【退去時のトラブル対策は?】写真撮影とチェックリストの活用法を解説
退去時のトラブルを回避する方法

賃貸住宅の退去時には、通常の使用による損耗や経年変化を除き、借主の故意・過失などで生じた損傷について原状回復義務が発生します。
退去するときは大家さんや管理会社の担当者と一緒に立ち合いを行いますが、この際にトラブルに発展しやすいのが原状回復費用です。
要点まとめ
退去時のトラブル対策は?
退去時の原状回復費用トラブルを防ぐには、契約書を確認し、入居時からある傷や汚れを写真・動画で記録したうえで、チェックリストを管理会社へ提出・保管することが重要です。
①契約書の原状回復条件や特約を入居時と退去前に確認
②日付が分かる写真・動画で傷や汚れの拡大・全体を記録
③チェックリストを管理会社へ提出し、控えと撮影データを保管
特に写真撮影の方法やコツについて紹介していきます。



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賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
契約書の確認が大切

退去時にトラブルになりやすい原状回復費用ですが、まずは契約書をしっかりと確認することが大切です。
通常契約書には原状回復についても記載されているので、よく見ておきましょう。
また「入居時に不明な点があれば必ず聞いておく」「退去が決まったら再度契約書を確認する」ことも重要です。
入居時に不明な点があれば必ず聞いておく
宅地建物取引業者の仲介で賃貸住宅を契約する場合は、契約成立前に宅地建物取引士から重要事項について説明を受けます。
このときに原状回復についての項目にも触れるので、不明な点や不安な点があれば必ず聞いておきましょう。
特に経年劣化による摩耗や損傷については、曖昧になりやすいです。
例えばエアコンの汚れ、壁紙や床などはシミや打痕などがつきやすいので、物件や管理会社によっては借主の負担とならないと書かれている場合もあります。
場合によっては特に記載されていないこともあるので、不安であればあらかじめ備わっている設備や床、壁紙について聞いておくと安心できるでしょう。
通常はタバコのヤニ、ペットがつけた傷、不注意でつけた打痕などは借主の負担になるケースが一般的です。
逆に家具を設置したことでついた跡、クロスや壁紙の変色については借主が負担をしなくてよい場合が多いですが、必ずしもそうとは限りませんので注意しましょう。
退去が決まったら再度契約書を確認する
入居時に説明を受けても、長年生活していれば内容を詳しく覚えていない場合が多いでしょう。
そこで退去が決まったら、再度契約書を確認しておくことをおすすめします。
全ての項目をチェックするのは大変なので、原状回復について書かれている部分だけでも確認しておくべきです。
このときにも不安な点や不明な点があったら、退去の届けを出したときに聞いておくとよいでしょう。
写真撮影をして入居時からあった傷や汚れの証拠を残す

退去時にもめることが多い原状回復費用ですが、入居前からあった傷や汚れなどに関しては、原状回復費用を負担する必要はありません。
しかし、借主と貸主で傷や汚れが元からあったかどうか意見が食い違うこともあります。
そこで重要になるのが「写真に日付が残るように撮影」「傷や汚れの拡大写真と全体写真を撮る」「部屋全体を動画撮影する」「写真を撮影したことを事前に告げておく」これらを実施するだけでも、トラブルになる可能性を低くすることができます。
写真に日付が残るように撮影
入居前から傷や汚れなどがあったか証明する物の1つに写真があります。
しかし、いつ撮影した写真なのかがわからなければ意味がありません。
そこで大切になるのが、いつ撮影したかわかるように、日付が残るように撮影しましょう。
内見のときに撮影をしてもよいのですが、引っ越しをする前は忙しいですし、やることがたくさんあります。
そのため、入居したときに写真撮影をしておくのがよいでしょう。
内見のときは不動産屋の担当者がいるので、待たせては悪いと思って重要なところを見逃してしまう可能性があります。
引っ越しが終わったときに、落ち着いて撮影した方が、見逃しが発生する可能性も低くなるでしょう。
撮影をしたときに日付が残るように撮影する以外にも、マスキングテープで傷や汚れのあるところに貼りつけ、年月や日にちを書いてから撮影するのも効果的です。
傷や汚れの拡大写真と全体写真を撮る
傷や汚れがあるところの写真を撮影するときに注意するべき点は、日付を残すだけではありません。
他にも注意するべき点があるのですが、それは傷や汚れなどの拡大写真を撮った後に、どこの場所なのかがはっきりとわかるように、全体写真の撮影も行うところです。
例えば玄関を上がったところの床に大きな傷がついていたとしましょう。
しかし、傷を拡大した写真だけでは、どこにあった傷なのかが他の人にはわかりません。
そこで傷の拡大写真を撮るのと同時に、玄関全体を写して誰が見てもどこにある傷なのかがわかるように撮影することが大切です。
面倒ですが拡大写真と一緒に全体写真を撮影しておくことで、より信憑性が高くなりますし、退去時に説明しやすくなります。
全体撮影をすると、傷がある箇所がわかりにくくなる場合もあるので、このようなときはマスキングテープを貼っておき、ここに傷があるとわかるようにして撮影をするとよいでしょう。
部屋全体を動画撮影する
ワンルームや1Kなど、部屋の面積が小さな物件であれば、写真撮影をして傷や汚れなどが事前にあったことを証明すれば問題ありません。
しかし、ファミリー向けの物件を借りた場合、面積が広くて傷や汚れなどが多いと、写真撮影が大変になります。
そこでおすすめの方法が、動画を撮影してひとまとめにしておくことです。
動画であれば簡単に傷や汚れなどの拡大や全体像を撮影することができるので、部屋が広い場合には動画を撮影しておくのもよいでしょう。
動画撮影を行う場合も、日付が残るように保存しておきましょう。
写真を撮影したことを事前に告げておく
写真や動画を撮影したら、管理会社や不動産屋に連絡を行い、いくつか傷や汚れを発見したので写真撮影や動画撮影をしておきましたと報告しておくとよいでしょう。
このときに写真を現像し、提出しておくと安心です。
しかし、管理会社や不動産屋によっては、提出しなくてもよいと言われるケースもあります。
提出不要と言われても、必ず撮影した写真や動画は残しておきましょう。
万が一大家さんや管理会社が変わっても、撮影をした写真や動画があれば、最初からあった傷や汚れだということがわかるからです。


