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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
関西弁とはちょっと違う、魅力的な奈良弁の特徴とは?
関西人といえばみんなが関西弁を喋るイメージですが、各府県ごとに特徴のある方言があります。
とりわけ奈良にも「奈良弁」という方言があり、他の関西弁には無い独自のフレーズもあります。
そこで、奈良弁独自のフレーズや関西弁との違いをご紹介します!
奈良弁は関西弁だけど関西弁とはちょっと違う?
奈良弁は大和弁(やまとべん)とも呼ばれます。
平城京が日本の中心であった時代を経て、京都・大阪・高野山(和歌山)・伊勢(三重)を結ぶ街道筋として栄えた奈良では、主に人の行き来が多かった京都や大阪の方言ととても高い共通性があり、特殊な訛りなどはありません。
特に奈良盆地を中心とした奈良県北部では、テレビやラジオなどのマスコミの影響に加えて、通勤・通学で大阪へと通う住民も多いことから、『大阪弁の雰囲気が濃厚な関西弁をベースに奈良独自のフレーズが入る』という特徴があります。
主に語尾に特徴があり、「やよ」「やん」「てぇや」といった語尾が良く使われます。
語尾が上がったり延ばすような表現も多く、大阪弁よりもゆっくりと話す特徴もあることで、言葉に丸みがあり関西弁を聞きなれない人でも優しい印象を受けるようです。
のんびりとした雰囲気の奈良の人柄が奈良弁にも出ているのでしょう。
また、古くから奈良弁を使っている世代を中心に、ザ行音→ダ行音の交替された発音も多くあります。
例えば「雑巾→どおきん」「座布団→だぶとん」といったように、知らずに聞くとアレ?と感じるような発音は珍しくありません。
特に年配の方と会話するとこういったことがあるため注意して聞き取る必要があります。
多少は言葉の前後で通じる範囲ではあるので、奈良弁のクセを上手く聞き取ってみましょう。
会話で良く使われる定番の奈良弁
まずは、日常会話で良く使われたり、奈良県民が他の地域に行ってもついつい通じると思って使ってしまう奈良弁からご紹介します。
・「~やん」→『~ない』
見えない→「見えやん」、使えない→「使えやん」、寝ないといけない→「寝やんとアカンねん」など、日常的に良く使われます。
・「いらう」→『触る』
勝手に触らないで→「勝手にいらったら(いろうたら)アカン」といったように使われます。
普段は触るを使っていても、ちょっとした時にいらうが出てくる人が多い。
・「いらち」→『短気な人』
「あの人いらちやねん」と、短気な人を指して使われることが多い。
・「いがむ」→『歪む、傾く』
「あの絵、いがんでへん?」など日常でも良く使われます。
敵意をむき出しにするという意味の「啀(いが)む」では無いので、勘違いしないように注意が必要です。
・「いぬ」→『帰る』
家に帰ろうとするときに「そろそろいぬわ~」と使ったりします。
古典でも出てくる「住ぬ」「去ぬ」と同じ意味で使われ、歴史と共に受け継がれて残る言葉です。
・「しらこい」→『白々しい』
知らんぷりをした人に「えらいしらこいなぁ」と使ったりします。
関西弁と言われることもありますが、奈良弁発で関西圏に広まったとされています。
・「なおす」→『片付ける』
「○○なおしといて~」と言われて、修理するの?と勘違いしがちな定番の奈良弁。
子供の頃から「おもちゃなおさんとオヤツあらへんで!」といった感じで躾けられて身についてる奈良県民が多く、県外に出ても使ってしまうので時々困惑されてしまうことがあります。
・「いちびる」→『調子に乗る・ふざける』
「いちびってやんとおとなしせぇ!」と、先生に注意されたことはいい思い出です。
「いちびり」と使われる場合はお調子者のことになるが、人とは違うことをするという意味で誉め言葉になる場合もある。
・「かえこと」→『交換』
物々交換をする際に使われることが多い奈良弁で、食べ物をシェアするときなどに「あんたの美味しそうやからうちのとかえことしやん?」と誘われることがある。
ちなみに、意味は同じですが「かえとこ」と使う場合もあります。
・「ねき」→『近く・傍ら』
その近くにあるカバンを取って→「そのねきにあるカバン取って」と使われます。
東海地区より西側では使われていた言葉ですが、今では奈良弁くらいでしか耳にすることが無い言葉のようです。
ちょっと伝わりにくい奈良弁
奈良弁に慣れ親しんでいても、ほとんど聞くことの無い特殊な方言をご紹介します。
