【念書とは?】大切なのは3つのポイント!テンプレ付きで解説
【金銭貸借・就業規則の遵守】念書とは?作成のポイントは?

借金の返済についてや、社内のルールを守ることを約束させるなど、ビジネス・プライベート関わらず重要な約束事には「念書」という文書が用いられます。
どういった性質を持つ文書なのでしょうか。
作成にあたってのポイントも含めて詳しく解説していきます。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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念書(ねんしょ)ってどういう書類のこと?

念書というものをご存知でしょうか。
「言葉は聞いたことがある」という方も多いかもしれません。
ビジネスシーンや日常生活のなかで、契約書を交わす場面はたびたびあります。
たとえば賃貸物件に入居する際にも賃貸借契約書というものが交わされます。
念書は契約書と同じく二者間での約束事(=契約)が記載された文書ではありますが、契約書とはまた性質が異なります。
契約書は当事者双方が守るべき約束事を記載したものである一方、念書は原則として片方の当事者がもう片方の当事者に約束事を守らせるために作成させるものです。
よって署名やなつ印が必要なのは約束を守る側のみとなります。
法的な拘束力や強制力の有無についても契約書とは異なります。
契約書には法的な拘束力があり、その内容に違反すれば損害賠償などの法的な責任を負うことになります。
ですが念書はあくまでも約束した事実を証明するものであり、そこに法的な拘束力は発生しません。
念書のなかに「契約に反すれば損害賠償金を支払う」という内容を盛り込んだとして、差し押さえなど法的な手段を用いて強制的に支払いをさせることはできないのです。
だからといって念書が意味のないものというわけではありません。
もし交わした契約において何らかのトラブルが発生し裁判沙汰にまで発展した場合、裁判において念書は約束したという事実を証明する重要な証拠になります。
この事実は、約束させた相手にきちんと内容を守ってもらうためにも有用ですので、ビジネス・プライベート問わず何か重要な約束事においてはきちんと念書を作成しておくことをおすすめします。
よく言葉が似ている「覚書」という文書もあり紛らわしいですが、念書はこれとも異なります。
覚書は一度契約書を交わした内容に変更が発生した場合にその変更の詳細と、当事者同士がそれに合意したことを記しておくためのものです。
覚書は契約書に付随するものであるため、契約書と同様に当事者双方が守るべき契約について記されており、法的拘束力を持ちます。
ちなみに、公証人役場で認証をしてもらうことにより念書を公正証書として扱えるようにすることもできます。
相応の費用はかかりますが、公正証書として認められればその内容に法的な拘束力や強制力を持たせることが可能になります。
念書を作成する上での3つのポイント

念書がどういうものかはお分かりいただけたでしょうか。
では、ここからは念書の具体的な書きかたのポイントを見ていきましょう。
①最低限記載すべき内容は忘れずに
念書に記載すべき内容はどういった約束についてかによっても異なってきますが、最低限必要な内容はまず共通しています。
「これは絶対に忘れてはならない」という内容について、きちんと頭に入れておきましょう。
・当事者の氏名(約束する人物・約束を受ける人物どちらも必要)
・具体的な約束内容
・約束内容を「いつ履行するか」の日付
・約束内容は「どこが対象となるか」の場所
・念書を作成した日付
・約束する人物(念書を作成する人物)の署名およびなつ印
②約束の条件や期日を明確に記載すること
念書に法的な拘束力や強制力はないと言いましたが、裁判などで重要な証拠にもなりうるというお話もしました。
ですから、念書に記載する内容には細心の注意を払う必要があります。
あいまいでどうとも受け取れるような記載内容だと、約束の証拠としての機能自体果たすことができない可能性が出てきてしまいます。
約束の条件・期日についてはできうる限り具体的かつ明確に記載することが肝心です。
「もし〇〇をしたら△△する」といった条件づけには特に気をつけないと、読み取りかたによって幾つもの解釈ができてしまうような事態が起こりえます。
約束を履行する日付や期日についても年度・月・日付と詳細に記載するようにしましょう。
記載内容をおろそかにすると念書を交わした相手に裏読みされ約束内容を回避されてしまう恐れもありますので、しっかりと内容に落ち度がないか何度もチェックすることをおすすめします。
③収入印紙が必要な場合もある
金銭の貸し借りだったり不動産の売買だったり、経済取引に関する内容についての念書の場合「課税文書」として扱われ印紙税が課される可能性があります。
そうなると、収入印紙を文書内に貼りつけ消印を押すという形で納税する必要が出てきます。
念書が課税文書として扱われるのは、下記3つの条件すべてに当てはまる場合です。
・印紙税法別表第1(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
・当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
・印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。
作成した念書が課税文書にあたるかどうか、各自で印紙税法をよく確認して判断しなくてはなりません。
ですが法律についての専門的な知識がないとなかなか判断できるものではないので、弁護士などの専門家や税務署へ相談するのがおすすめです。
念書の書きかたの例

念書を作成するにあたっては、あらかじめいつでも使えるテンプレートを用意しておくと楽です。
エクセルやワードなどで大まかな部分のみ作成して保存しておけば、必要な時に用途に合わせて編集するだけで文書が完成するので大変便利ですよ。
以下に参考となる例を載せておきます。
念書
株式会社〇〇
〇〇 〇〇殿
私は、〇〇を行うにあたり、下記の事項を遵守する旨を誓約いたします。
記
1. ✕✕✕
2. ✕✕✕
3. ✕✕✕
以上
令和〇年〇月〇日
株式会社△△
△△ △△ ㊞
また、念書が用いられる場面としてよくあるパターン4例について、例文を掲載しておきますのでこちらも参考にしてみてくださいね。
①就業違反についての念書
私は、今後一切、勤務中に下記の行為を行わないことを誓約いたします。
これに違反した場合は自ら職を辞する決意であり、懲戒解雇処分となっても不服申し立てをいたしません。
1. 就業時間に遅刻をすること
2. 勤務時間内に私的な要件を行うこと
3. その他の職務怠慢行為
②無断欠勤についての念書
私は、今後一切、正当な理由もなく無断で会社を休まないことを誓約いたします。
これに違反した場合、懲戒解雇処分となっても不服申し立てをいたしません。
③金銭の借用および返済についての念書
貴殿より借用いたしました金○○円につきましては、下記の条件にて必ず返済することを誓約いたします。
1. 返済期限 令和〇〇年〇月〇日
2. 年利息 〇〇%
3. 返済方法 返済期限までに毎月〇〇円ずつ元金均等払いにて、貴殿指定の銀行口座へ振り込みいたします。
④賃貸契約についての念書
〇〇マンション〇〇号室の家賃〇〇円を家主〇〇様に〇月〇日までに全額支払うことを誓約いたします。


まとめ~念書はきっちり確認しながら作成を~

いかがでしたでしょうか。
今回は念書とは何か、そして作成にあたってのポイントについて見ていきました。
書きかたについて押さえておくべきポイントはそれほど多くはなく、複雑な内容でもありません。
それだけにひとつひとつの文面に不備がないようにきっちりと確認しながら作成することが重要になります。
とくに約束の条件や期日を明確に正確に記載することは肝心です。
念書を用意する必要性が生じた時は、ご紹介した書きかたの例も参考にしつつ作成してみてくださいね。
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