チェックリストは記入して提出・保管する

入居するときには色々な書類をもらいますが、その中に部屋の状態に問題はないかを確認するチェックリストを渡されるのが一般的です。
もし室内に傷や汚れなどがある場合は、写真撮影や動画撮影以外にも「傷や汚れがある場合はチェックリストに記載する」「記載したチェックリストは管理会社に提出する」ことを徹底しましょう。
そうすることで退去時にトラブルになる可能性を低くすることができます。
傷や汚れがある場合はチェックリストに記載する
内見を行った際や、引っ越しをしてきた直後に、室内に傷や汚れがない場合は問題ありませんが、傷や汚れがあった場合には、写真撮影や動画撮影以外にも行うべきことがあります。
それは入居時に渡されたチェックリストに記載をすることです。
もしチェックリストを渡されなかった場合には、インターネット上にあるチェックリストのひな型をコピーして作成しましょう。
記載したチェックリストは管理会社に提出する
内見のときや引っ越しをしてきたときに、傷や汚れを発見した場合には、必ずチェックリストに記載をする必要があります。
しかし、ただチェックリストに記載をするだけでは意味がありません。
記載したチェックリストは管理会社や不動産屋に提出する必要があります。
このときに一緒に撮影した写真があれば、添えて提出するのがよいでしょう。
チェックリストは念のためコピーしておき、契約書と一緒に保管しておくのがおすすめです。
重点的にチェックするべき場所

退去時に発生しやすい原状回復費用に関するトラブルで、特に効果的な対策は内見を行ったときや入居時に行う写真撮影です。
そこで傷や汚れなどがないか重点的にチェックする場所を紹介します。
それは「壁や床」「事前に備わっている設備」「水回り」「玄関」「収納の中」になります。
壁や床
傷や汚れなどがないか重点的にチェックする定番の場所と言えるのが壁や床です。
壁紙が使用されている場合は、破れている箇所や色褪せている箇所などがないかも同時にチェックしておきましょう。
床は家具を置いていそうな箇所のへこみ、大きな打痕がないか必ずチェックしておき、発見したら写真撮影を行います。
その他気になる点があれば、可能な限り写真撮影をしておくのがおすすめです。
事前に備わっている設備
賃貸住宅にはあらかじめ備わっている設備がいくつか存在します。
主な設備はエアコンやコンロがあります。
エアコンであればしっかり作動するか、作動したときに変な音や臭いがしないかなどもチェックしておきましょう。
異常があればすぐ大家さんや管理会社に連絡をして、修理してもらうことが大切です。
故障しておらず、普通に使用できる場合などは、設備の交換をしてもらえないことも多いですが、連絡をしておくことで最初から異常があったことがわかります。
もちろん写真撮影も忘れずに行いましょう。
水回り
水回りの汚れやシンクの下にある収納、排水の状態など、水回りもしっかりとチェックしておき、打痕などのチェックは必ず行います。
他にも嫌な臭いや詰まりがないかなども確かめておきましょう。
掃除をしても落ちない汚れがある場合は、他のところと同じように写真撮影をしておく必要があります。
玄関
玄関にも打痕や汚れが見つかる可能性があります。
玄関は汚れやすいので、つい見逃してしまうこともあるでしょうが、入居したら掃除をしてみて、落ちなければきちんと写真撮影を行います。
ドアの開閉に異常がないか、ドアの汚れが酷くないかなどのチェックも忘れないようにしましょう。
収納の中
内見のときや入居時にチェックを忘れてしまいがちなのが、収納の内部です。
収納の中は管理会社や大家さんも見逃しがちなので、忘れずにチェックしておきましょう。
他のところと同じように、傷や汚れが見つかった場合には、きちんと写真撮影をしておくことで、退去時に発生しやすい原状回復費用に関するトラブルの発生を防ぐことができます。


【退去時のトラブル対策は?】まとめ

今回は退去時にトラブルへと発展しやすい原状回復費用について、トラブルを回避するのはどうすればよいのかについて紹介してきました。
最初からあった傷や汚れなどは、きちんと証明できるように写真や動画の撮影をしておくのがおすすめです。
また、チェックリストに記入をして、管理会社や不動産屋に提出することも大切です。
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