【2025年】ベランダの打ち水効果とは?伝統の涼み方で暑い夏を乗り切ろう!
ベランダに打ち水?伝統の涼み方で酷暑を乗り切ろう!
日本伝統の涼み方に「打ち水」がありますが、地球にやさしい暑さ対策として注目されています。
しかし、集合住宅に住んでいるから打ち水はできないとあきらめていませんか?
ベランダへの打ち水には、どのような効果があるのでしょうか?
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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
打ち水をすると涼しくなるのはなぜ?
まず、なぜ水を撒くと涼しくなるのか?という疑問を解決しなければなりません。
水を撒くことで涼しくなる理由は、「気化熱」という科学現象が起こっているからです。
「気化熱」とは、液体が気体に変化する際に周囲の熱を奪うことを言います。
子供のころ、お風呂から出たら「体を拭かないと湯冷めをするよ」と叱られたことがある人が多いと思いますが、これは体に付いた水が蒸発する時に気化熱で体温を奪われるためで、乾いている時以上に急激に体が冷えてしまうからです。
また、現在の日本、特に都市部の場合はアスファルト舗装された道路やコンクリート製の建物が多くあります。
「ヒートアイランド現象」という言葉を聞いたことがある人も多いと思いますが、これはアスファルトやコンクリートのような熱を蓄える性質があるものに溢れていることが原因です。
特に、これらの材質は水はけも良く造られているため、水を溜めて徐々に気化熱で放熱するという事も難しいため、都市開発に伴ってヒートアイランド現象は加速しているとも言えます。
そこで、保水性の高い土や芝生などを増やす屋上緑化なども行っていますが、酷暑の続く現在ではなかなか思うような効果が出ていないこともまた事実です。
そこで、意図的に水を撒いて気化熱で気温を下げるため、大々的に「打ち水をしましょう」といったキャンペーンも行われ、実際にその効果が確認されています。
打ち水ってどうやれば良いの?
打ち水には、細かなルールや作法などはありません。
用意するものは、安全な水と、水を入れるための容器です。
安全な水と言われても基準がわからないと思いますが、まず確実に安全な水は日本の水道水です。
しかし、打ち水のために特別に水道代を負担するようなことは勿体ないので、二次利用の水を使用するのが良いでしょう。
野菜を水洗いした際の水をバケツに汲んでおくとか、お風呂の残り湯などを使うことで、捨ててしまう水の有効活用にもなります。
ただし、洗剤や油、調味料などは不純物になり、撒いた場所を汚してしまうため使用は避けましょう。
水を入れる容器はバケツや洗面器、使わないペットボトルなどなんでもかまいません。
撒くためのひしゃくなどがあれば良いですが、手で掬って撒くのも手が冷えて気持ちいいでしょう。
子供も混ざって打ち水をする場合、水鉄砲などを用意するのも楽しく打ち水が出来て良いかもしれません。
水は、地面全体が濡れるように撒きます。
局所的に撒いても舗装面などは地面深くに流れて行ってしまい効果が薄れるため、「全体的に濡れたな」と思えるくらいに撒いて、その範囲を広めるのが良いです。
できるだけ水を撒く場所は広い範囲であるほうが効果的です。
自宅の敷地内に十分なスペースがあれば良いのですが、集合住宅の共用スペースなどで行う場合には他の住民にも配慮が必要です。
周囲に迷惑にならないように、適切な場所と時間帯を選びましょう。
なお、安全を考慮して、交通量のある道路や駐車場などは避けた方が良いでしょう。
マンションやアパートで打ち水をするにはどうしたら?
マンションやアパートの場合、共用スペースを避けて打ち水を行う必要があります。
つまり、その場所が「ベランダ」です。
狭い範囲では効果が得られないのでは?と思う方も居ますが、ベランダの範囲でも十分にその効果は得られます。
ベランダ全体が湿る程度に撒く、乾いたら再度撒く、といった感じに繰り返し行うことでも効果が継続します。
あまりに一気に水を撒いてしまうと効果が出にくくなったり、下の階へ水が流れてしまうこともありますので、少しずつ様子を見ながら撒くのが良いでしょう。
また、ベランダで打ち水を行う場合には、ベランダを日陰にすることが有効です。
ベランダが南向きだと日中は常に日があたるという建物も多いですが、その場合には葦簀(よしず)を建てたり、グリーンカーテンなどで日光を遮る工夫をしておくと良いでしょう。
ベランダにすのこを敷いておくことも、打ち水のためには効果的です。
その他に、ベランダ以外にも打ち水が効果的なのが「壁打ち」です。
壁面に水を撒くことでも、ベランダや地面と同様に打ち水の効果は得られます。
ただし、こちらはそのまま水が垂れてしまうため、撒くなら少量か、下の階を気にする必要が無い1階の場合でのみ行うのが良いでしょう。
打ち水に効果的な時間帯はあるの?
打ち水には、効果的な時間帯というのがあります。
気温が上がりきる前と、下がり始めです。
気温が上がりきってしまうとアスファルトやコンクリートは焼けて熱くなります。
そこに水を撒いてもすぐに蒸発してしまい、湿度だけが急激に上昇するだけで気温がそれほど下がりません。
また、日が暮れてからの時間帯もそれほど効果が望めません。
気温が上がったり下がったりする時間帯には多くの場合で風が吹いているため、気化熱の効果が高まります。
室内の換気を行う場合にも、風があれば効率よく換気が行えるため、朝と夕方の時間帯に換気と打ち水を同時に行うのも良いでしょう。
また、打ち水に最適な時間帯は植物に水やりをする時間帯と同様です。
先ほどベランダに日陰をというアドバイスをしましたが、実際にプランターなどで植物を植えてグリーンカーテンにすることで、水やりが習慣化したり、植物による蒸散効果で冷却効果が高まるなど、メリットが多数あります。
キュウリやエンドウ、ゴーヤなどの食べられる野菜が採れるグリーンカーテンも試してみてはいかがでしょうか。
【ベランダの打ち水効果】まとめ
打ち水をすることで、涼を取れることはもちろん、エアコンの利用が減れば節電にもつながります。
特にエアコンの室外機付近の気温が下がればエアコンの冷却効率が上がるというエアコンメーカーの見解もあり、ベランダへの打ち水には意外な効果があることが実証されています。
近年では打ち水を大勢で行うイベントなども行われており、環境省や国土交通省なども後援となって全国的なイベントを支援しています。
暑い夏を乗り切るため、日本伝統の方法で涼を取ってみるのはいかがでしょうか?
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