【生活騒音の基礎知識】隣近所の住人と生活音のトラブルにならないためには?
【生活騒音の基礎知識】隣近所の住人と生活音をめぐってトラブルにならないために知っておきたいこと
騒音は、迷惑で嫌なものです。
騒音で感じるストレスで、体調不良を起こすこともあります。
無意識に起こる生活音でも不快に感じられると、それは騒音になってしまうのです。
今回は、そんな生活騒音の種類や、トラブルにならないための方法についてご紹介します。
ひとり暮らしの人でも、家族でも、引っ越しというのは大変な作業ですよね。
朝からフル回転で、荷物を片づけたり運んだりして、疲れ切った夜。
明日も忙しいから早めに寝よう、と布団でうとうとした瞬間。
地震かっ!と思うような衝撃音が!
飛び起きると、隣の部屋から人の声が聞こえる…。
そこで、今のはドアを閉めた音だったのか…と気づきます。
そんなときは、疲れていてもなかなか眠れなくなってしまいますよね。
また、ほかにも例えば休日の朝、ゆっくり朝寝するつもりだったのに、早朝から地鳴りのように響く音が。
どんよりした気分で目覚め耳を澄ませると、上の階の洗濯機の音だった…、など。
そこに住んでから初めて感じるのが、下見に来たときには想像もしていなかった「騒音」です。
しかし、「騒音」といってもそれくらいの音は自分や家族も出していて、近隣に響いているかもしれない、と思いますよね。
「お互いさまだから」と我慢しているうちにストレスが溜まってしまい、トラブルになることも考えられます。
ここでは、「生活騒音」の発生源や、今すぐできる防音対策、「生活騒音」が気にならない物件についてお伝えしていきます。
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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
天理市賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:22年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア22年以上の大ベテラン。天理市勤務は累計18年以上で、社内仲介ランキング№1の実績有り。天理市の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、天理市のことは何でも情報を網羅し、日本一天理市事情に詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。
生活騒音とは?
あなたは引っ越しを考えるとき、どんな条件で探しますか?
「環境の良さ」や「利便性の高さ」、そして「周辺が静かなこと」もはずせない、という人は少なくないでしょう。
理想の住まいの条件としても、「閑静な住宅街」という言葉をよく耳にしますよね。
「閑静」とは「物静かな」という意味で、その反対語の「喧騒」は、「声や音が騒がしいこと」を意味します。
そこで何度も下見をし、「条件に合った閑静な場所にある物件に引っ越したのに、建物の中が喧騒にあふれていた…」という人はいるのではないでしょうか?
建物の外は静まり返っていても、家の中にいるときに近隣の出す音に悩まされることがありますよね。
それが、「生活騒音」なのです。
「騒音」というのは、公害のひとつとしてよく知られている、人の生活を脅かすものです。
「生活騒音」は「騒音」とはいっても、本来は家の中でごく普通に生活しているときに出る音なので、法に触れたりすることはありません。
にもかかわらず、近隣の住人を嫌な気分にさせ、ストレスを感じさせたりするので「生活騒音」と呼ばれているのです。
音の伝わり方はいろいろ
スマホのイヤホンや、テレビや動画などの音質にこだわる人は多いかもしれません。
でも、ふだんの生活で音がどのように伝わっているか?なんてあまり考えませんよね。
実は、建物の中での音の伝わり方はさまざまなのです。
まず音が発生し空間に伝わって壁にあたると、一部がはね返り残りが壁の中に入り込みます。
そして入り込んだ音の一部分だけが壁に吸い込まれ、その残りは反対側に抜けるのです。
そのほか、ドアやふすま、壁の隙間などから漏れたりして、音は隣室などに伝わります。
音は発生してから、あらゆる方向に広がって散っていきながら小さくなっていきます。
その途中に板や土など遮るものがあるときは、音は向こう側にはじかに伝わらないので小さくなります。
ほかにも、何かの衝撃を受けて床や壁が振動すると、それも音として伝わります。
このようにはねたり広がったり侵入したりと、音は、まるで生き物のように伝わっていくのです。
身のまわりのものが発生源に
そんな生き物のような音は、いつでもどこでも発生しています。
集合住宅に住んだことのある人で、近隣の音が気になったことがないという人は少ないかもしれませんね。
マンションやアパートなどは構造上、あらゆる音が「生活騒音」になりかねないからです。
人の生活の基本を「衣・食・住」といいますが、生活を営むために欠かせないこの「衣・食・住」それぞれすべてに音は発生します。
