【RC造・SRC造・S造・木造って何?】建物の構造の違いとは?わかりやすく解説
賃貸物件探しで見落としがちな、建物の構造について
賃貸物件を探すときに、家賃や間取り、築年数などと合わせて「構造欄」というものを見かけることがあると思いますが、建物の構造にはどのような種類があるかご存知ですか?
構造に関してはあまり気にしないという方もいらっしゃるかもしれませんが、建物の構造は大きく、「RC造(鉄筋コンクリート造)」「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)」「S造(鉄骨造)」「木造」の4つのタイプにわけることができます。
4つのタイプの名前ぐらいは聞いたことがあっても、木造以外の3つの違いについてはよくわからないという方がほとんどではないでしょうか。
今回は、そんな物件探しのときによく目にするのにその違いがよくわからない建物の構造について、それぞれのメリット・デメリットと合わせてご紹介します。
ぜひ、物件探しの参考にしてみてください。
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天理市賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:22年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア22年以上の大ベテラン。天理市勤務は累計18年以上で、社内仲介ランキング№1の実績有り。天理市の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、天理市のことは何でも情報を網羅し、日本一天理市事情に詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。
RC造・SRC造・S造・木造とは?それぞれの特徴と違いについて
RC造・SRC造・S造・木造のメリットとデメリットを考える間に、まずはそれぞれがどのような構造なのか、特徴について見ていきましょう。
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RC造の構造と特徴とは?
RC造(Reinforced Concrete)とは「鉄筋コンクリート造」のことで、柱や梁(はり)など建物にとって要となる大切な部分の強度を増すために、鉄筋の枠型にコンクリートを流し込んでいるものです。
鉄筋とコンクリートが互いの弱点を補い合うという特徴があり、鉄筋の引っ張る力とコンクリートの強度を組み合わせることによって、S造や木造よりも強い構造を実現しています。
コンクリートを流し込む鉄筋の枠型さえ作れれば、デザイン性豊かな建物が作れるのが特徴ですが、鉄筋とコンクリートという重量がある素材を組み合わせているため、高層マンションなどには適していません。
高層ではなく中低層の建築物で多くみられる構造です。
SRC造の構造と特徴とは?
SRC造(Steel Reinforced Concrete)とは、「鉄骨鉄筋コンクリート造」のことです。
SRC造はRC造と同じような構造ですが、RC造と違って鉄骨を支柱とし、その周囲を鉄筋コンクリートで補強しています。
そのため、鉄骨のもつしなやかな強さと、RC造の耐久性の両方を兼ね備えているところが大きな特徴になります。
機能性が高いことから高層マンションやオフィスビルなどに採用されることが多い構造ですが、最上階までコンクリートを流し込むと重くなりすぎるため、5階よりも上の上層階にはコンクリートを流し込まないのが一般的です。
ほかの3つのタイプと比べてコストは掛かりますが、強度も耐震性も非常に高いという特徴があります。
S造の構造と特徴とは?
S造(Steel)は「鉄骨造」のことです。
コンクリートを使わないためRC造やSRC造よりも軽く、鉄骨自体が粘り強くてしなやかであることが特徴です。
そのため、高層ビルや体育館などの高さや面積がある建築物などに最適だとされています。
特徴としては、コンクリートを利用しないので、間取りの変更やリフォームがしやすいということが挙げられます。
ちなみに、鋼材の厚みが6.00mm以下のものを「軽量鉄骨造」、6.00mm以上のものを「重量鉄骨構造」と言います。
木造の構造と特徴とは?
「木造」はW造(Wood)とも呼ばれる、一昔前までは日本の住宅建築における主流であった構造です。
そのため、築年数が古いアパートなどは木造がほとんどです。
神社仏閣を見ればわかるとおり、木材が豊富な日本では、木造の建築物は古くからスタンダードですが、資材となる木材は軽くて強度があるだけでなく、ほかの3つのタイプと比べてコストや家賃が安く済むため、今でも根強い人気を誇っています。
また、木材なので加工がしやすいことからリフォームがしやすく、軽量のため狭小地、変形した敷地、奥まった土地などでも建築しやすいという特徴があります。
RC造・SRC造・S造・木造それぞれのメリット
RC造・SRC造・S造・木造それぞれの構造と特徴がわかったところで、次はそれぞれのメリットとデメリットについてみていきましょう。
まずは、それぞれのメリットからご紹介します。
RC造(鉄筋コンクリート造)のメリット
RC造というのは、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造のことです。
床や壁を鉄筋コンクリートで覆っているため、鉄骨造よりは強度があることが大きなメリットだと言えるでしょう。
鉄筋とコンクリートがそれぞれの弱点を補い合っており、耐震性や 耐火性、防音性、断熱性などが高く、優れた性能を発揮します。
また、SRC造と比べてコストも抑えられるというのもメリットのひとつです。
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SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のメリット
RC造に鉄筋(スチール)を加えたSRC造はとても丈夫な構造物であるため、耐久性に優れています。
SRC造は高層マンションやオフィスビルなどで採用される構造であることからもわかるように、4つのタイプの中で、最も性能が高い構造だと言えるでしょう。
