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担当者:木原一憲
趣味は休日バイクでツーリングすること!不動産キャリア20年以上の経験と奈良生まれ奈良育ちの知識を活かし奈良の情報を語ります!
物件の壁の厚さはどうやって調べるの?防音性の高い部屋探しのコツと内見時のチェックポイントとは
住まいの快適さを決める要素の一つに「防音性」が挙げられます。
特にテレワークなどで自宅で過ごす時間が増えた人にとって、「音」に関する不満やトラブルは避けたいところ。
そんな防音性を決める物件の壁を見極めるコツをご紹介します。
壁の厚さや防音性は暮らしにどんな影響を与えるの?
一般的に壁が薄い場合は防音性が低く、隣戸や周囲からの生活音が聞こえやすい傾向があります。
しかも、聞こえやすいということは自室からの音も周囲に漏れやすいということになるため、普段の生活でも気を使う必要があります。
そのため、以下のような人には壁の厚さ=防音性が普段の暮らしの快適さを大きく左右すると言えます。
・生活騒音に敏感な人
・小さな子供が居るなどで騒音トラブルが気になる人
・仕事がテレワークなどで自宅に居る時間が長い人
では、壁が薄い物件は一概にダメなのかと言えばそうではありません。
壁が薄いということは建設費が抑えられるため、単純に賃料が安くなったり、壁を含む構造部分以外のデザイン面にコストをかけた建物にできるなど、人によってはメリットに感じる部分もあります。
この様に、壁の厚さによって建物の性質に大きな違いがあります。
人によってこの性質の差が日々の暮らしにどの程度影響するのかは異なりますので、事前にその影響を把握しておくことが大切です。
建物の構造と壁の厚さや防音性との関係性とは?
壁の厚さを決める要素のひとつに、建物の構造があります。
構造が全てを決めるわけではありませんが、構造と壁の厚さの関係性を知ることで、物件選びの際に候補を一気に絞り込めるようになります。
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、主にマンションで採用される構造です。
壁や柱、床、梁などの構造に鉄筋コンクリートが使用され、壁の密度が高く防音性に優れた構造とされています。
鉄筋コンクリート造の壁の厚さは“15~18㎝程度”とされており、日常的な生活音が周囲に聞こえることはほとんどありません。
また、高層マンションなどで用いられている鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)は耐震性能に優れているものの、防音性では鉄筋コンクリート造とそれほど変わりません。
重量鉄骨造
鉄骨造(S造)の中でも、骨組みとなる鉄骨に厚さ6mm以上の鋼材を使ったものを重量鉄骨造といいます。
マンションやビルなどの頑丈な建物の構造だけでなく、店舗や一戸建て住宅でも間口を広く取れることから採用される構造です。
厚さのある建材を採用することで壁の厚さも増えるもの、鉄筋コンクリート造より少し薄い“12.5~15㎝程度”が厚さの目安となります。
そのため、鉄筋コンクリート造と比べて生活音など音漏れが起こる可能性が高くなります。
軽量鉄骨造
鉄骨造の中でも、骨組みとなる鉄骨に厚さ6mm未満の鋼材を使ったものが軽量鉄骨造といいます。
軽量鉄骨造は建材が軽く組み立てやすいことから、アパートなどで使用されることが多い構造です。
壁の厚さの目安は“10~12.5㎝程度”と薄く、防音性はそれほど高くありません。
しかし、建設コストを抑えることができるため、賃料を安く抑えたり、デザイン性に優れた建物にできるといったメリットがあります。
木造
木造は建設技術が大きく進歩していることから、使われている技術によって住み心地にも大きな影響があります。
木材の調湿効果などが良く取り上げられますが、耐震性や防音性に優れた設計が施されている建物は上記の構造以上に優れた性能を持つものもあります。
ただし、それらの最新技術を取り入れた建物は一戸建て住宅などが殆どで、一般的な木造賃貸住宅の場合で壁の厚さは“10㎝程度”と薄く、構造による防音性はあまり期待できません。
近年では間取りなどで上手く防音性を高めた物件もあるため、実際に内見などで確認する必要があります。
内見時に壁の厚さを知るためにチェックしておくべきポイントとは?