家電製品からの騒音
衣類などを清潔にするためには洗濯機が不可欠ですし、乾燥機を使用することもありますよね。
早朝や深夜、これらの音はかなり響くものです。
1年中24時間使用する冷蔵庫やエアコンの室外機の音も、静かな時間帯には気になることもあるかもしれません。
そして、特に音を大きく感じるのが掃除機です。
掃除機は機械そのものから発生する音に加え、壁や床にヘッド部分があたるときの衝撃音や移動するときの振動音が、じかに伝わってきます。
なので、使用する時間帯によっては、まさに「騒音」になってしまいます。
住宅の設備からの騒音
シャワーを使ったり浴槽の水を抜いたりするときや、トイレの水を流すときにも音が響きわたります。
そのほか玄関ドアだけでなく、各部屋のドアやふすまなども、勢いよく開閉すると驚くほど大きな音をたてることがあります。
建物の構造によっては、部屋が揺れるくらいの衝撃が感じられるかもしれません。
趣味などの音響機器の騒音
ピアノやギターなどの楽器を熱心に練習している人は、夢中になるあまり長い時間が経過していることに気づかないことがあります。
楽器の演奏が許可されている物件でも、節度や時間帯を忘れると騒音になってしまいます。
テレビやステレオの音楽も、音量が大き過ぎると、時間帯にかかわらず騒音と感じられます。
話し声や運動などの騒音
ひとり暮らしでも電話をしたり来客と話したりしますし、家族で生活していると会話するのは自然なことですよね。
でも、つい話が盛り上がると絶叫に近い歓声や、大きな笑い声が起こってしまうこともあります。
その声は壁1枚隔てただけの隣室で眠ろうとしている人には、かなりつらい騒音になってしまいますよね。
そして、部屋の中で運動器具などを使用するときにも、振動音が響いていることがあります。
そのほかにも、自動車やバイクの音、目覚まし時計の音、ペットの鳴き声や電話の呼び出し音など、私たちのまわりは常にさまざまな音であふれかえっています。
そしてそれらを苦痛に感じている人は、少なからずいるのです。
賃貸物件におすすめ!手軽にできる防音対策は?
生活する上でのあらゆる音が生活騒音になることがある、とお伝えしましたが、あなたは今、生活騒音に悩まされていませんか?
そしてあなたも、生活騒音で近隣の住人を悩ませたりしていませんか?
そのようなことがあったとしても、さまざまな事情がありますから、引っ越しなどは簡単にはできませんよね。
そして、住んでいるのが賃貸物件の場合、自宅の防音工事などを行うのも難しいものです。
そんなときにおすすめなのが、簡単で防音効果が期待できるグッズの使用です。
これらは、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
防音・防振マット
床がフローリングの場合、足音や軽い物を落としたときでも、階下や隣、ときには上の階にも音が響いてしまいますが、防音マットを敷くと衝撃音を吸収して、周囲に音を伝わりにくくしてくれます。
このマットにはジョイント式のものもありますので、好きなサイズや使い勝手のよい枚数だけ購入できて便利です。
そして、洗濯機を早朝や夜間に使用している人におすすめなのが、防振マットです。
洗濯のときの騒音がクライマックスに達するのは、脱水のときですよね。
あの激しい振動音で近隣に気がねしている人は、すぐに使ってみましょう。
ジェルやゴムなどの振動を吸収しやすい素材でできていますので、振動や音を防ぐ効果が期待できますよ。
防音カーテン
住んでいる建物の内部からの騒音だけではなく、外が騒々しいときもありますよね。
そんな外の音を小さくし、自宅から出る音楽やペットの鳴き声などの音も外に聞こえにくくする、内外からの防音効果が期待できるのが防音カーテンです。
防音カーテンには、音を吸収したりさえぎったりするだけではなく、紫外線をカットする効果もあるんですよ。
防音カーテンを選ぶときは、隙間ができないように窓をきっちりと大きく覆ってしまえるサイズを選びましょう。
防音パネル・吸音材
簡単に壁に貼れる、防音パネルもあります。
賃貸物件でも壁を傷つけずに貼ることができて、好きな色を選べるものもありますから、ホームセンターなどで探してみましょう。
吸音効果のある素材や、音をさえぎるシートなどを組み合わせてつくられているものもあるので、高い防音効果が期待できます。
お金を掛けずに対策するなら
お隣の音が気になるときは、壁にクローゼットや本棚を並べて洋服や本などをきっちり収納しておくと、ある程度は音を吸収してくれます。
自分や家族も生活騒音を出さないよう、足音を階下に響かせないようにするためには、スリッパやルームシューズを履くようにしてください。
また、ドアやふすまの開閉はなるべく静かに行い、掃除機や洗濯機を使用するときや入浴は、深夜や早朝は避けたほうがいいでしょう。
生活騒音でご近所トラブルにならないために
お伝えしているように、生活騒音は生活しているだけで出る音なので、被害を受けるだけでなく、気づかないうちに加害者になっていることがあります。
では、生活騒音でご近所とトラブルにならないためにはどうすればいいのでしょうか?
