【大家・管理会社・仲介会社とは】それぞれの役割と違いを詳しく解説!
【大家・管理会社・仲介会社】どんな役割?どう違うの?
賃貸物件の契約時、そして入居してから関わる3者――大家・管理会社・仲介会社。
各々どのような役割を持っていてどのような形で関わることになるのでしょうか。
急なお部屋のトラブルなどの際に迷わないよう、3者同士の関係性も含めて詳しく解説してゆきます。
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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア24年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
お部屋の設備のトラブル!どこへ連絡する?
「キッチンに備え付けの換気扇が動かなくなってしまった」
入居している賃貸物件でこういったトラブルが起こった時は、どこへ連絡するべきでしょう。
「大家」「管理会社」「仲介会社」
賃貸のお部屋を借りて住む際にはこの3者と深く関わることになります。
それぞれ名前は知っているという方がほとんどだと思いますが、それぞれがどんな役割を担っていてどういった関係性を持っているかについてはご存知でしょうか。
冒頭で挙げたようなトラブルの場合はこのうちどれに連絡するのが適切なのでしょうか?
結論から言えばこういった場合、基本的には管理会社に連絡をする形になります。
物件によっては大家さんに連絡をするケースもありますが、それは物件の管理方法の違いによるものです。
賃貸契約を結ぶまでを担当した不動産会社に連絡をされる方もしばしばおられますが、その会社は「仲介会社」であり、多くの場合、物件の管理業務を行っている不動産会社とは別になります。
大家・管理会社・仲介会社、それぞれの役割がどのようなものか、入居される方とどのように関わってくるのか、整理してまとめてみましょう。
大家・管理会社・仲介会社の役割って?
大家とは?
「大家」というのは言い換えれば「家主」であり、その名の通り物件の持ち主のことを指します。
持ち主が個人であるケースと会社であるケース両方ありますが、どちらにしても「大家」と呼びます。
大まかに言えば大家さんが自身の所有する物件を人に貸し、住まわせる代わりに家賃収入を得るという形になっています。
大家さんが自身の所有する賃貸物件に対して担っているおもな役割は、まず建物の管理。
マンション・アパートの入り口や階段・廊下など共用部を掃除したり補修したりといったメンテナンスを行うほか、各お部屋内の設備に問題が発生した時に修理をしたり、入居者が退去する際のルームクリーニングを行ったりしています。
あとは入居者の管理。
自身の物件に住んでもらう入居者を募集し、入居や契約更新・退去に関わる契約手続きを行い、入居者から月々の家賃を回収し、退去の際には敷金などの精算を行っています。
また他にはお部屋のリフォームを行ったり、駐輪場や駐車場を設けている場合にはその使用料の回収を行ったりしています。
このように大家さんが担う役割は多岐に渡っており、もちろんこうして挙げた以外にも様々な業務があります。
とくに個人の大家さんの場合、規模の大きいマンションなどではすべて自分で管理し対応するのが難しくなるケースも珍しいことではありません。
そのような時に、上記のような管理業務の一部や全部を不動産会社にお金を払って委託することで円滑に経営をしていくという方法がとられます。
そうした形で物件の管理を委託される不動産会社のことを「管理会社」と呼びます。
管理会社とは?
管理会社というのは先ほど書いた通り、大家さんから委託され物件の管理を行う会社のことです。
大家さんとの契約内容に基づいて建物の管理や入居者の管理など上に挙げたような管理業務を行います。
例えば冒頭の「備えつけの換気扇が壊れた」や、給湯器をつけてもお湯が出ない、水漏れの発生などの設備上のトラブルはできる限りすぐの対処が求められますし、住人同士のトラブルからくるクレームもそうです。
こういったトラブルやクレームへの対応が遅くなってしまうと新たなクレームの火種になり、せっかく住んでもらっている入居者が早々に出て行ってしまうという事態にもなりかねません。
物件自体の評判にも悪影響を及ぼしてしまいます。
大家さんとしては家賃収入を得ることがひとつの目的なわけですから、これは少なくない損失です。
なので「素早く」「適切に」入居者からの要望や苦情に対応するために、きちんと管理業務のノウハウを持った管理会社に任せるということは大家さんにとって大きなメリットがあるわけです。
そして入居者の立場からみても、ノウハウのある管理会社に対応してもらうというのは住まいに対しての安心に繋がります。
また、家賃の集金代行も管理会社が行う主要な業務のひとつです。
入居者が全員毎月ちゃんと定められた日に家賃を支払ってくれていれば何も問題はないのですが、実際はそうならないこともあります。
支払いを忘れていたり、支払いに消極的だったり、契約内容や物件の状態に不満があり支払わない意思を示していたり、経済的な理由で支払うことができなかったり……理由は様々ですが、とくに個人の大家さんがそういったケースに個別に対応していると大変な負担になってしまいます。
長い間家賃の滞納が続いた結果、訴訟に発展する事態ともなればなおさらです。
そこで管理会社が家賃の回収を行って大家さんへと送金し、滞納している入居者には督促を行うなど一連の集金業務を代行するのです。
管理会社との契約内容によっては、入居者が滞納した家賃を数ヶ月分保証することで滞納があっても大家さんの資金繰りが滞らないようにしたり、長期滞納者への訴訟を代行したりといったパターンもあります。
マンション・アパートの共用部の清掃やメンテナンス、入居者が退去した後のお部屋の修繕や設備の修理など、建物の管理も管理会社が適切に対応してくれれば、大家さん入居者ともに安心です。
入居者の数を増やすために新しい設備の導入やリフォームの提案を管理会社から大家さんに行うというケースもあります。
また物件によっては多少特殊な形態として、管理会社が一旦大家さんから一括で借り上げ貸主となるサブリース(転貸借)契約を行っているところもあります。
仲介会社とは?
