【社宅制度とは?】借り上げ社宅の代行方式と転貸方式の違いを徹底比較
社宅制度の基本と借り上げ社宅の仕組みを解説

社宅制度は、従業員の住環境を支える福利厚生として多くの企業で導入されています。
特に近年は、企業が民間物件を借り上げて社員に提供する「借り上げ社宅」が主流です。
しかし、借り上げ社宅といっても運用方法によって契約形態や管理負担、コストは大きく異なります。
要点まとめ
社宅制度とは?
借り上げ社宅は運用方法によって契約形態や管理負担、コストが異なるため、代行方式と転貸方式を比較して自社に合った方法を選ぶことが大切です。
①社宅は会社が従業員のために住居を用意する福利厚生制度
②借り上げ社宅では会社が民間物件を借りて社員へ提供
③代行方式は社宅管理業務を外部へ委託し、人事・総務の負担を軽減
④転貸方式は管理負担を大きく減らせる一方、コストや物件の選択肢などに注意
この記事では社宅制度の基本から、借り上げ社宅の仕組み、さらに運用方法としてよく比較される「代行方式」と「転貸方式」の違いについてわかりやすく解説します。



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賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:23年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア23年以上の大ベテラン。奈良の社内仲介ランキングNo.1の実績有り。奈良の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、奈良のことは幅広い情報を持ち、特に天理市事情に日本一詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。
そもそも社宅とは?

基本的なことになりますが「社宅とは?」をまずおさえましょう。
「社宅」とは会社が従業員のために用意した住居(アパートやマンション、一戸建てなど)を格安の賃料で貸与する福利厚生制度です。
住宅に関する福利厚生制度には社宅のほかに「家賃補助(住宅手当)」があります。
社宅は会社が契約し、社員が一定額を負担すれば非課税で手取りが増えます。
家賃補助の場合は個人契約の賃料を会社が一部補助する形となるので、補助された額は給与所得に含まれ課税対象となります。
社宅の種類は大きく2つ

社宅には、会社が建物を保有する「自社保有社宅」と、民間の物件を会社が借り上げる「借り上げ住宅」があります。
昔は会社が所有する社宅に入るところが多く、そのため「社員寮」という呼び方をしていたこともあります。
近年は民間の物件を会社が借りて、社員を入居させる「借り上げ住宅」が主流で、多くの企業がこの方式を採用しています。
借り上げ社宅の基本的な仕組み
民間の物件を会社が借り入れ、社員を入居させる「借り上げ住宅」の特徴は以下の通り。
・契約者:会社
・入居者:社員
・家賃:会社が一部負担+社員が一部負担
つまり、「家賃5万円の物件を会社が社宅として借り、家賃は会社から貸主に支払われ、社員は一部負担額の2万円を会社に対して支払う」ことになります。
多くの場合、家賃負担額が給料から天引きされるので、所得税や社会保険料の負担が軽減されます。
運用方法で仕組みが変わる・代行方式と転貸方式

そして、ここからが総務部・人事部の視点で気になる「借り上げ社宅の運用方法の違い」についての話になります。
社宅を管理するにあたって、コストや業務効率化などで違いがあるので詳しく解説していきましょう。
社宅を管理する方式として2つの方式があります。
・代行方式:会社が物件を借りて、管理だけを業者に外注する
・転貸方式:会社が物件を借りて社員に貸す「また貸し」のような形で運営する方式
代行方式とは
代行方式について、さらに詳しく解説すると「社宅の運営を会社の代わりに代行するサービス会社」が「社宅を提供する企業」に代わり、入居・退去に関する各種手続きから物件の情報提供、入居者対応まで幅広く対応する形で運営する方式です。
・契約当事者は「貸主(オーナー)— 企業」
代行会社の位置付けは「事務手続きのパートナー(代理人)」となります。
「代行サービス会社」が行う主なサービス内容は
・社宅にする物件の情報提供
・入退去の契約・手続き
・業者の手配
・問い合わせやクレーム対応
・賃料(家賃・更新料など)の入出金管理
ですが、これらすべてを任せる場合もあれば、一部を任せる場合もあります。


