賃貸住宅で出前を頼むのは禁止されているのか
賃貸住宅を契約する場合、必ず契約書に目を通して押印する必要があります。
その際に禁止事項や決まり事などを説明されますが、出前を禁止している物件はまずないでしょう。
しかし、トラブルに発展した事例があるので、詳しく確認していきたいと思います。
Web担当者:出口晏奈
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なぜ出前を頼んでトラブルになったのか
通常賃貸住宅であっても、出前を頼むことは禁止されていません。
しかし、管理会社から注意を受けた事例があるのです。
なぜこのようなトラブルが発生したのかというと、出前の場合には、食べ終わった食器類を返却するために玄関先に置いておくのが一般的でしょう。
玄関先に返却する食器を置いていたことで、近隣住民が管理会社に通報し、注意を受けたのです。
家の中は借主専用の専有部分となっていますが、廊下やエントランスなど、共用部分は個人のスペースではありません。
この共用部分に食べ終わった後に返却する食器を置いていたので、共用部分に私物を置かないようにと注意を受けたのです。
なぜ注意されたのかというと、共用部分は土地の所有者である大家さんに所有権があります。
また、消防法でも共用部分に私物を置くと、避難に支障をきたすことがあることから禁止されているのです。
ちなみに賃貸住宅だけではなく、分譲マンションでも共用部分に私物を置くことは禁止されています。
共用部分に返却の食器類を置けない理由
通常出前を取った場合、玄関先に返却する食器などを置いておくのが一般的です。
しかし、マンションやアパートなどの集合住宅では、返却する食器類を玄関先に置いたことで、トラブルになる可能性もあるのです。
なぜ玄関先に置くことでトラブルになるのかというと、「共用部分は入居者の私物ではない」「消防法で共用部分に物を置いてはいけないと決められている」からです。
共用部分は入居者の私物ではない
賃貸住宅の多くはマンションやアパートなどの集合住宅となっています。
集合住宅には大きく分けると専有部分と共用部分が存在しています。
専有部分というのは、家賃を支払っている人の専用のスペースで、借りている部屋が当てはまります。
そのため、借りている部屋の中には、たとえ所有者や管理会社であったとしても、緊急性がない限りは勝手に入ってはいけない決まりになっているのです。
勝手に入れば大家さんや管理会社であっても住居侵入罪となります。
それに対して共用部分というのは、入居者全員が共有している部分で、エントランスや通路などが当てはまります。
玄関先は通路なので、専有部分ではなく専用部分となっているため、基本的に私物を置くことは禁止されています。
契約書にも共用部分に私物を置かないように記載されているのが一般的です。
出前を取ったときの食器というのは、個人で注文した物なので私物になります。
よって出前を取ったときの食器を置く行為は、私物を置く行為になるので注意されることがあるのです。
消防法で共用部分に物を置いてはいけないと決められている
共用部分には私物を置いてはいけないと決められている以外にも、出前を取ったときの食器が置けない理由があります。
それは消防法で決められているからです。
共用部分は万が一災害が発生したときの避難経路になります。
そのため、私物が置かれていたことが原因で、避難に支障をきたしてしまう可能性もあるでしょう。
他にも私物が強風で飛ばされてしまい、他人にぶつかってケガをする可能性もゼロではありません。
特に食器は食べ物を入れておく物なので、季節によっては洗わずに置いておくと虫が寄ってくることや、臭いが出てしまうこともあり、近隣住民に迷惑をかけることがあるので注意が必要です。
どのようにして出前のトラブルを回避するべきか
共用部分に回収してもらう食器を置かないように注意されたら、もう出前を取ることはできないのかというと、決してそのようなことはありません。
きちんと対策をしておくことで、普通に出前を取ることができます。
では、どのような対策がよいのかというと、「回収時にインターホンを押してもらう」「洗ってから袋に入れて置いておく」「回収の必要がない出前を取る」などがあります。
回収時にインターホンを押してもらう
注文した料理を届けに来たときに、玄関先に何時までに置いておいてくださいと言われることが多いでしょうが、このときに玄関先に置くと管理人に注意されるので、回収するときにインターホンを押してくださいと伝えておく方法があります。
これなら共用部分に回収物を置く必要がないので、苦情が来ることもないでしょう。
苦情が来る心配はありませんが、いくつかデメリットが存在します。
それは回収時間帯に必ず在宅をしている必要があること、何時に来ますと言っても、交通事情などによって遅れることや早まることがあることです。
店によってはいつごろ回収に来るのか質問をしても、翌日に回収しますなどかなりアバウトな返答を返してくるところもあるでしょう。
そうすると1日中家にいなければいけなくなる可能性もあります。
特に1人暮らしの場合には、うかつに出かけることができなくなるのが大きなデメリットです。
洗ってから袋に入れて置いておく
食器を洗わずに、汚れた状態で置いていたことが原因で苦情が来た場合には、食器をきれいに洗ってから袋に入れて置いておくという対策が取れます。
しかし、共用部分に食器を置いていたことに対して苦情が来たのであれば、この方法ではまた管理人から注意される可能性があるでしょう。
そのため、あまりおすすめできる方法ではありません。
回収の必要がない出前を取る
通常出前を取った場合、料理が入っている器などは返却しなければいけません。
しかし、最近では食器などを返却する必要がない店も存在しています。
代表的なのはピザでしょう。
ピザはダンボールの入れ物に入った状態で配達されるので、当然回収する必要はありません。
自分でゴミに出すことになるので、ゴミを共用部分に置くことをしなければ、よほどのことがない限りは苦情が出る心配もないでしょう。
他にも最近では宅配寿司がプラスチックの入れ物で配達してくれるところがあります。
この場合も容器を自分で処分することになるので、器を返却する必要はありません。
このような出前が最近では増えているものの、やはり出前をしたら食器は返却しなければいけない店が多いのも事実です。
そこでおすすめなのは、オンラインフードデリバリーを利用する方法です。
オンラインフードデリバリーは、自分たちの店で料理を作って配達しているわけではありません。
料理を作っている店から、注文が来た家までデリバリーを行う専門の業者なのです。
しかも食器の回収を行わずに済むように、プラスチックや紙などの容器を使用しているため、当然回収に来ることもありませんし、食べ終わったら自分で処分することになります。
メニューも豊富なので、毎回同じ物を注文しなければいけなくなることもありません。
【賃貸住宅で出前は禁止なのか?】まとめ
賃貸住宅でも出前を頼むことは可能ですし、禁止されていることもありません。
ただし、共用部分に回収してもらう食器類を置くと、近隣住民から苦情が来ることや、管理会社から注意を受けることがあります。
それは共用部分に私物を置くことが禁止されているからです。
どうしても出前を取りたいのであれば、回収する必要のない容器を使用している店を使う、回収時にインターホンを鳴らしてもらうなどの対策を取るのがよいでしょう。
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