【奈良のお土産といえば「奈良漬」が定番】どんな漬物?歴史などを解説
奈良の定番お土産『奈良漬』ってどんな食べ物?

奈良の名物食べ物として、柿の葉寿司と双璧を成すのが『奈良漬』です。
独特の見た目やアルコールを含む漬物ということもあり、知っているものの食べたことが無い人も多いようです。
そんな奈良漬の基礎知識から、歴史と伝統のある味の秘密を知りましょう。

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賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
奈良漬ってどんな漬物?その原材料や作り方は?

奈良漬は数ある漬物の作り方の中で酒粕に材料を漬ける「粕漬け」に分類されます。
そのため大きな分類として粕漬けとする場合もありますが、奈良漬は一般的な粕漬けとは異なる漬け方をするため、通常は別の漬物として扱われます。
奈良漬が他の粕漬けと大きく異なるのは、一度塩漬けにした野菜等の材料を酒粕に「複数回漬ける」という点です。
一度漬けて終わりではなく、複数回(一般的に5回程度)酒粕を入れ替えて漬けなおすものを『奈良漬』と呼びます。
奈良漬に使われる野菜類ですが、白瓜、青瓜、胡瓜、生姜、茄子、人参、大根、蕪といった比較的ポピュラーなものから、小玉西瓜、小玉メロン、ひょうたんといったあまり他では聞かないような珍しいものも使われます。
製造業者によっては大和三尺という奈良漬専用で栽培されている品種の胡瓜を使うなど、それぞれにこだわりの素材や漬け方があるようです。
奈良県産の野菜だけでなく、奈良漬に適した全国各地の素材も使われ、長い歴史の中でも研究が積み重ねられていることが分かります。
また、素材や仕上がりに合わせて何度も漬け変えるため奈良漬の製造は半年から数年と長い時間をかけて漬けることになります。
古漬けとされるものは10年以上も漬けられたものもあるなど、漬物の起源が「保存食」であることを考えれば、目的に合わせてかなりの長期保存ができる漬物であることが分かります。
そんな長期間の漬け込みの末に出来上がる奈良漬は、見た目にも元の素材とは大きく異なる場合が多く、色はべっこう色になったり、古漬けに至っては真っ黒になるなど、独特の色合いが特徴です。
お隣の京都で主流の漬物が素材の色味を残す鮮やかな浅漬けであるのとは、全く正反対の漬物と言えるでしょう。
奈良漬は保存性に優れることなどから「漬物の王様」と呼ばれることもあり、時間と手間のかかる奈良漬に相応しい呼び名ですね。
奈良漬の歴史は?

奈良漬の歴史は古く、平城京跡にある長屋王邸跡で発掘された木簡に「加須津毛瓜(かすづけけうり)」「加須津韓奈須比(かすづけかんなすび)」と記された貢納品伝票があり、1300年前には粕漬けが作られていた記録があります。
その後、『正倉院文書』や平安時代中期の延長5年(927年)に編纂された『延喜式』には瓜や茄子以外の粕漬けについて記された記述があります。
しかし、この頃のお酒と言えばどぶろくで、現代のような清酒を作る際にできる酒粕を使った粕漬けではなく、どぶろくの沈殿物を使った漬物であったと考えられています。
実際に奈良漬の名前が登場するのは室町時代の1492年(明応元年)の『山科家礼記』の記述で、宇治の土産として「ミヤゲ、ナラツケオケ一、マススシ一桶、御コワ一器」と記されているのが最初です。
室町時代にはモノを贈り合うという行為が社会慣行として広く浸透していたため、土産物として全国各地の名産が流通する機会が増えます。
その後もいくつかの文献に奈良漬の名が記録されており、粕漬けではなく『奈良漬』という名が定着していることが読み取れます。
また、江戸時代には中筋町(現在の近鉄奈良駅北側)に住む漢方医「糸屋宗仙」が奈良産の白瓜で作った粕漬けを『奈良漬』として売り出したものが評判となります。
大阪の陣では徳川家康に献上したことで気に入られ、糸屋宗仙は医者を辞めて幕府で奈良漬担当の御用商人となるなど、全国に奈良漬の名前が知れ渡ります。
この頃には奈良市南部にある正暦時で清酒が作り始められており、清酒作りの際に出来る良質な酒粕が幕府も認める奈良漬の評判に一役買っていたことは間違いないでしょう。
奈良漬ってどんな味?

