【2025年】街でよくみかける定礎とは?どんな意味があるのか知ってる?

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ビル・マンションなどで見かける「定礎」とは?


ビル・マンションなどで見かける「定礎」とは?


ビルやマンションなどで石に大きく「定礎」って書かれて(彫られて?)いるのを見かけたことはないでしょうか。


ひょっとしたら「見かけたことはあるけれど実は意味がよく分かっていないもの」のひとつかもしれませんね。


実は「定礎」には意味があるんです。


今回は定礎の意味や歴史、定礎式の式次第やどのように行われているかなど、「定礎」について深堀りしたいと思います。



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    賃貸専門家:木寅 昌紀

    資   格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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  • 目次:【街でよくみかける定礎とは?】どんな意味があるのか知ってる?
    ・定礎とは ・定礎のルーツ ・定礎式って? ・【街でよくみかける定礎とは?】まとめ


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    定礎とは


    定礎とは


    「ていそ」と読みます。


    「定礎」の「礎」は「いしずえ」とも読み、柱の下の土台石や、建物の土台になるところに置き、その上に建物を建てるというように、「土台」と言う意味があると考えられます。


    また、「物事の根幹となる大切なもの」という意味も持っています。


    つまり「定礎」はそんな土台となる「礎」を「定める」と言う意味となります。


    定礎はビルやマンションだけでなく、さまざまな施設にも設置されています。


    多くの方が見かけたことがある定礎と言えば、学校や病院でしょうか。


    そのほか商業施設や介護施設、保育施設にも設置されていることが多いですが、設置する建物について特に決まりはありませんし、設置義務もありません。


    極端な話を言えば、定礎を設置しなくてもいいですし、マイホーム記念に自分の家に定礎石を設置してもいいんです。


    定礎石には「定礎」という文字の下に日付が彫られていることも多いです。


    日付は建築工事が始まった日や、定礎板を埋め込む定礎式の日付であることが多いです。


    なんだか記念碑のようなイメージがしますね。


    ではそんな「定礎」はなぜ設置しているのでしょう。


    そのヒントは、「定礎」のルーツにあるようです。






    定礎のルーツ


    定礎のルーツ


    定礎の歴史はかなり古く、約5000年前のメソポタミア文明の頃にまでさかのぼります。


    ちょっと気が遠くなったかもしれませんね。


    世界四大文明のひとつとして習ったよなぁ・・・という感じかもしれませんね。


    メソポタミア文明はその四大文明の中で最古の文明とされています。


    そんな時代から定礎は存在していました。


    といっても今の定礎の意味合いとはちょっと異なり、当時は建築に取り掛かる際の基準点として扱われていたようです。


    メソポタミア文明はやがてギリシャ文明やヨーロッパ文明にさまざまな影響を与えていきましたが、定礎も例外ではなく伝えられていきました。


    この頃には基準点としての扱いに加え、「建物を滞りなく建てることができますように」「この建物が倒壊することなく、長く続きますように」という願いも込められるようになりました。


    また、定礎の礎石には、その上に建てる柱に地面の湿気を吸わせてしまわないようにするためや、シロアリや動物から柱を守る役割もありました。


    そのため、礎石を入れないと建物を建てることができない、ということもあったようです。


    日本に定礎の文化が伝わったのは明治時代頃とされています。


    江戸時代末期から明治時代にかけての時代は、黒船来航⇒開国⇒大政奉還⇒明治維新といった、急激に時代が変化した頃です。


    そんな頃に日本にヨーロッパ文化が浸透し始め、西洋近代建築が各地に建てられることになりました。


    西洋建築の建物を建てる際に、西洋建築技師から伝わったとされています。


    日本では現在、工事終了後に定礎石を設置する流れになっているようです。


    そして定礎石は建物の玄関近くに設置されることも多いです。






    定礎式って?


    定礎式って?