最後に「仲介会社」とは、賃貸物件を借りようと思った時や物件を実際に見てみたいと思った時に訪れる不動産会社の多くがそうです。
仲介会社の業務はその名が示す通り、住むお部屋を探している方と、入居者を探している大家さんや管理会社を仲介し両者を結びつけることにあります。
仲介会社自身が自社で管理している物件を所有していることもありますが、仲介のみが専門というところもあります。
現在ではインターネットで物件を探して情報をある程度確認してから不動産会社へ連絡を取るという流れがもっぱら主流ですが、このネット上のサイトに掲載されている家賃や間取り・設備・実際のお部屋の写真などの物件情報を作成しているのも仲介会社の業務のひとつです。
お部屋探しの窓口として、連絡を頂いたりご来店下さった方へまずは物件を紹介して、実際に現地へ行き物件を見てもらう「内見」の案内をします。
内見の際の鍵の手配などの段取りも、仲介会社が大家さんや管理会社と連絡を取って行います。
案内するのは個人の方の場合もありますし、テナント用や社宅用の物件を探している法人のケースもあります。
お部屋への入居が決まれば、今度は契約の手続きも仲介会社の業務です。
契約書や重要事項説明書など書類を作成したり、火災保険や地震保険の手続きを進めたり、お部屋の鍵の準備などを大家さんや管理会社と連携して行ったり、お部屋の引き渡しが完了するまでのやりとりは仲介会社が担当します。
そのほか、管理会社に業務を委託していない物件の場合は、入居者の契約の更新や退去の際の精算などを大家さんに代わって仲介会社が行うというケースもあります。
3者そして入居者の関係性は?
大家・管理会社・仲介会社、それぞれの役割について見てきましたが、その3者に入居者も交えた互いの関係性について整理しておきましょう。
詳細な部分は契約内容など個々の事情によっても異なるので、あくまでも一般的な例としてお考えください。
まず大家さんが管理会社に物件の管理を委託し、管理会社は大家さんとの契約に基づいて物件の管理業務を行います。
そして管理会社もしくは大家さんが仲介会社に入居者の募集を依頼し、仲介会社はその2者と連携を取ってお部屋の状況の確認や鍵の手配を行います。
仲介会社は入居者の依頼を受けて物件を紹介・案内し、契約に関する手続きも行います。
以上が大まかな各々の役割から見た関係です。
お金の流れという視点からも関係性を見ておきましょう。
まず管理会社は大家さんから物件の管理を任される代わりに管理委託料を受け取っています。
そして仲介会社は大家さんから直接もしくは管理会社を通じて物件情報の広告料を受け取っています。
入居者は仲介会社に物件を仲介してもらう代わりに仲介手数料を支払い、敷金や礼金・家賃などは管理会社を介してもしくは直接大家さんへ支払うという流れです。
入居者が支払う敷金・礼金および初回の家賃については、振り込みが二度手間にならないよう仲介会社が仲介手数料とともに受け取り、その後管理会社や大家さんに送金されるパターンもあります。
まとめ~入居後のトラブルの連絡先はきちんと控えておこう~
いかがでしたでしょうか。
今回は賃貸物件の契約に深く関わる「大家」「管理会社」「仲介会社」それぞれの役割と関係性について見ていきました。
・大家さんが物件の所有者。
・管理会社は大家さんとの契約に基づいて物件の管理業務を代行する(大家さん自身で管理業務を全て行っている物件もある)。
・仲介会社は大家さんや管理会社から依頼を受け、入居者に物件を紹介・案内したり契約をしたり、物件の引き渡しまでの窓口となる。
このようにお部屋の引き渡しが完了するまでは仲介会社が入居者との窓口になりますが、その後の要望やトラブルについては管理会社や大家さんに連絡をする形になっています。
管理会社・大家さんの連絡先は契約時の書類などに記載されていますので、いざという時にすぐ連絡ができるよう必ず控えておくようにしましょう。
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