使う人も少なく使われても通じない、知らないと誤解してしまうような言葉なので、奈良弁を使う人との会話で注意して聞いておくと良いかもしれません。
・「ほーせき」→『おやつ』
「冷蔵庫にほーせきあるで」と言われても、なんで宝石を冷蔵庫に?とちんぷんかんぷんです。
おやつがあるのだと分かっていれば、ケーキなどがあるのかな?と分かりますよね。
・「おとろしい」→『面倒くさい』
「おとろしわ~」と聞くと、多くの場合で何が恐ろしいの?と聞き返したりするでしょう。
「歯医者行くのおとろしい」と聞いたらただの怖がりなのかな?と思ってしまいますが、ただ面倒くさがっているだけだったりします。
・「てれこ」→『反対』
入れ違い、互い違い、といった意味でも使われますが、奈良弁の場合は『反対』という意味で使われることが多い言葉です。
「あんたの服、裏表てれこやない?」といったハッキリと『反対』である場合などに使われます。
・「まわり」→『準備』
一緒に出掛ける際などに「はよまわりしぃや」と使います。
早く準備してと急かされているのですが、知らないと周囲を見回してしまうかもしれません。
・「うすい」→『アホ』
アホという悪口ですが、どういうわけか奈良弁では「うすい」が使われることがあります。
「あの人の頭うすいなぁ」と言われた場合、普通なら『あの人はハゲている』と考えがちですが、実際には『あの人はアホだ』と言っています。
どちらにしても悪口になってしまうかもしれませんが、意味合いが全く異なります。
奈良弁ならではのカワイイ言葉
全国各地の方言にはそれぞれカワイイ言葉がありますが、奈良弁にももちろんあります。
女性からやんわりと発せられるカワイイ奈良弁を聞いたら、惚れてしまうかも?
・「ぺちゃこい」→『平たい』
たまたま見かけた伏せてる犬を見て「なんやあの犬ぺちゃこくなってる」なんて言われたら、犬よりもそんなことを言った女性の方がカワイイと感じてしまうかもしれません。
・「やんぺ」→『やめた』
面倒だからやめておこうという時には、「おとろしからやんぺ!」と使います。
そんなこと言われたら「ほなやめとこか~」となってしまう魔法のフレーズになります。
・「よばれる」→『ご飯を食べる』
「よばれる」や「およばれ」は『招待される』や『食事に招かれる』という意味で他府県でも方言がありますが、奈良弁の場合は『ご飯を食べる』という意味が強くなります。
特に人の家でご飯を食べる際に、ご飯を誘ったり食べるように勧めたりする際に使われることが多くあります。
誘う時は「ウチでご飯よばれとき(我が家でご飯を食べていきませんか?)」と言い、誘いに応じると「ほんなら、ご飯よばれてこ(せっかくだからご飯頂いていきます)」と使います。
堅苦しくなく軽くご飯を誘う際に使われますが、手料理をふるまってくれる誘いならうれしいですね。
・「あのみぃ」→『あのね』
会話の出だしに使われ語尾の延びる「あのみぃ」ですが、おねだりや告白などのちょっと勇気のいる場面で登場します。
ここぞという場面で「あのみぃ、うちあんたしか見えやんのや」と告白されたら最高ですね。
・「せんど」→『何度も』
広く関西弁でも使われるようになった奈良弁の「せんど」ですが、千度(千回)を『何度も』という意味で使われるようになったのではないかとされています。
「せんど言うたけど、やっぱあんたのこと好っきやねん」と言われるくらい好かれているなら、きちんと答えてあげないとダメですね。
奈良の方言あるある
近年ではマスコミの影響もあって関西弁を耳にする機会が増え、奈良弁もさほど大きな違いがないことから「全国でも通じる関西弁」だと勘違いしてしまうこともあり、ご紹介した「ちょっと伝わりにくい奈良弁」を使って意味が通じず、恥ずかしい思いをしたという人も居るようです。
そこで、自分の奈良弁が気になる場合は有名人の奈良弁を参考にするのも方法です。
お笑いタレントの「明石家さんま」さんやアイドルの「堂本剛」さん、漫才師「笑い飯」の2人も奈良県出身で奈良弁を使う有名人です。
テレビやラジオでの発言を聞いて、通じる奈良弁と通じにくい奈良弁を上手く使い分けつつ、カワイイ表現はきっちりと盛り込んでいくことで、奈良弁の良さをフル活用できるでしょう。
ちなみに、今回ご紹介した奈良弁は主に奈良県北部~中部にかけて使われている方言です。
奈良県南部の十津川村、上北山村、下北山村、天川村などでは「奥吉野方言」という奈良弁とも関西弁とも全くことなる方言が使われていますので、秘境と呼ばれる奈良県南部へお出かけの際は方言の違いも注意してみてください。
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