【用途地域がまたがる土地は?】建築制限と適用ルールを詳しく解説

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「利用目的・高さ…」異なる用途地域にまたがる土地の制限はどうなる?


「利用目的・高さ…」異なる用途地域にまたがる土地の制限はどうなる?


土地を購入したり物件を借りたりする際、その土地が複数の用途地域にまたがっているケースがあります。


こうした場合、建物の用途や高さなどの制限はどのように適用されるのでしょうか。


要点まとめ


用途地域がまたがる土地は?


異なる用途地域にまたがる土地は、建物用途は面積が大きい地域、高さ制限は地域ごと、防火規制は厳しい区域など、制限ごとに適用ルールが異なります。


①建物の用途制限は、敷地面積が大きい方の用途地域の規制が土地全体に適用される


②高さ制限は用途地域の境界で分かれ、それぞれの地域ごとの基準を受ける


③防火規制は安全性を優先し、最も厳しい区域の基準が建物全体に適用される


④建ぺい率・容積率は用途地域ごとの敷地面積割合をもとに加重平均で計算する


⑤土地購入・テナント出店・賃貸住宅選びでは用途地域の確認が重要になる


異なる用途地域にまたがる土地の制限について詳しく解説していきます。




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    賃貸専門家:安達竜哉

    資   格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

  • 賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。




  • そもそも用途地域って何?


    そもそも用途地域って何?


    まずは基本から。


    用途地域」とはどういったものなのかについて見ていきましょう。


    用途地域の基本を知ろう


    用途地域というのは、住環境を守ったり商工業の便利さを高めたりする目的で、住居・商業・工業などの用途を計画的に配分するために決められた13種類のエリアのことです。


    例えば、静かな住宅地の中にいきなり大きなホテルが建ってしまったら、素性の見えない人たちの出入りが一気に増加し、周囲の住環境が悪化してしまいかねませんよね。


    また、企業の工場のそばに住宅が建って、住民から騒音のクレームを受けたら、企業の活動に支障が出てしまいます。


    こうした問題を防ぐために定められたものが用途地域です。


    建てられる建物の種類をエリアごとに制限することで、住みやすく働きやすい街づくりを目指すということですね。


    13種類の用途地域


    用途地域は次の13種類に分かれています。


    第一種低層住居専用地域:低層住宅のための地域。


    規模の小さいお店や事務所を兼ねた住宅・小中学校などが建築できます。


    第二種低層住居専用地域:おもに低層住宅のための地域。


    小中学校などのほかに、150㎡までの一定のお店などが建築できます。


    第一種中高層住居専用地域:中高層住宅のための地域。


    病院・大学・500㎡までのお店などが建築できます。


    第二種中高層住居専用地域:おもに中高層住宅のための地域。


    病院・大学などのほか、1500㎡までの一定のお店・事務所など必要な利便施設が建築できます。


    第一種住居地域:住環境を守るための地域。


    3000㎡までの店舗・事務所・ホテルなどは建築できます。


    第二種住居地域:おもに住環境を守るための地域。


    店舗・事務所・ホテル・カラオケボックスなど


    田園住居地域:農業と調和した良好な低層住宅の環境を守るための地域。


    地域内で生産された農産物を使う場合は500㎡までのお店が建築できます。


    2018年4月に追加された用途地域です。


    準住居地域:道路沿いの自動車関連施設などの立地および、それと調和した住環境を守るための地域です。


    近隣商業地域:周辺住民が日用品をお買い物するための地域。


    住宅・店舗のほか、規模の小さな工場も建築できます。


    商業地域:銀行・映画館・飲食店・百貨店などが集まった地域。


    住宅や規模の小さな工場も建築できます。


    準工業地域:おもに軽工業の工場やサービス施設などが建つ地域。


    危険性や環境悪化が大きい工場以外はほぼ建築できます。


    工業地域:どのような工場でも建築できる地域。


    住宅やお店も建てられますが、学校・病院・ホテルなどは建築できません。


    工業専用地域:工場のための地域。


    どのような工場でも建てられますが、住宅・お店・学校・病院・ホテルなどは建築できません。


    容積率・建ぺい率とは?