耐久性に加え、耐震性能や耐火性能、防音性能に優れており、地震や火事などの災害にも強い造りになっています。
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S造(鉄骨造)のメリット
RC造よりもコストが掛けずに、木造よりも強度を高くできることがS造の一番のメリットです。
そのため、「ある程度の耐震性はないと困るけれど、なるべく家賃は抑えたい」という方におすすめです。
また、RC造のようにほかの資材と組み合わせて建てられていないので、建物全体の品質が均一に保たれており、コンクリートの壁がないため、間取りを増やすなどのリフォームなどが簡単にできるというメリットもあります。
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木造のメリット
木造の一番のメリットは、家賃が安く抑えられることでしょう。
できるだけ安い物件をお探しなら、木造から探すのが希望に沿った物件を見つける近道と言えます。
また、通気性が良いので過ごしやすく、湿気が溜まりにくいので、カビに悩まされることも少なくなります。
ほかにも木造ということもあって資材が軽いため、組み立てや加工がしやすく、環境にも優しいというメリットがあります。
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RC造・SRC造・S造・木造それぞれのデメリット
4つのタイプの構造には、それぞれメリットがあれば当然デメリットもあります。
ここからは、RC造・SRC造・S造・木造それぞれのデメリットについてご紹介します。
RC造(鉄筋コンクリート造)のデメリット
RC造はS造や木造と比べると、鉄筋の枠型にコンクリートを流し込む工数が増えるため、おのずとコストが高くなります。
そのため、家賃が比較的高くなるというデメリットがあります。
また、気密性が高く、通気性が低いという面があるため、熱気や冷気がこもりやすく、そのため夏は暑く、冬は底冷えするというデメリットもあります。
SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のデメリット
RC造以上に工程が複雑になるため工事自体が長期化し、建築費用はさらに高額になります。
そのため、4つのタイプの中では最も家賃が高いというのが一番のデメリットです。
また、鉄筋を使うことからRC造のような自由なデザインができないため、建物や間取りに個性がなく、物足りない印象がある構造だと言えます。
RC造と同じように、通気性がよくないというデメリットもあります。
S造(鉄骨造)のデメリット
S造のデメリットとしては、防音性能が弱いということが挙げられます。
木造に慣れている方なら気にならない程度かもしれませんが、はじめてS造に住む方は生活全般に支障をきたすことも考えられます。
ただし、騒音は建物の構造だけでなく、周囲の環境によっても左右されたり、隣室と接する面の広さによっても異なったりするため、内見の際には必ず防音の程度を確認するようにしましょう。
木造のデメリット
木造のデメリットとして、最もイメージされるのが火災に弱いという点でしょう。
確かに木造の物件は、耐火性のみならず、耐震性や遮音性が低いという面がありますし、また、長期間メンテナンスされていない物件になると、シロアリなどの害虫が発生してしまう可能性もあります。
ただし、通気性が良いなどのメリットもありますから、できるだけ家賃を抑えたい方は選択肢に入れるべき構造だといえるでしょう。
建物構造の選び方
RC造・SRC造・S造・木造それぞれの特徴やメリット・デメリットがありますが、賃貸物件は建物の構造だけで選ぶわけではないので、あくまでもライフスタイルに合った構造を選ぶようにしましょう。
たとえば子どもがいるので安全面を優先したいというのなら耐火性や耐震性、遮音性に富んだRC造がおすすめですし、RC造同様の安全面に高層階からの景色を楽しみたいというのなら、SRC造を検討するのがいいでしょう。
また、家賃は抑えたいけれど耐震性だけは譲れないというのならS造ですし、とにかく低予算の物件を探しているというのなら、木造の物件がおすすめです。
女性が一人暮らしをするのなら
女性の一人暮らしで最も優先したいのは安全面になると思いますが、RC造やSRC造は構造としてしっかりしている分、家賃も割高になってしまうことがほとんどです。
そのため、予算に余裕がない方はなかなか選択しづらいところがあると思います。
このようなときはRC造やSRC造よりも家賃が抑えられ、なおかつ木造よりも性能が高いS造がおすすめです。
S造は、しなやかで強度も高い鉄骨を使用しているため構造としてはしっかりしていますが、工期が短く済むため家賃が比較的抑えられている物件が多くみられます。
ただし、RC造やSRC造のように壁の間などにコンクリートを流し込んでいないため遮音性が低く、騒音が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は、遮音性の高い建材を使っている物件や、隣室との接する面が少なくなるように全室が角部屋になっているような物件などを選ぶことをおすすめします。
また、最近完成した物件の中には、防犯カメラやモニター付きインターフォンなど、最新のセキュリティを採用しているものもたくさんあるので、そのような物件を選ぶと防犯面での心配も解消されます。
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【RC造・SRC造・S造・木造って何?】のまとめ
今回は賃貸物件を探すときに見落としがちな、建物の構造についてご紹介しました。
建物の構造には大きく4つのタイプがあり、それぞれにメリットやデメリットがあることがおわかりいただけたかと思います。
人によって住まいに求める条件は違うので、一概にどれがいいとは言えませんが、少なくとも今回挙げたそれぞれの特徴やメリット・デメリットは頭の中に入れた上で物件探しを始めると、また違った角度から物件のことを見ることができると思います。
すべての条件を満たす物件を探すのは難しいかもしれませんが、建物の構造を理解することで、少しでも希望に沿う物件を探すことに役立ててみてください。
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