防音性を確認する際に最も有効なのが、直接確認する方法です。
つまり、実際に入居前に物件を確認できる内見の際にポイントを抑えてチェックすることで、壁の厚さから防音性を知ることができるのです。
隣戸との玄関ドアの距離を確かめる
内見時には、部屋に入る前に隣戸との玄関ドアの距離を確認します。
部屋が横並びになっている物件の場合、玄関ドアどうしの距離が極端に近いと壁が薄く設計されている可能性が考えられるからです。
部屋の中で手を叩いてみる
室内の防音性を確認するうえで、何らかの方法で音を出して反響音を聞くことが効果的です。
防音性の高い壁は硬く厚いため、しっかりと部屋の中で響いている反響音がします。
逆に、防音性の低い部屋では反響音があまりせず、上下や隣の部屋へ音が抜けていることが考えられます。
壁を軽く叩いてみる
壁の材質を確認するために、壁を直接叩いてみるのも効果的です。
コンクリートのように防音性が高い壁は壁そのものに硬さがあり、詰まったような重い音がします。
逆に防音性の低い石膏ボードや軽量気泡コンクリート(ALC)が使用されている場合には軽い音がします。
鉄筋コンクリート造の建物の場合でも部分的にコンクリート以外の素材が使われていることがあるため、なるべく四方の壁を叩いて確認することが重要です。
なお、内見の際には不動産会社の担当者が同行しますが、壁を叩くなどの確認を行う場合には予め防音性の確認をする旨を伝えておきましょう。
隣戸との壁の厚さを聞いてみる
壁の厚さについて、不動産会社に直接聞いてみることも有効です。
鉄筋コンクリート造と同様に15~18cm程度の厚さがあれば十分な防音性があると考えられますので、実際の数字を聞くことができれば安心できます。
壁以外にもある防音性を決める要チェックポイントとは?
防音性を決める要素は壁だけではありません。
その他のポイントもきっちりと確認し、全体を見て防音性が高いかどうかを判断する必要があります。
窓の防音性を確認する
例え鉄筋コンクリート造で壁が厚くても、窓の造りが悪ければそこから音が漏れる場合があります。
もちろん室内の音が漏れるだけでなく、外からの騒音なども窓を通じて入ってくることになります。
内見時には窓の立て付けに問題は無いか、隙間なく窓が閉まるか、サッシに傷みが無く窓はスムーズに動くかといったポイントをチェックします。
交通量の多い幹線道路や鉄道などが近い物件では騒音対策として二重窓が採用されていることもあり、外からの音が入りにくいような工夫がされている場合には高い防音性が期待できます。
窓の開閉で外部の音の入り具合を確認すると良いでしょう。
玄関ドアの防音性を確認する
ワンルームの場合、生活音は玄関ドアを通じて外へと漏れる可能性があるため、玄関ドアの防音性も重要になります。
ドア周りに隙間がないか、ドアの遮音性が十分かといった玄関ドアのチェックを欠かさないようにしましょう。
もちろん、ワンルーム以外の間取りでも住戸の前を通る人への生活音の漏れが気になる場合にはしっかりとチェックしておくポイントです。
環境音が多い時間帯に内見をする
物件のある場所によって、環境音が多い時間帯は多少異なります。
鉄道が近ければ数回くらいは列車が通る際の音を聞くこともできるでしょうし、工場などがあれば稼働している際に大きな音が鳴るかもしれません。
学校が近ければ平日の日中、繁華街では人通りが多い時間に内見に行くことで、外部の環境音がどの程度室内に入ってくるかを確認することができます。
音の種類によって不快感も異なるため、不快な音がキッチリと遮音されているかを確認することも大切です。
防音性の高い部屋を見つけるコツとは?
防音性を重視して部屋を探す場合には、いくつかのコツがあります。
構造から探す
先に挙げた構造の中で「鉄筋コンクリート造」は防音性が優秀です。
建物の構造で候補を絞り込むことで、防音性の高い物件を見つけやすくなります。
楽器可or楽器相談可の物件を探す
楽器の演奏をしても良い物件ということは、一定以上の防音性・遮音性を備えている物件である可能性が高いと判断できます。
楽器を演奏するつもりがない場合でも、防音性を重視して部屋探しをする場合には部屋の条件に「楽器可or楽器相談可」を加えて探すと良いでしょう。
部屋の位置で探す
角部屋や最上階は隣り合う部屋が少なくなるため、上下左右に他の部屋がある場合よりも騒音の心配が少なくなります。
また、下の階が店舗や共用スペースなどの物件であれば、足音などの階下へと響く音はあまり気になりません。
小さな子供が居る家庭では階下へ響く足音などが騒音トラブルとなることもあるため、建物内での部屋の位置を意識して物件を探すのも有効です。
分譲賃貸を探す
「分譲賃貸」とは、販売用に作られた分譲マンションを賃貸として転用した物件のことです。
分譲マンションは一般的な賃貸マンションと比べて快適な住環境を重視していることが多く、もちろん防音性も高いことが予想されます。
賃料は賃貸マンションと比較すれば高くなる傾向がありますが、防音性以外の点でも優れた物件であるため、予算が合えば理想的な住環境が得られるでしょう。
【防音性の高い部屋探しのコツとは?】まとめ
壁の厚さは防音性に大きく影響し、防音性は快適な生活には欠かせないポイントです。
もちろん、建物の構造や壁の厚さだけが防音性を決めるわけでありません。
物件探しの条件で高い防音性が期待できる物件を探すこともできるので、理想的な物件探しには条件による絞り込みは欠かせませんが、最終的には直接物件を見ることができる内見でのチェックが重要です。
実際の物件に立って防音性を確かめるだけでなく、窓やドアなどの外部との防音性、部屋の位置による騒音の差など、多くのポイントを抑えてチェックし、理想の物件を見つけましょう。
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