    定礎石や定礎板を設置・埋め込みするだけでなく、工事の安全を祈願するために定礎式という式典を行うこともあります。


    現在の建築方法では建築土台に腐食しにくい素材を使用するので、本来の定礎そのものを行う意味も薄れているので、定礎式自体も工事が無事終了することや建物が長持ちすることを願う形式的なものとなっています。


    なのでかつては工事をスタートさせた日に定礎式を行うのが重要でしたが、現在は建物の完成間近、または建物が完成してから行っても特に問題はないようです。


    そのため、現在は竣工式や落成式の前に形式的な形で定礎式を行うことがほとんどです。


    定礎式はこうやって行われます

    定礎式の目的は、工事の無事と建物が長持ちすることを祈願することです。


    定礎式では神主自身や参列者を清めるための儀式や神にお供えを行うための儀式、神々のお祝いの言葉を奉上するための儀式、神酒や米、塩などを土地の四方に巻いてお祓いする儀式を経て、本格的に定礎の儀に入ります。


    具体的には以下の儀式が行われます。


    定礎の辞奉読(ていそのじほうどく)…神様に建物が長持ちすることを願います。


    斎鏝(いみごて)の儀…定礎石を埋める場所にモルタルを注ぐ儀式。


    礎石据付(そせきすえつけ)の儀…定礎石を据える場所に埋め込みます。


    斎槌(いみつち)の儀…定礎石が水平で垂直に収まり、歪んでいないことを確認したら、定礎石の設置が完了したことを伝えます。


    玉串奉天(たまぐじほうてん)…建物を建てる土地の安定や施主・工事関係者の守護を願います。


    昇神の儀…祭壇から上がお帰りになるのをお見送りします。


    神酒拝戴(しんしゅはいたい)…神前にお供えしていた神酒を参列者に配ります。


    これらの儀式のあと、竣工式や竣工披露などが行われることが多いです。


    竣工式


    「竣工奉告祭」とも言われ、無事に工事が完了したことを神々に奉告する儀式となっています。


    ・竣工披露


    こちらは儀式と言うよりも完成した建物をお披露目し、工事に協力してくれた人々への感謝やお礼を行う祝賀会のようなものです。


    祝辞やあいさつ、感謝状の贈呈などが盛り込まれたセレモニーになっています。


    また、定礎式の際に定礎箱を埋め込むことがあります。


    定礎石の下に定礎を行った日がどのような時代であったかを後世に伝えるために、さまざまなものを入れて封印し、定礎石とともに埋め込み、いつかその建物が解体される時に開封されるよう設置するというものです。


    いわばタイムカプセルのようなものですね。


    定礎箱には腐食に強い銅やステンレスを素材にしていることが多く、そういった素材が望ましいでしょう。


    そんな定礎箱の中身はさまざまですが、例えばこのようなものが挙げられています。


    ・氏神様のお礼


    ・建築の図面


    ・施主と建築に携わった人の名前が入った名盤


    ・建築中の写真


    ・定礎が行われた日や時代を偲ぶことができそうなもの


    例えば当日の新聞、週刊誌、使用されている硬貨や紙幣、流行っているグッズなど。


    今の時代だったら流行っている曲が入ったCDや鬼滅の刃グッズ、呪術廻戦や東京リベンジャーズ関連の玩具菓子などでしょうか。


    この“タイムカプセルのようなもの”は後世に今の時代を伝えることができるといったロマンあふれるものだと言えるでしょう。何だかワクワクします。






    【街でよくみかける定礎とは?】まとめ


    【街でよくみかける定礎とは?】まとめ


    以上、定礎の意味や歴史、定礎式などの内容について解説しました。


    定礎の意味を知っておくと、意外な場面で活用することができます。


    例えば築年数がわからないマンションの場合、定礎に刻まれているに介をチェックすることでその建物の築年数を知る手掛かりにもなります。


    また、定礎は個人の自宅に設置することも可能なので、いずれマイホームを建てることになった時に定礎石の設置を検討してみてはいかがでしょうか。


    最近は定礎石のデザインもさまざまで、おしゃれな定礎石を設置することもできますよ。





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