【高圧線下地に住んで大丈夫?】生活への影響と注意点を詳しくご紹介!
「高圧線」とは?近くに住むと危ないの?「高圧線下地」とはどんな場所?詳しく解説!

「電磁波は人体に悪影響を及ぼす可能性がある」と聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
引っ越しを検討しているとき、候補の物件近くで鉄塔を通る電線を見かけると「電圧が強そうだから、健康上悪影響が出てしまうかも」と心配になってしまう方もいるかもしれません。
この記事では、そもそも「高圧線」とは何を指すのか「高圧線」という言葉が含まれる「高圧線下地」とは何か、高圧線は健康上影響を及ぼすのか等について、詳しく解説します。

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賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
そもそも「高圧線」や「高圧線下地」って何?

「高圧線」って何?
電圧には「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類があり「電気設備に関する技術基準を定める省令」ではそれぞれ以下のように定義されています。
低圧:交流については(※)、600ボルト以下のもの。
高圧:交流については(※)、600ボルトを超え、7000ボルト以下のもの。
特別高圧:7000ボルトを超えるもの。
(※低圧・高圧については省令に直流についての定義も書かれていますが、電線に流れている電気は交流なので、ここでは交流の部分のみを紹介しています)
発電所でつくられた電力は、数十万ボルトと非常に電圧が高く、そのままでは家庭で使用することができません。
そのため一旦送電線を経ていくつかの変電所に送られ少しずつ電圧を下げていき、最終的に6600ボルトまで電圧を下げられた電気が家庭等の近くの配電線に送られます。
電柱とそこに張られた電線をよく観察してみると、高い部分に張り巡らされた電線と低い部分に張り巡らされた電線に分かれていることがわかります。
実は、それぞれの位置の電線に流れている電気の電圧は違っていて、高い部分には高圧が、低い部分には低圧が流れています。
(高い電圧が流れている電線の方が危ないので、より住宅等から遠い高い位置に配置されています)
上部に張られた高圧線に流れている6600ボルトの電気は電柱の横にあるバケツのような形の「柱状変圧器」で100ボルトもしくは200ボルトに下げられた上で、家庭や工場等に届けられます。
「途中で電圧を下げるくらいなら、発電する段階で低圧の電気にしておけばいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、電圧が低いと電気を遠くまで運ぶことが難しく、発電所から遠い場所では電気を使うことができないというデメリットが生じるため、このように工程を複数回に分けて徐々に電圧を下げているのです。
「高圧線下地」って何?
それでは、先ほど紹介した3種類の電圧「低圧」「高圧」「特別高圧」のうち「高圧」の電気が流れる電線の下の土地が「高圧線下地」と呼ばれるのでしょうか?
実は、同じ「高圧線下地」という言葉であっても以下の二つの意味があり、どちらの意味で使っているかは文脈によって異なります。
①「高圧」もしくは「特別高圧」の電気が流れる電線の下の土地のこと
②「特別高圧」の電気が流れる電線の下にあり、利用に制約がある(制約の内容は、高い建造物を建てられない・竹や木を植えられない等)土地のこと
一般的には、②の意味で使われるケースが多く見られます。
この記事でも、②の意味で「高圧線下地」という言葉を使用し、説明していきます。
高圧線下地に住むと健康上の問題が生じるって本当?

「特別高圧の電気が流れている電線の近くには、強い電磁波が発生するのでは?高圧線下地に住んでも人体に影響はないの?」と心配に思っている方もいるかもしれません。
結論から言えば「リスクがまったくないとは言い切れないので、個人の考えに応じて選択するしかない」ということが現状です。
送配電線が発する50ヘルツもしくは60ヘルツの超低周波は、波として考える必要がない程周波数が極めて低いことから「電磁波」ではなく「電磁界」と呼ばれます。
携帯電話や電子レンジの周波数である300Mヘルツ~3Gヘルツと比べても、この周波数が一段と低いことがわかります。
世界保健機関(WHO)の見解によれば「国際的なガイドラインを下回っている強さの電波であれば、健康に悪影響が発生する証拠は今のところない」とのこと。
日本でも、国際的なガイドラインと同等の「電波防護指針」が作成されており、この指針で危険な値とされる電磁波が発せられる場所は一般の人が立ち入ることができないような措置を採る(柵を設置するなど)よう、電波法で義務付けられています。
しかし、日本が設けている規制上限(電磁界の上限値)は韓国・ドイツ・スイスなどが設けている値よりも高いことや、総務省が設けた「生体電磁環境に関する検討会」の報告書は長期的な影響(発がん性があるか等)について「長期的影響の存在を示す科学的証拠は現時点で見つかっていないものと認識する」と表現していることなどから、はっきり安全だと断定することは難しい状況にあります。
電磁波による影響以外にも、以下のようなことが原因で健康を損なってしまう可能性もないとは言い切れません。
落雷の際等に断線が発生する危険がある
使用電圧が17 万ボルトを超える電線の直下から3m以内には建物を設置することはできませんし、使用電圧が7000ボルト超~17 万ボルトの電線の近くについても、建物を設置する際は上下左右ともに電線から一定の距離を取ることが定められています。
さらに、送配電線は日々保守・点検され、必要に応じて張替工事も行われています。
つまり、基本的には特別高圧線が切れること可能性も、切れた電線が高圧線下地の住宅やその住民に影響する可能性も低いと言えます。
しかし、メンテナンスが行き届いていなかったり電線の劣化が進んでいる状況下で地震や大雨が発生したりすると、電線は切れてしまう可能性があります。
切れた電線に触れたり近づいたりすると、最悪の場合感電死してしまう危険性があります。
実際に断線が発生すれば当然その影響は大きなものになりますが、大規模災害が発生した際等に断線が発生しないか心配することも、精神的な不調につながる可能性があります。
強風や雨天時などに不快音が鳴る
高圧線下地ではしばしば、風が強い日に電線同士が擦れて「キュンキュン」と鳥の鳴くような音がしたり、霧雨が降るなど湿気が生じた際に送配電線を支える鉄塔から「ジージー(※)」と音がしたりします。
いずれも安全上の問題はありませんが、音に敏感な方にとっては日常的なストレスになってしまいかねません。
(※)電気が電線から鉄塔に流れ込むことを防ぐために取り付けられている「がいし」が放電する際に鳴る音。
高圧線下地に住むかどうかは、ご自身や同居される方の性格や体質などを考慮して、慎重に決めましょう。
【高圧線下地に住んで大丈夫?】まとめ

この記事では、そもそも「高圧線」とは何を指すのか「高圧線」という言葉が含まれる「高圧線下地」とは何か、高圧線下地に住むと健康上影響があるのか等について、解説しました。
・電圧には「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類があり、それぞれの種類の電気が流れている電線を「低圧線」「高圧線」「特別高圧線」と呼ぶ。
・一般的には「特別高圧線」の下にあり、利用上制約がある土地のことを「高圧線下地」と呼ぶ
・送配電線の電磁界が発するのは超低周波ではあるものの、長期的な影響の有無についてはまだわかっていない
長く住んでも健康上全く問題がないと断定することはできない
・電磁波(電磁界)の影響以外にも、大規模災害が発生した際に断線が発生しないか心配することや強風や雨天時などに電線や鉄塔から不快音が鳴ることがストレスになり、心身の不調につながる可能性もある
引っ越し先の候補が高圧線下地である場合、契約前に不安な点はしっかり確認して、ご自身や同居される方の状況に応じてその家に住むかどうかを決めましょう。
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