【従業員満足度を高める借上社宅の選び方とは?】運用のポイントも解説
従業員満足度を高める借上社宅の選び方は?運用のポイントも解説

企業の福利厚生施策として注目される借り上げ社宅。
借り上げ社宅とは企業が賃貸物件を借り上げ、従業員に提供する制度です。
近年では、従業員のニーズに応えるため、一定の条件内で従業員が物件を選べる制度を採用する企業もあります。
人事・総務部門の担当者の中には、「従業員による物件選択をどう管理すべきか」「従業員が満足する物件とは」といった疑問を抱いていらっしゃるかもしれません。
要点まとめ
従業員満足度を高める借上社宅の選び方は?
従業員のライフスタイルや利便性を考慮し、社宅規程との整合性や契約条件を確認しながら物件を選ぶことが大切です。
1. 間取り・立地・設備を従業員の生活スタイルに合わせて確認
2. 法人契約の可否や契約・解約条件を事前に確認
3. 従業員に選択の自由を与える場合は社宅規程で条件を明確化
4. 費用だけでなく社宅物件の斡旋実績も踏まえて不動産会社を選定
今回は従業員満足度を高める借り上げ社宅の特徴や、借り上げ社宅用の物件を選ぶときのポイントについて説明いたします。



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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
借り上げ社宅のメリットとは?

借り上げ社宅制度とは、企業が賃貸物件を契約し、それを従業員に提供する福利厚生です。
単純な家賃補助とは一線を画し、多様な利点を有しています。
充実した福利厚生の実現
従業員は一般的に賃貸物件を探す際の煩雑な手続き、例えば物件探しや契約手続きなどを自ら行う必要があります。
特に、転勤や遠方からの入社など、転居を伴う従業員にとっては、これらの手続きは大きな負担となります。
しかし、借り上げ社宅制度では、会社が借主として賃貸借契約を結ぶため、従業員が契約当事者として手続きを進める負担を軽減でき、スムーズな転居につながります。
税務上のメリットを受けられる場合がある
現金で支給される住宅手当は、原則として従業員の給与所得となります。
一方、社宅を貸与する場合、従業員から1か月当たり税法上の賃貸料相当額の50%以上を受け取っていれば、実際に受け取る家賃と賃貸料相当額との差額は給与として課税されません。
なお、社会保険上は住宅の貸与が現物給与として評価されるため、借り上げ社宅だから一律に社会保険料の対象外になるわけではありません。
借り上げ社宅のデメリットとは?

一方で、以下のようなデメリットも慎重に考慮する必要があります。
管理業務の増加
借り上げ社宅制度では、会社が借主となるため、物件の契約・更新・解約、家賃の支払い、入退去などに関する管理業務が発生します。
また、法人契約ができない物件もあり、物件選択の幅が狭まる可能性がある点にも注意が必要です。
退去後も賃料負担が続く場合がある
従業員が転勤や退職などで借り上げ社宅を退去しても、法人契約の解約予告期間中は賃料負担が続く場合があります。
また、契約内容によっては短期解約違約金などが設定されていることもあります。
契約前に解約予告期間や違約金などの条件を確認しておくことが重要です。
従業員の満足度を高める物件の特徴とは?

企業が借り上げ社宅の物件を選定する際、間取りや立地に関する従業員の不満を最小限に抑えられる物件を選ぶのがポイントです。
従業員のライフスタイルや利便性を考慮した物件選びが求められます。
主な選定ポイントは以下の通りです。
間取り
入居者数に適した部屋数はあるか
各部屋の十分な広さはあるか
立地
公共交通機関や職場までのアクセス
生活に必要不可欠な施設(コンビニ、スーパーなど)が周辺にあるか
教育・医療施設へのアクセス
設備
水回り設備に不備はないか
快適なインターネット環境はあるか
充実した防犯システムはあるか
職場へのアクセスが良好で生活しやすい立地、快適な間取り、清潔で使いやすい設備を備えた物件は、従業員の満足度向上につながります。
借り上げ社宅物件の選び方は?

まずは求める社宅の条件を整理しましょう。
特に、立地条件は極めて重要です。
職場へのアクセスや周辺環境など、従業員の視点に立った検討が必要不可欠です。
条件が決まったら、実際に物件を探します。
多くの場合、不動産会社を介して社宅向け物件を探すことになります。
ただし、全ての不動産会社が法人向け物件を扱っているわけではありません。
業者選びの際は、単に費用だけでなく、社宅物件の斡旋実績を重視することをおすすめします。
適切な物件が見つかったら、会社名義で賃貸借契約を結びます。
借り上げ社宅では、会社が貸主へ家賃を支払い、従業員から社宅使用料を徴収する形で運用されます。
税務上は、従業員から国税庁の定める「賃貸料相当額」の50%以上を受け取っていれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は給与として課税されません。
実際の物件家賃の50%という意味ではないため、社宅使用料を設定する際は注意しましょう。


借り上げ社宅用の物件を選ぶときの注意点とは?

借り上げ社宅の物件を企業や従業員が選ぶ際は、契約上のトラブルや入退去時の問題を防ぐための対策が必要です。
社宅規程との整合性、物件の条件、契約条件、その他様々な要素を総合的に検討する必要があります。
契約時・解約時の条件や更新時の条件、修繕責任などを確認しましょう。
その他にも、法人契約の可否、管理会社の対応、周辺の相場、従業員の意見などを考慮する必要があります。
特に、従業員の意見を反映させることで、より満足度の高い社宅を提供することができます。
また、コスト削減の観点から、家賃交渉、初期費用の削減、ランニングコストの低減などを可能な範囲で検討しましょう。
入退去が多い企業では、解約予告期間や短期解約違約金などを確認し、異動時にも対応しやすい契約条件を選ぶことが重要です。
さらに、企業の成長や事業拠点の変化を考慮し、将来的な視点も持ちながら物件を選ぶことが重要です。
社宅使用料などの税務上の取り扱いを確認し、就業規則や関連法令との整合性を確認しながら社宅規程を整備することも大切です。
従業員が自由に選べる借り上げ社宅を与えるときの注意点は?

借り上げ社宅で従業員に物件選択の自由を与えている企業では、通常、社宅規程に基づいて選択可能な範囲を定めています。
主な条件としては、家賃の上限額、間取りや広さの制限、対象エリアの指定などが挙げられます。
無制限に選択を認めると、福利厚生費や通勤手当の管理が複雑化し、従業員間で不公平感が生じる可能性があります。
また、税務上、社宅貸与として適切に取り扱うためには、従業員から徴収する社宅使用料などの条件を確認する必要があります。
公平性を保ち、適切に制度を運用するためには、社宅規程で選択可能な物件の条件を明確化することが不可欠です。
借り上げ社宅の物件選定は、従業員の満足度向上だけでなく、企業の経費の適正化にも関わる重要な課題です。
上記に挙げた点を参考に、慎重かつ計画的に物件を選定することで、より良い社宅制度を構築できます。
また、事前に従業員との認識を統一することで、トラブルを未然に防止できます。


【従業員満足度を高める借上社宅の選び方は?】まとめ

借り上げ社宅制度の運用において、従業員のニーズやライフスタイルに合致した物件を選定すれば、満足度の向上につながります。
従業員に物件選択の自由を与える際は、社宅規程で適切な条件を設定し、一定範囲内での選択を可能にすることが大切です。
また、物件を選定した後は賃貸借契約の形態を慎重に確認し、詳細な利用マニュアルを定めておけば、契約上のトラブルや入居中の問題を最小限に抑えられます。
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