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担当者:木原一憲
趣味は休日バイクでツーリングすること!不動産キャリア20年以上の経験と奈良生まれ奈良育ちの知識を活かし奈良の情報を語ります!
【重要書類のうっかりミス】訂正印とは?使いかたのルールは?
どうしても起こりうる、契約書など重要書類を書く際のうっかりミス。
ただ適当に訂正すればよいというわけではなく、訂正印を用いた訂正のルールがあります。
どのような手順で訂正を行えばよいのでしょうか。
訂正印そのものについても詳しく解説してゆきます。
訂正印ってどんなものを使えばいいの?
訂正印(ていせいいん)という言葉を聞いたことがあると思います。
役所などに届け出るための書類や、賃貸物件に入居する時などに交わす契約書――そういった大切かつ厳密な意味合いをもつ文書に記入する際に内容を間違えてしまった。
そんな時に内容の訂正とともに押すのが訂正印です。
訂正印を押すことで、間違いなく記入した本人が訂正したのであって誰かしらが改ざんしたものではない、という証明となります。
では訂正印とはどのようなはんこを指すのでしょうか。
はんこ屋さんで「訂正印」(もしくは「簿記印」「修正印」「豆印」)という名前で6mmほどの小さいはんこが売られているのを見かけたり、お手持ちの印鑑のケースにそのようなものが一緒に入っているという方もおられると思います。
そちらは確かに訂正印として使うことができるのですが、使える場面が限られていて、あくまで会計帳簿・伝票など社内書類の訂正に用いるためのものです。
簿記用として使うことを想定して作られているため、限られたスペースにも押せるよう小さく作られているのです。
契約書など正式な文書を訂正する際に用いる訂正印は、その文書内容の契約のために捺印するはんこと同じものを使うというのが基本的なルールです。
簿記用の「訂正印」での訂正は無効とされてしまう可能性がありますから、間違えないように注意しましょう。
パターン別!訂正印の正しい使いかた
訂正印がきちんと訂正印として機能を果たすためには、押しかたにもルールが存在します。
「間違った文字を書き直す」「間違った箇所に書き加える」「間違った箇所を削除する」の3パターンにおいて、正しい訂正のしかたをご紹介していきます。
①間違った文字を書き直す
まず書き直しの基本的な手順から見ていきましょう。
はじめに間違った文字に二重線を引いて消し、消した箇所の上側(スペースがない場合は下側)に正しい文字を書いて、最後に二重線の上からもしくはその近くに訂正印を押す。この流れです。
決まりとして、間違った文字を消す際は消した内容が読めるようにしておかなければいけません。
塗りつぶしなどではなく必ず二重線で消すのが大事なポイントです。
また、訂正する文字は単語のまとまりにそって訂正するのが望ましいとされています。
例えば「南区」という箇所を「北区」に訂正する場合、修正すべき箇所は「南」の1文字だけなのですが、単語としては「〇〇区」というまとまりになりますから「南区」の2文字を消して訂正するようにします。
訂正箇所のそばに削除した文字数と書き加えた文字数を書き添えておくと、より丁寧な訂正方法となります。
例えば2文字の訂正であれば「削除2文字 追加2文字」というように書きましょう。
「〇文字削除 〇文字追加」という書きかたでも間違いではないのですが、そちらでは数字に桁を足すなどの改ざんの余地が生じてしまうので、前者の書きかたのほうが安心でおすすめです。
「削除」は「抹消」、「追加」は「加入」もしくは「加筆」と表記しても構いません。
②間違った箇所に書き加える
お次は、文字の抜けがあるところに書き加える方法です。
はじめに抜けがある文字と文字の間の上側に「v」(文字挿入のマーク)を書いて、さらにその上側に追加したい文字を書きます。
そして、追加した文字のすぐ隣に訂正印を押し、さらにその隣に書き加えた文字数を「追加〇文字」と書いておきます。これで完了です。
例によって上側に文字を書き加えるスペースがないのであれば、下側でも問題ありません。
③間違った箇所を削除する
最後に、余分に書いてしまった文字を削除したい場合の方法です。
はじめに削除したい文字に二重線を引いて消します。
そして消した文字の上側に訂正印を押し、そのすぐ隣に削除した文字数を「削除〇文字」と書いて完了です。
削除の場合も他と同じく、上側にスペースがなければ下側に訂正印を押して削除した文字数を書いておいても大丈夫です。
その他のルール補足
・縦書きの書面を訂正する場合は、上記3つのルールの「上側」を「右側」と置き換えて読んで頂ければ大丈夫です。
右側にスペースがない場合は左側を使います。
・金額など数字の訂正をして削除文字数や追加文字数を書き添える場合、「¥」や「,」「-」といった記号も1文字としてカウントします。
・訂正箇所の近くに訂正印を押すスペースが全くない場合は、書類の中のどこか空いているスペースに押しておけば大丈夫です。
削除文字数や追加文字数は訂正印のすぐそばに書いておきます。
・契約書など複数人が署名・押印する文書を訂正する場合は、一箇所ごとに全員分の訂正印が必要です。
どちらか一方の勝手な判断で訂正されてはまずいものなので、そうではないことを示すために全員の訂正印を並べて押しておきます。
簿記用の訂正印を作る際のポイント
正式な書類の訂正印は書類内に捺印するはんこと同じものを使うというお話はしましたが、社内書類などを扱うにあたって簿記用の訂正印を活用する場面もあると思います。
簿記用の訂正印を作成するポイントとしては、まずサイズはごく限られたスペースにも押せるように6mm程度の小さなものが望ましいです。
形状は丸型と小判型(楕円型)の2種類がありますが、用途的にどちらがどうというわけではありません。
ご自身の好みで選ぶか、もしくは職場でよく使用されているほうで作るようにすればよいでしょう。
はんこへの刻印内容としては「姓のみ」が一般的です。
とても小さなはんこなので、多くの文字数を入れてしまうと文字が判別できなくなってしまいます。
誰の責任のもとにその箇所を訂正したのかがちゃんと分かるよう名前が読み取れることが重要ですから、書体も「古印体(こいんたい)」や「隷書体(れいしょたい)」など文字が読み取りやすいものがおすすめです。
逆に「篆書体(てんしょたい)」のような書体は可読性が低く、実印など偽造されてはまずいものに用いるのには適しているのですが、訂正印には不向きです。
簿記用の訂正印にはインク内蔵のいわゆる「シャチハタタイプ」もあります。
朱肉を使うタイプよりも劣化しやすく長く使うにはおすすめできませんが、一回一回朱肉をつける必要 がないので忙しい業務の中で活用するにはたいへん便利です。
まとめ~訂正が必要になる可能性はゼロではない~
いかがでしたでしょうか。
今回は訂正印について見ていきました。
重要な書類はそもそも間違えないように慎重に書くのが基本中の基本です。
ですが重要な内容ゆえに緊張して間違えてしまったりということもありえますし、人の手で行う以上は100%間違えないようにするということはまず不可能です。
途中で何かしら内容の変更があり訂正が必要になるというパターンも考えられます。
いざという時に慌てないで済むように、また、重要な局面での書類にまさかの不備が起こらないように。
訂正が必要になる可能性はあるという前提で、ルールをしっかりと頭に入れておきましょう。
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