代行方式を取り入れるメリット
代行方式を取り入れるメリットは
人事・総務の負担軽減
社宅に関する業務を代行会社に依頼することで、総務・人事担当者の業務が削減され、残業代などのコストも削減することができます。
専門知識による契約トラブルの回避
社宅の管理には専門的な知識が必要になります。
専門の代行業者に任せることで総務・人事担当者が社宅に関する新たな専門的知識を身に着ける必要がなくなりその分、他の業務に専念できます。
また、新たに専門知識を持った人を雇用する必要もなくなり、人件費を削減できます。
社宅に関する法務・税務リスクの軽減
契約や税務に関するトラブルを回避することができます。
などがあります。
総務・人事担当者の業務負担や契約などに関するリスクが軽くなるのは大きなメリットになりえます。
代行方式のデメリット
しかし、会社の従業員が担ってきた仕事をいわば外注するような形になることで生じるデメリットもあります。
費用がかかる
業務を外部に委託するため、社宅管理委託費用というコストが必要となります。
どの業務をどこまで依頼し、どこまでを自社で管理するのか、しっかりとした比較検討が必要になるでしょう。
時間がかかる
入居者から何か依頼があった場合、会社を通して代行会社に依頼するため、タイムラグがあります。
そのため「早め早めの行動」が必要になります。
個人情報漏洩のリスク
社宅を利用する従業員の個人情報を代行会社が管理するため、個人情報漏洩のリスクを伴います。
代行業者を選ぶ際、個人情報管理がしっかりしている会社かどうかを吟味する必要があります。
転貸方式とは
一方、転貸方式は、社宅代行会社が物件の賃借人となり、企業へ転貸(又貸し)する仕組みです。
いわゆるサブリースとなります。
交わされる契約は 「家主」⇔「代行会社(借主)」⇔「企業(転借人)」⇔「社員(入居者)」という転貸借契約です。
契約当事者は「社宅代行会社」となり、企業は「転借人」という位置づけになります。
転貸方式を取り入れるメリット
この方式では家主と直接契約をしているのは代行会社で、企業は代行会社から物件を借りる立場(転貸借契約なので転借人扱い)となります。
そのため、
管理業務の大幅削減が実現
契約、更新、敷金管理、支払調書作成、事故対応など、すべての窓口が代行会社になります。
つまり、人事・総務の業務負担が軽くなります。
敷金・保証金が不要
敷金は代行会社が負担するため、企業の初期費用や資産管理が不要になるケースも。
契約手続きの迅速化
家主との複雑な交渉や契約書類の作成、管理業務の手間が不要になります。
転貸方式のデメリット
一方、以下のようなデメリットがあります。
コスト負担が大きい
代行方式も転貸方式もコストがかかるというデメリットがありますが、管理業務のみを代行してもらう代行方式と違い、一切を依頼するため手数料が高くなります。
物件が限られる
一般的な賃貸物件では転貸を禁止しているところもあるため、転貸方式を採用できる物件が少ないのが現状です。
物件が少ないと選択肢が少なくなるため、社宅の希望条件がかなえにくくなります。
業者の変更がしにくい
実はこれが一番大きいかもしれませんが、一度導入すると業者の変更が難しいという点です。
万が一、業者を変更することになった場合、変更のためのコストと時間が発生してしまいます。


【社宅制度とは?】まとめ

借り上げ社宅は導入しやすい反面、運用方法によって業務負担やコスト構造が異なります。
「自社でどこまで管理したいか」「管理業務の効率化を優先したいか」「導入・運用コストをどう考えるか」を整理したうえで、代行方式と転貸方式を比較検討することが大切です。
自社に合った運用方法を選ぶことで、社宅制度をより効果的に活用できるでしょう。
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