【水道代が定額制の賃貸とは?】得する人・損する人と注意点を解説
賃貸の水道代が定額制になる仕組みと選び方

お部屋探しをして情報を集めていると、水道代が固定制になっている物件を見かけることがあります。
「水道は使った分だけ払うのが当たり前」と考えていると、ちょっと不思議に感じるかもしれません。
なぜ固定なのでしょうか。
要点まとめ
水道代が定額制の賃貸とは?
水道代を毎月一定額で支払う物件には、建物一括契約や家賃への組み込みなど、複数の仕組みがあります。
1. 定額制になる理由は建物一括契約や請求管理の効率化など
2. 使用量が多い人・世帯人数が多い世帯は固定制でお得になる場合あり
3. 使用量が少ない人は従量制の方が負担を抑えやすい
4. 固定制は月々の支出を把握しやすい一方、節水しても料金は変わらない
5. 契約前に固定額・家賃込みか・追加請求の条件を確認
水道代固定制の仕組みを詳しく解説していきます。



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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:23年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア23年以上の大ベテラン。奈良の社内仲介ランキングNo.1の実績有り。奈良の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、奈良のことは幅広い情報を持ち、特に天理市事情に日本一詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。
そもそもなぜ水道代が定額になるの?

「使った分だけ請求される」のが一般的な水道料金のイメージですが、賃貸物件では月々の金額があらかじめ決まっているケースがあります。
これにはいくつかの事情があります。
ひとつめは、建物全体でひとまとめの水道契約をしているためです。
アパートやマンションによっては、建物に水道メーターがひとつだけ設置されていて、物件のオーナーや管理会社が代表して水道局と契約していることがあります。
このパターンでは各お部屋に個別のメーターは存在しないため、おのおのがどれだけ使ったかを割り出すことができず、結果として「一律いくら」という形で徴収することになるのです。
「一括受水方式」「共用メーター方式」などと呼ばれ、築年数の経った物件や戸数の少ない小さな集合住宅で比較的よくある方式です。
ふたつめは、管理の手間とコストを減らすためです。
各戸ごとに毎月メーターを読み取り、使用量を計算し、請求書を作って配る――。
この一連の作業は、管理側にとって決して小さな負担ではありません。
料金を定額にしてしまえば、こうした事務作業を大幅に省くことが可能です。
物件の規模が大きいほど、この効率化の効果は大きくなるでしょう。
みっつめは、家賃や管理費に水道代が組み込まれているためです。
「水道代込み」と物件情報に書かれている物件はこのタイプで、契約上は水道代という項目が存在していなくても、実際は家賃のなかに定額の水道料金が含まれていることになります。
ほか、シェアハウスやサービスアパートメントでは、水道・ガス・電気をまとめて定額にしているところもあり、月々の生活費がいくらかかるか見積もりやすいことから、初めて一人暮らしをする方に好まれています。
こうして見てきたように、水道代固定制とひとくちに言っても、徴収の形にはいくつかバリエーションがあります。
家賃とは別に水道代が独立して設定されているケース・家賃や管理費のなかに水道代相当分が含まれているケースなどです。
いずれにも共通しているのは「どれだけ水を使っても支払い額が変わらないのが基本」という点ですが、ここには注意点もあります(後述)。
固定制と従量制、結局どっちがお得?

固定額方式と、使った量に比例して支払う従量方式。
家計にとってどちらが有利になるかは、その人の水の使い方ひとつで結論が変わります。
判断材料として、まず一般的な水道代の水準を押さえておきましょう。
総務省の家計調査では、単身世帯の水道代は月2,000〜2,500円前後が平均的な数字とされています(地域によって上下します)。
二人暮らし世帯なら3,500〜4,500円ほど、三人以上の世帯では5,000円を上回ることもあるようです。
この水準を起点に考えると、損得の境界線がおぼろげに見えてきます。
単身者の固定制の相場を2,000円前後と置いて考えた場合、日頃から水を控えめに使う単身者であれば従量制では月1,500円前後にとどまることもあり、従量制を選んだ方が出費は軽くなります。
反対に、湯船にしっかりお湯を張る習慣のある方、自炊や食器洗いの頻度が高い方など、平均を上回る使い方をする単身者には、固定制が味方になりやすいといえます。
世帯の人数も損得を左右します。
二人暮らし世帯の場合、水道代の固定額が4,000円までに収まっていれば、従量制と肩を並べるか、わずかに固定制が有利になる見込みがあります。
お子さんのいるご家庭となると、お風呂・洗濯・調理のいずれでも水の消費が膨らみ、従量制では月5,000円以上……あるいは8,000円以上になることもあります。
ファミリー向けの物件で固定額が5,000円程度に設定されていれば、相当な恩恵を受けられるはずです。
もっとも、家族向けの間取りで水道代を定額にしている物件はそう多くないので、巡り合えたら前向きに検討してよいでしょう。
加えて忘れてはならないのが、住む地域によって水道料金そのものが異なるという事実です。
自治体ごとに単価の設定はまちまちで、東京などの大都市と地方自治体では倍近い差がある場合もあります。
提示された固定額が従量制に比べて割安なのかどうかは、お引っ越し先の自治体の料金体系と並べて初めて見えてくるものです。
もともとの水道料金が安めの地域と高めの地域では、同じく固定額2,000円だとしても、お得さはまるで違ってくるのです。


固定制のメリットと知っておきたいデメリットは?

