入証明書が無い場合や収入額に不安のある場合でも、貯金に余裕がある場合には「預金審査」を受けることも可能です。
離婚に伴う慰謝料や遺族年金、保険金などで預金がある場合、2年分の家賃に相当する残高があれば預金審査を受けることで入居審査が通る場合があります。
ただし、預金審査は大家さんや管理会社次第となるため、物件を探す際に事前に預金審査を受けられる物件かどうかを確認しておきましょう。
支払能力以外で入居審査に通らない可能性のある条件と対処法は?
無職やパートの場合
無職やパートの場合でも賃貸物件を借りることはできますが、収入が安定しない場合には入居審査に落ちる可能性が高くなります。
この場合、親族で収入が安定している人に代理で賃貸契約をしてもらう方法があります。
ただし、この場合は賃貸契約者が母子家庭の本人ではなくなるため、住宅手当を受けることができなくなります。
幼い子供が居る場合
子供の年齢が乳児~小学生低学年である場合、夜泣きや足音など騒音でトラブルになる可能性があるため、物件によって審査が厳しくなることが考えられます。
子育て世帯が多い物件などであれば審査に影響が出にくいこともあるため、不動産会社に事情の説明をしておき、審査が通りやすい物件を見繕ってもらうことが大切です。
子供が小学生低学年以上であれば、泣いたり暴れたりといったことが減るため、審査への影響は殆どありません。
母子家庭にオススメの間取りは?
母子家庭の場合はファミリー向けの間取りが前提となりますが、何より家賃を抑えたいという希望が多くなります。
そこでオススメしたい間取りは、1DKや2DKの物件です。
DKは比較的古い物件に見られる間取りで、1980年代に流行ったファミリー向けの間取りであるため、築年数が経過した物件であることが多く、家賃が抑えられます。
その中でも、子供が小学生以下であれば1DK、中学生以上や2人以上の子供が居る場合には2DKの間取りがオススメです。
共有スペースとなるDKは現在主流のLDKより狭くなりますが、母子家庭であればそれほど手狭に感じることは無いでしょう。
子供が小学生以下であれば子供のプライベート空間をさほど考える必要が無いため、寝室や生活スペースを1部屋でまかなうこともできます。
子供が中学生以上であればプライベート空間が必要になるなど、部屋を分けるために2DKの間取りが良いでしょう。
母子家庭での家賃目安は?
一般的に家賃目安は手取り額の3割程度と言われますが、母子家庭の場合には3割を超えない家賃額に抑えるほうがよいでしょう。
特に子供が幼い場合などは収入が不安定になることも多く、毎月固定での出費となる家賃額は抑えられた方が安心です。
母子家庭の場合、家賃の目安となる収入は仕事の給料だけでなく、先に述べた児童手当などを含めて考えることができます。
例えばパートの給料が毎月手取り額で平均12万円であった場合、児童手当で1万円、児童扶養手当で4万円ほど上乗せになりますので、合計17万円の3割以内ということで上限で5万円くらいの家賃が物件を探す目安になります。
もちろん、家賃以外で発生する生活費は子供の分も含めた人数分発生するため、現実的にはもう少し安価な家賃の物件を選ぶ方が理想でしょう。
将来的に引っ越すことになれば大きな出費になりますので、子供が小学生高学年くらいであれば2DKの間取りを選ぶなど、短期間で引っ越しなどしなくてよい物件を選ぶことも大切です。
生活保護はどうなの?
母子家庭となった場合に、収入の減少により生活保護を検討される方も多く居ます。
しかし、生活保護を受けてしまった場合、児童手当などの国や自治体による制度を受けることができなくなります。
また、自家用車を所持できないといった制限もあり、場合によっては生活がより困難になってしまうことも考えられます。
もし迷っているのであれば、自分の条件で受けられる制度が無いかをもう一度しっかりと確認することが必要です。
例えば「公的貸付制度」といった自治体からお金を借りられる制度の中に、「母子福祉資金貸付制度」と言うものがあります。
自治体によって借りられる金額に差がありますが、銀行で借りるよりも低利子であったり、保証人が居れば無利子になる場合もあります。
まずは自治体に相談し、利用できる制度を把握してからの住まい探しがオススメ
自治体によって制度そのものの有無が異なり、細かな条件は制度ごとで様々です。
母子家庭であることが条件であったり、その他の条件が設定されていることも多いため、いくつもある制度に自分が該当するのかを確認することは容易ではありません。
そのため、最も手っ取り早い手段が自治体の相談窓口を通じて利用できる制度をしっかりと把握することになります。
ほとんどの自治体にはひとり親家庭向けの相談窓口や、専用の電話窓口などが用意されています。
ひとりで悩むよりも専門の担当者と相談する方が間違いのない対応が期待できるため、まずは窓口へ相談し、利用できる制度で得られる手当を含めた収入を元に、住まい探しをスタートしましょう。
関連記事
賃貸借契約に欠かせない入居審査とは?初心者にも分かりやすく解説します!≫
【生活保護の家賃補助とは?】家賃上限や物件の探し方解説≫
【今の年収で賃貸を借りられる?】適正家賃の計算方法について!≫
【無職でも賃貸物件を借りれるの?】審査を通しやすくする8つのポイント!≫
【フリーランスが賃貸物件を借りる方法とは?】入居審査を通りやすくするポイント!≫
【個人事業主の賃貸契約は出来る!?】審査方法や契約について知っておきたいポイント≫
【奈良の子育て世帯必見!】奈良っ子はぐくみキャンペーンについて≫
【新しくなった奈良市の不妊治療費助成制度】不妊に悩む夫婦をサポート≫
【奈良市「新入学準備金」制度の利用方法】小学校へ入学するお子さんいる方必見!≫
【奈良市の子育て支援施設をご紹介】子育て世帯は必見!≫
-
担当者:木寅昌紀
生粋の奈良県民の私が宅地建物取引士や賃貸経営管理士の目線で奈良の賃貸情報や暮らしの事、エリア情報まで幅広く発信します!