日本古来の文化である和室のメリットとデメリット
最近は賃貸住宅も洋室が多く、和室の部屋は減少しています。
しかし、日本では古くから使用されている和室には、デメリットもありますがメリットもたくさん存在しているのです。
事前に和室のいいところとちょっと困るところを知っていれば、部屋を探すときの参考になるでしょう。
そこで和室のメリットとデメリットを紹介していきます。
和室についての知識を深める
和室とは床が畳になっていることは知っているでしょう。
畳はイ草と呼ばれている植物から作られています。畳表と畳床、畳縁という3つのパーツを組み合わせることで完成するのです。組み合わせるためには、綿糸や麻糸などを用いて織機で織られています。
しかし、昔は織機などという機械は存在していないので、全て手作業で行われていました。縫い込むのも専用の畳針を用いて行われています。
畳は1種類しかないだけではなく、大きく分けると3種類存在しているのです。
1つ目は最も一般的な縁あり畳になります。
2つ目は縁がない畳で、仕上がりがきれいでおしゃれになります。
ただし、高い技術が必要になることから、縁ありの物より高級なのが特徴です。
最後は床の間用畳という種類で、火であぶられたような色が特徴でしょう。
なぜ火であぶられたような色になるのかというと、龍髭表という種類の畳表を使っているからです。
使用しているイ草も、最近では安い中国産の物が主流となっていますが、国産にこだわりを持っている人もいます。
日本国内では熊本県がイ草の有名な産地となっているので、使用されているのも熊本県産の物が多いでしょう。
和室のメリット
リラックス効果がある
新築の家や畳を新調した家に行くと、畳のいい香りがします。この香りにはリラックス効果があると言われているのです。
なぜリラックス効果が得られるのかというと、イ草にはいろいろな成分が含まれているのですが、その中にあるフィトンチッドという成分が関係しています。森林浴をしたときにリラックス効果が得られるのと同じ成分であるため、新しい畳の香りをかぐと、気分がすっきりとするのです。
リラックスできるということは、ストレスの軽減やイライラの軽減にも効果が期待できます。嫌なことがあったときにも、畳の上で横になればすっきりとした気分になれるでしょう。
消臭効果や脱臭効果が得られる
近年の住宅は気密性が高いので、部屋の中でタバコを吸う、臭いのきつい食材を使って料理をする、しばらく掃除をさぼるなどの行為で、臭いがこもることがあります。
そんな臭いを抑えてくれる効果が畳にはあるのです。その理由は臭いの原因となる化学物質を吸着する効果があるからです。中でもアミン類やアンモニアの吸着能力には優れているので、イ草を使った寝具も売られています。
しかも上記で紹介したリラックス効果もあるので、良質な睡眠が期待できるでしょう。臭いが発生しやすいトイレにイ草で作られている小物類を置いておくことで、消臭剤としても利用できます。
湿度を調整して空気清浄する
日本は湿度が比較的高い国なので、気密性の高い住宅が多い現在では、部屋の中にカビが生えることもあります。
冬になれば乾燥して風邪をひきやすくなるので、加湿器を導入する人もいるでしょう。しかし、畳には湿度をある程度調整してくれる効果もあるのです。
畳は乾燥していれば水分を放出し、ジメジメしていれば水分を吸収してくれるので、適度な湿度を保ちやすいというメリットがあります。
さらに空気清浄の効果もあるので、アレルギー体質の人でも安心できるでしょう。
イ草にはシックハウス症候群やアレルギー症状の原因となるホルムアルデヒドを吸着してくれるためです。近年アレルギー体質の人が増えているので、和室の物件を検討してみるのもよいでしょう。
いろいろな部屋に使用できる
和室はさまざまな用途に使用できるので、この点もメリットだと言えるでしょう。もちろん寝室として使用できるのは言うまでもありません。
疲れて帰ってきたときには、そのまま横になるのもよいでしょう。旅館や民宿など、客間が和室になっていることが多い宿泊施設に到着すると、つい横になりたくなる人も多いでしょう。
急に来客があった場合などは、客間としても使用できます。座布団や座椅子などを持ってくれば対応できるのもメリットです。
子供の遊び場としても和室は適しています。適度なクッション性があり、多少ではありますが音を吸収する効果もあるのです。ただし、あまりうるさいと賃貸住宅の場合には隣接している住民に迷惑をかけるので、騒ぎすぎている場合にはきちんと注意しましょう。
断熱性能が高い
畳には湿度をある程度調節してくれる効果だけではなく、断熱効果も高くなっているので、冷房や暖房の効果も高くなります。そのため、エアコンの料金も多少安くなるので、省エネにも貢献してくれるでしょう。
なぜ畳は断熱性能が高いのかというと、畳は内部に空気を含んでいます。空気が熱を逃がしにくくしているので、部屋の温度を保ちやすいのだと言えるでしょう。
夏は和室でも洋室でも裸足で全く問題ありませんが、冬になると洋室では足が冷たくなります。その点和室であれば、冬であっても洋室ほど冷たくならないので、裸足でもそれほど冷たい思いをすることなく過ごせます。冬は暖かくて夏や涼しく過ごせるので、春夏秋冬のある日本にとても合っているのです。
和室のデメリット
カビやダニが発生しやすい
新品の畳は青緑色になっていますが、本来は枯草色をしているのです。
枯草色ではきれいに見えませんので、色粉や染色剤を使用してきれいな色を出しています。この色粉や染色剤がカビの栄養源となっているのです。
原材料であるイ草もカビの好物ですし、畳は過剰な湿度を吸収する効果があるため、梅雨時期など湿度が高くなるとカビが発生しやすくなります。
さらにカビはダニの栄養源でもあるので、ダニも発生しやすくなるのです。
最近は昔に比べればカビやダニが発生しにくくなりましたが、確実に防げるわけではありません。そのため、定期的な畳のメンテナンスや防カビ剤の使用などが必要になります。
汚れが付くと取りにくい
子供が畳に飲み物をこぼしたりしてできたシミは、しっかりと取り除くのがとても大変です。古くなってくると汚れが付着して黒っぽくなることも多いでしょう。
このように汚れやシミが付きやすく、きれいに取り除きにくいのも和室のデメリットです。
畳には僅かな隙間があるので、隙間に入り込んだホコリも除去しにくいのですが、昔はお茶ガラを畳に撒いて、ホウキで掃くと、隙間に入ったホコリもある程度きれいになると言われていました。
しかし、ある程度汚れやシミが酷くなってくると除去できなくなるので、交換するしかないでしょう。畳を長持ちさせるためには、汚れやシミが酷くなる前にメンテナンスをしないといけません。
へこみやキズが付きやすい
畳の部屋に家具などの重い物を置くと、その場所だけへこんでしまうことがよくあります。
タンスのようにある程度広い範囲に均等な重さがかかる物であればまだよいのですが、テーブルなど足が取り付けられており、一転に重さがかかってしまう物を置くと、その場所だけへこんで目立ってしまいます。
そのため、へこみを防止するグッズを使用して、できる限りへこみにくくするのがよいでしょう。
もしへこんでしまった場合、多少であればへこんだ部分に濡れた雑巾を置き、その上からアイロンで熱を加えてみましょう。スチームアイロンであれば、濡れた雑巾を使わなくても改善できます。
また、家具などを引きずってしまうとキズになりやすいのもデメリットです。家具類の移動をする際には、しっかりと持ち上げて、引きずらないように注意しましょう。
【和室の基礎知識】メリットとデメリットについて
メリット・デメリットを解説いたしました!
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