    建物を建てる際には、用途地域と合わせて「容積率」と「建ぺい率」も重要になります。


    容積率というのは、建物の延床面積(各階の床面積を合計したもの)が敷地面積に対してどれくらいの割合かを示す数値です。


    以下の計算式で求められます。


    容積率(%)=延床面積÷敷地面積×100


    容積率が大きいということは建築可能な延床面積が大きいということ。


    つまり、それだけ高い建物を建てられるということですね。


    建ぺい率というのは、建築面積(建物を真上から見たときの面積)が敷地面積に対してどれくらいの割合かを示す数値です。


    以下の計算式で求められます。


    建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100


    建ぺい率は、風通しや日当たりの確保、防火の観点から定められており、敷地内に一定の空きスペースが保たれるようにしています。


    容積率や建ぺい率は、用途地域や場所に応じて「どれだけ建ててよいか」の制限が設けられています。


    例えば、60坪の敷地面積をもつ土地で考えてみましょう。


    容積率が100%と定められていれば延床面積60坪まで、容積率300%と定められていれば延床面積180坪までの建物が建てられます。


    また、建ぺい率が60%と定められていれば建築面積36坪まで、建ぺい率80%と定められていれば建築面積48坪までの建物が建築できます。


    用途地域によって指定された容積率・建ぺい率をそれぞれ「指定容積率」「指定建ぺい率」と呼びます。




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    異なる用途地域にまたがる場合の適用ルール


    異なる用途地域にまたがる場合の適用ルール


    1つの土地が複数の用途地域にまたがっているとき、各制限の適用方法は一律ではありません。


    制限の種類によって、それぞれ異なるルールが設けられています。


    第一種低層住居専用地域と第二種中高層住居専用地域にまたがる土地を例にしながら見ていきましょう。


    建物の用途に関する制限


    建物の用途制限については、敷地面積が大きい方の用途地域の規制が、敷地全体に適用される決まりになっています。


    面積が多い方の制限に従うということです。


    例えば、土地の60%が第二種中高層住居専用地域で、40%が第一種低層住居専用地域だった場合、土地全体に第二種中高層住居専用地域の用途制限が適用されることになります。


    この場合は、第一種低層住居専用地域よりも建築できる用途の幅が広がり、一定条件のもとで店舗や事務所などが認められるケースもあります。


    これは、テナントとしてお店や事務所を借りる場合にも同じルールが適用されます。


    敷地面積が大きい方の用途地域に従って出店できる業種や規模が決まってくるため、店舗を構える際には必ず確認しましょう。


    高さに関する制限


    建物の高さに関する制限は、用途地域の境界線で分けられ、それぞれの用途地域の制限を受けます。


    つまり、境界をまたいで建物を建てる場合、エリアごとに異なる高さ制限が適用されるということです。


    建物の高さに関する主な制限には、次の4種類があります。


    ①斜線制限


    ②日影規制


    ③絶対高さ制限


    ④高度地区・高度利用地区などの制限


    例えば、土地の該当する用途地域が二種中高層住居専用地域と第一種低層住居専用地域に分かれていた場合、前者のエリアは3種高度・最高高さ25m(高度地区による)までの建物が建てられます。


    しかし、後者のエリアは、絶対高さ10m(絶対高さ制限による)までしか建築できません。


    また、日影規制については例外があり、建物の影が落ちるエリアの中で一番制限の厳しい区域の規制が土地全体に適用されます。


    日影は影響範囲が広いため、周辺の環境を守る目的から、より慎重なルールが設けられているということです。


    防火規制(防火地域・準防火地域)


    防火規制については、土地全体が一番厳しい区域の制限を受けることになります。


    例えば、第一種低層住居専用地域の区域だけに建物を建てるのであれば、準防火地域の制限を守ればOKです。


    ですが、建物が第二種中高層住居専用地域に少しでもかかるのであれば、建物全体を、より厳しい防火地域の規制をもとに建てなくてはいけません。


    防火に関しては、安全性を最優先するため、厳しいルールとなっているのです。


    建ぺい率・容積率の計算方法


    建築可能な建ぺい率と容積率は、用途地域ごとの敷地面積をもとに加重平均して割り出します。


    少し複雑ですが、具体例で見てみましょう。


    敷地面積が100㎡で、そのうち第一種低層住居専用地域が40㎡(指定建ぺい率40%、指定容積率80%)、第二種中高層住居専用地域が60㎡(指定建ぺい率80%、指定容積率400%)、第二種中高層住居専用地域側に幅員5mの前面道路があるものとします。