奈良漬の味については、一言で語ることはできません。
塩気が効いてご飯の進む味、子供でも食べやすい味、甘みがあってスッキリした味、今まで味わったことの無いような複雑な味、と千差万別の感想がかえってきます。
これは、生産者や素材となる野菜、食べる人によってもその味の感想が大きく異なるからです。
奈良漬を作る際に欠かせないのは酒粕ですが、その他に塩、砂糖やみりんなど甘味料といった漬物によく使われる材料の他、業者によっては化学調味料などでうまみ成分を添加することがあります。
現在奈良にある奈良漬業者の中で、酒粕のみで漬けられるのは今西本店のみ。
森奈良漬店は酒粕以外に塩だけを混ぜて漬け、その他の業者は甘味料を添加するところも珍しくありません。
では、酒粕以外で漬けるのがダメなのか?というとそういうわけではありません。
確かに添加物を無くせば奈良漬本来の風味になりますが、さまざまな調味料になれた現代人の味覚に合う味になるのかと言われれば必ずしもそうとは言えません。
現代人の味覚に合わせた食べやすさを追求し、酒粕以外を添加して仕上げるのも生産者の知恵と言えます。
添加物の有無に良い悪いは無く、美味しい美味しくないを決めるのは消費者の味覚に左右されるため、最終的には「好みの味の奈良漬を作る生産者を見つけてください」となってしまいます。
幸い、奈良公園周辺には各奈良漬業者の店舗が多く集まり試食できる店が多いので、食べ比べをしてみるのも良いでしょう。
奈良漬を食べるとアルコールで酔っぱらうの?

奈良漬は一般的に「アルコール分を含む食べ物」として良く知られています。
では、実際にどのくらい食べると酔っぱらうのか?というところが気になっている人も居るでしょう。
奈良漬として流通する商品は、JAS法(日本農林規格)において複数回の酒粕の漬け変えを行うだけではなく、3.5%以上のアルコール分を含むことが定義されています。
実際には5%程度のアルコール分を含むものが多く、一定のアルコール分を含むことが奈良漬の風味に大きく関わります。
しかし、アルコール分を含むとなると、酔っぱらってしまうことだけでなく、車の運転をする際に飲酒運転になってしまうのではないかという不安が出てきます。
では、実際に奈良漬を食べて飲酒運転になるのかを考えた場合に、どのくらいの量を食べると飲酒運転と判断される量になるのかをある程度計算することができます。
一般的な成人男性がアルコール分5%の缶ビール(350ml)を1缶飲んだ場合、呼気中のアルコール濃度が0.15mg/Lを超えて酒気帯び運転の対象となります。
同じくアルコール分を5%含む奈良漬を食べる場合で、350gもの量を食べる必要があります。
これは厚切りのステーキや大きめのハンバーグくらいのサイズ感になりますので、濃厚な味の漬物で現実的にそれほどの量の奈良漬を食べることはあまり考えられないでしょう。
うなぎ料理のお供に提供されることが多い奈良漬けですが、数切れ食べたくらいであれば酔っぱらうという事はまず無いでしょう。
しかし、体質的にお酒に弱い方や子供の場合は奈良漬を少し食べただけでも顔が赤くなったり、ついつい食べ過ぎてほろ酔いのような状態になることは考えられます。
お酒に弱いと自覚がある方は、すぐに運転するような場面で奈良漬を食べるのは避けた方が良いでしょう。
奈良漬は奈良以外でも作られてるの?

奈良漬は、全国的に奈良市内で製造されている量が最も多いものの、奈良以外でも製造されている漬物です。
先に述べたように、JAS法で定義されている奈良漬の条件を満たしていれば、奈良で作られている必要はありません。
例えば、神戸市灘区で作られている「甲南漬」は地域の名前が付いているものの製法から奈良漬であると明記されており、同じく清酒の産地で親しまれている漬物です。
愛知県名古屋市周辺で収穫される細長い守口大根を用いた「守口漬」も奈良漬で、こちらは奈良の奈良漬業者も守口大根を仕入れて製造しています。
その他にも茨城県取手市では奈良漬が名産とされているなど、生産者数や製造量では奈良市が全国で最も多い奈良漬ですが、江戸時代に全国的な広がりを見せた奈良漬は現在も各地で作らているのです。
【奈良のお土産といえば「奈良漬」が定番】まとめ

奈良漬は昔ながらの漬物で、独特の見た目や風味が特徴です。
食べる人の味覚で印象が変わりますが、何より生産者によって味が大きく異なるため好みの味を探すのが楽しい食べ物でもあります。
また、奈良漬はアルコール分を多く含むことで「切ってから数日冷蔵庫で寝かせると味が落ち着く」という変化もあり、食べ方にも奥の深さがあります。
さらに、チーズやマヨネーズなどと良く合うということで、刻んでソースにしたり酒粕も含めてピザのトッピングにしたりと、漬物というイメージを超えた新しい食べ方もどんどんと開発されています。
新しい魅力が発見された奈良漬、好みの味を探してみてはいかがでしょうか。
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