被害を受けて困っているとき、賃貸の物件の場合は、まず管理会社に連絡しましょう。
マンションのような建物は、音の発生源が隣や上の階ではないこともあるのです。
いきなり苦情をいっても、その住人に心当たりがない場合もありますので、管理会社に発生源の調査をしてもらうことが必要です。
騒音を出している部屋が特定できると、管理会社が適切に対処してくれるはずです。
騒音を出しているのは隣人に間違いない、と思っていても直接の話し合いは感情的になってしまうこともあるので避けましょう。
また日ごろから近隣の住人とあいさつを交わすなど、人間関係を良くしておくとトラブルになりにくいものです。
そして、もしあなたがペットを飼っていたり楽器の演奏をしたりしているときは、あいさつのときにひと言、「迷惑をおかけしてませんか?」と声をかけておきましょう。
生活騒音が気にならない物件の特徴は?
でも、「費用の掛かる防音対策や、近隣との交流などはあまりしたくない」という人もいらっしゃいますよね。
そんな人には、生活騒音が起こりにくく気にならない、次のような物件がおすすめです。
鉄筋コンクリート造りか、鉄筋鉄骨コンクリート造り
この造りの建物は木造に比べると隙間ができにくく、音も響きにくい構造です。
【RC造・SRC造・S造・木造って何?】建物の構造の違いとは?わかりやすく解説≫
壁や床の材質の防音性が高いこと
壁や床などに使われている材質により、防音性はかなり違ってきますので、あらかじめ不動産屋に聞いておくとよいでしょう。
上階や隣の水回りの設備が寝室に接していない
昼間は気にならなくても、就寝中の深夜、水の流れる音は思いのほか響くものです。
下見のときに、水回りの設備の位置を聞いておきましょう。
寝室などのクローゼットや押し入れが、隣の部屋と接する部分にある
収納スペースの空間や扉は音をさえぎり、洋服や布団などが音を吸収してくれます。
すべての部屋の収納部分がその位置でなくても、静かに過ごせる部屋がひとつあるというだけで心にゆとりが生まれますよね。
そのほか ワンルームとファミリー向けの物件の入居者
ひとり暮らし向けのワンルームマンションなどでは、近くに規模の大きな大学などがある場合、住人は学生が多いことが考えられます。
また、ファミリー向けのマンションなどでは、小さな子どもが多い物件もあります。
起床時間や就寝時間、日中の生活形態が似かよっていると、生活上の音は気になりにくくなります。
下見はたいてい昼間に行くことが多いですが、静かな時間帯は雰囲気が変わっていることもありますので、夜に物件の周辺に行ってみるのもいいでしょう。
【生活騒音の基礎知識】まとめ
普通に生活しているだけなのに起こってしまう「生活騒音」は、マンションやアパートなどの集合住宅では起こりやすいとお伝えしてきました。
生活騒音が原因で、ときには体調を崩すことや、トラブルに発展してしまうこともあります。
ですが、どんな人でも、音を出さずに生活するのは不可能です。
そのため、それぞれが時間帯などを考えて行動し、その音が騒音にならないように心がけることが大切です。
ライフスタイルや習慣、価値観は十人十色ですし、音の聞こえ方や感じ方には主観的なものもあります。
どうしても生活騒音が気になる方、生活騒音などに振り回されたくないという方には、騒音対策を施した物件がおすすめです。
物件探しの際は、ぜひご相談ください。
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天理市賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:22年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア22年以上の大ベテラン。天理市勤務は累計18年以上で、社内仲介ランキング№1の実績有り。天理市の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、天理市のことは何でも情報を網羅し、日本一天理市事情に詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。