    ・建ぺい率の計算:


    第一種低層住居専用地域:40㎡×40%=16㎡


    第二種中高層住居専用地域:60㎡×80%=48㎡


    合計:16㎡+48㎡=64㎡


    建ぺい率(%):64㎡÷100㎡×100=64%


    ・容積率の計算:


    第一種低層住居専用地域:40㎡×80%=32㎡


    第二種中高層住居専用地域:60㎡×300%(基準容積率)=180㎡


    合計:32㎡+180㎡=212㎡


    容積率(%):212㎡÷100㎡×100=212%


    この計算で「おや?」と思われた方もおられるかもしれません。


    どうして第二種中高層住居専用地域側の容積率は400%ではなく300%として計算されているのでしょうか。


    じつは容積率の計算は少々複雑で、土地の前面にある道路の幅が12m未満の場合、指定容積率ではなく「基準容積率」というものが用いられることがあります。


    基準容積率は、前面道路の幅(m)に自治体指定の数値(40・60・80)を掛けて算出します。


    これを指定容積率と比較して、小さい方が適用されるのです。


    今回は第二種中高層住居専用地域側に5mの前面道路があるという条件でした。


    そこで自治体指定の数値を60とすると、5m×60=300%となり、指定容積率400%より小さくなります。


    と言うことで、基準容積率300%での計算となったわけです。


    このように多少ややこしい部分もありますが、それぞれの用途地域の面積比率に応じて計算し、全体の建ぺい率・容積率を求めるのです。




    賃貸住宅選びにも重要な用途地域


    賃貸住宅選びにも重要な用途地域


    用途地域は、土地活用や建物を建てる人、お店を始める人だけでなく、賃貸住宅を探す方にとっても重要な情報です。


    なぜなら、用途地域によって周辺環境が大きく変わるからです。


    例として、第一種・第二種低層住居専用地域や第一種中高層住居専用地域は住宅が中心で大きな商業施設や工場が建てられないため、静かで落ち着いた環境が期待できます。


    一方、近隣商業地域や商業地域は、店舗や一部の工場が多く立地するため、便利な反面、騒音や人通りが気になる可能性があります。


    用途地域を確認することで「静かな環境で暮らしたい」「お買い物に便利な場所がいい」といった希望に合う物件と出会いやすくなります。


    お部屋探しの際に、各自治体の都市計画情報に関するサイトを検索してみましょう。


    賃貸住宅を選ぶ際には、家賃や間取りだけでなく、用途地域もチェックすることで、ご自身のライフスタイルに合った快適な住まいを見つけられますよ。




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    まとめ~用途地域の基本を理解して上手な選択を~


    まとめ~用途地域の基本を理解して上手な選択を~


    いかがでしたでしょうか。


    今回は、異なる用途地域にまたがる土地の制限についてを中心に見ていきました。


    異なる用途地域にまたがる土地の場合、制限の適用方法は一律ではありません。


    土地を購入したり建物を建てたりする際には、これらの複雑なルールを理解しておくことが重要です。


    また、店舗を始めるためのテナントを探す際にも、用途地域によって営業できる業種に制限があるため、確認が不可欠です。


    さらに、用途地域は賃貸住宅を選ぶ際にも重要な情報です。


    用途地域を確認することで、静かな住環境を求める方は住居系の用途地域を、利便性を重視する方は商業系の用途地域を選ぶなど、自分のライフスタイルに合った住まいを見つけることができます。


    土地や建物に関わるルールは複雑ですが、用途地域の基本を理解しておくことで、土地活用でも賃貸住宅探しでも、より良い選択ができるようになります。


    気になる土地や物件がある場合は、その用途地域を確認してみてくださいね。




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