水道代があらかじめ決まっている方式には、好ましい側面もあれば、気をつけたい側面もあります。
固定制のメリット
固定制で何よりありがたいのは、月々の支出があらかじめ見通せることです。
水の消費量の多い少ないにかかわらず請求額が一定なので、家計の見積もりが組み立てやすくなります。
お金の管理に苦手意識のある方や、独り立ちしたばかりの方にとっては、この「ブレない出費」が大きな安心となるでしょう。
水を使うたびにお財布を意識せずに済むのも大きな利点です。
従量方式では「料金が気がかりでシャワーを早く切り上げる」「使う水量が気になって十分な食器洗いができない」などといった場面が生まれがちですが、定額ならそうした遠慮が不要になり、暮らしの心地よさが底上げされます。
さらに、固定制のなかでも一括受水方式の物件などでは、入居者が自分で水道局に申し込みをしなくてよい場合もあり、転居直後の慌ただしい手続きがひとつ省ける点も助かります。
ほか、水道料金の値上げや夏場の使用増といった外的な変動に振り回されにくいことも、固定制ならではのメリットです。
固定制のデメリット
裏を返せば、いくら水を節約したところで支払いが減ることはない点が固定制最大のデメリットです。
環境への意識が高い方や節約を美徳とする方にとって、どれだけ水の使用量を減らしても金額に表れないのは張り合いを欠く要素になりかねません。
いくら節水タイプのシャワーヘッドなどを取り入れても、家計面での見返りが感じられないのは物足りないところでしょう。
使う量が少ない人ほど割高になりやすい点も見過ごせません。
仮に、従量制換算で月1,200円相当しか水を使っていないのに、毎月2,000円を固定で払い続けているような状況であれば、1年で1万円近い「余分な負担」が積み上がる計算になります。
また、固定額の算定根拠がはっきり示されていない物件も少なくなく、その金額が適正かどうか見極めにくい場合もあります。
契約の際に、物件の固定額と地域の水道料金相場とを比較して、金額が妥当かどうかチェックしておくのがよいでしょう。
そのほか、料金が動かないがために、配管の水漏れといった不具合が起きても請求額に変化が現れず、発見が後手に回ってしまうリスクも頭の隅に置いておきたいところです。
物件選びで確認したいポイントと注意点

水道代が固定制の物件を選ぶときは、契約を交わす前に押さえておきたい確認事項がいくつかあります。
・料金が固定制なのか従量制なのか明らかにする。
・固定制であればその金額は月いくらで、管理費に込みか別途請求か調べる。
・固定額が物件のあるエリアの料金相場に対して納得できる水準かどうかリサーチする。
・「水道代込み」とうたわれている物件については、実質家賃として他の物件候補と比較検討する。
・各戸に個別のメーターが備わっているか調べる。
・共用部の水道料金も入居者持ちになっているかどうか確認する。
・水漏れなど、過去にどんな水道トラブルがあったかを管理会社に尋ねる。
こうした取り決めは、口頭でのやり取りだけだと認識のズレが生まれやすいものです。
物件を契約する際には、重要事項説明書に水道代の扱い(従量か固定か、家賃に込みか)が文面として明記されているかを確認し、引っかかる点があればためらわず担当者に尋ねるとよいでしょう。
そして、固定制において注意しておきたいのが、「定額だからといって常識を超えて大量の水を使っていると、使用量に応じた請求が来る可能性がある」という点です。
「定額なら浴びるように使っても平気」と極端な使い方に走ると、想定外の上乗せを招きかねないため、常識的な範囲内の使用を心がけるよう、くれぐれも注意しましょう。


まとめ~ご自身の生活スタイルに合わせて検討を~

いかがでしたでしょうか。
今回は賃貸物件における固定制の水道料金について、仕組みやメリット・デメリットなどを見ていきました。
水道代が固定制か従量制かという違いは、一見すると小さな条件のようにも思えますが、暮らし方しだいで毎月の満足度を大きく左右する要素です。
水を気兼ねなく使って快適さを優先したい方には固定制が、節約指向で使った分だけ無駄なく支払いたい方には従量制が、それぞれしっくりきやすいはずです。
どちらが優れているという話ではなく、ご自身の生活スタイルに合わせて検討する要素です。
大切なのは、契約前に固定額の水準やルールを一度きちんと見ておくこと。
そのひと手間さえ惜しまなければ、入居後に「思っていたのと違う」と感じる場面はぐっと減らせます。
水道代を含めた毎月のコストをご自身の暮らしを基準にして選んでいけば、住まいはきっと心地よいものになるでしょう。
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