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担当者:木原一憲
趣味は休日バイクでツーリングすること!不動産キャリア20年以上の経験と奈良生まれ奈良育ちの知識を活かし奈良の情報を語ります!
賃貸契約に印鑑証明はなぜ必要?
賃貸契約に印鑑証明は必要になりますか?
なぜ必要なのですか?
そもそも印鑑証明って何?持っていない時はどうしたらいいの?
今回はこんな疑問について解説します。
印鑑証明とは?
印鑑の中でも、もっとも信頼性の高いものは実印です。
大きな契約や取引、公正証書の作成や銀行からの借り入れなどに必要となります。
印鑑証明とはさらに、実印が本物であることを証明する書類です。
実印と、印鑑証明とのセットで効力を発揮します。
なので印鑑証明は「印鑑に正当性があり、社会的信頼がある」ことを証明するものとなります。
発行が自治体なので、自治体が信頼を保証していることになります。
賃貸契約に印鑑証明は必要ですか?
カンタンに結論を言えば「必要な場合と、そうでない場合がある」です。
賃貸契約は基本的には実印と、家賃の引き落としが行われる銀行口座の銀行印でOKな場合が多いです。
本人の印鑑証明まで求められるケースもありますが、「そこまで必要としない」とする場合もあります。
しかし、本人ではなく連帯保証人の印鑑証明は必須の場合がほとんどです。
地方から親元を離れて大学に進学する学生さんのように、連帯保証人となる親御さんが県外に住んでいる場合や、これからお部屋を借りようとする人が個人事業主(フリーランス)などの場合は、大家さんから連帯保証人の印鑑証明の提出を求められます。
理由:本人及び連帯保証人の信頼性を確保するため
本人の印鑑証明を必要とするケースではほぼ本人確認という意味で求められることが多いです。
が、連帯保証人の場合は本人の場合よりも重要な意味合いを持ちます。
連帯保証人の印鑑証明を必要とするのは、連帯保証人になる人が社会的に信頼できる人かどうかを証明するため、と考えるといいでしょう。
また、連帯保証人自身が本当に連帯保証人になることを承諾したのかどうかを証明するためのものでもあります。
賃貸契約時には連帯保証人が同席していないケースが多いためです。
実印は持ち出せても印鑑証明は基本的には、本人が自治体で発行しないと入手できないもののため、これをもって意思表示のひとつとみなすことができるのです。
連帯保証人って何?なぜ必要?
では、連帯保証人はなぜ必要なのでしょう。
民法では連帯保証人制度が定められており、連帯保証人とは「借主が貸主に対して負う債務について連帯で保証する」人のことです。
つまり、借主が家賃を支払わなかったり、設備を壊したけれど弁償ができない場合などの問題が生じた場合に借主に代わって支払いを行う人ということになります。
学生さんの場合は親御さんが連帯保証人となるケースがほとんどです。
大家さんにしてみれば、家賃が滞納されたり、壊した設備の弁償をしてもらえないという事態は絶対に避けたいことです。
そのため、借主と同じ責任を持つ立場の第三者を確認しておきたいと考えるのは自然なことでしょう。
理由:大家さんに安心してもらうため
連帯保証人は、借主本人が家賃などを払わない、払えない時に借主の代わりに責任をとるという意味で大家さんに安心してもらうために必要、ということになります。
また、借主と同等の責任を負うということを連帯保証人自身が了承しているかどうかを確認するという意味で実印&印鑑証明が必要となります。
印鑑証明を作る
「賃貸契約で印鑑証明の提出が必要。だけど印鑑証明書がない」
そんな場合は自治体で印鑑登録をすることで印鑑証明を発行することができます。
印鑑証明は賃貸契約以外でも使用する機会がありますので、この機会に印鑑登録をしておくといいでしょう。
印鑑証明を発行するには
1.実印を用意する
まずは実印を用意します。
シャチハタなどの自動印は不可です。
文具店などで購入できる三文判ではなく、ハンコ屋さんでオーダーメイドで作ってもらった印鑑を使うのが一般的です。
最近ではインターネットで作ることもでき、早ければ注文後約1日で届けてくれることもあります。
すでに実印があるけれど、どれが実印かわからない場合は、新しく実印にしたい印鑑を持って市町村役場に行き「改印届」を提出すれば実印の変更が可能です。
2.市町村役場で印鑑の登録をする
実印を用意したら、住民登録をしている市町村役場で印鑑を登録しましょう。
その際に必要なものは
・実印
・顔写真付きの本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)
・登録費用(約500円。市町村によって金額が違います)
です。
顔写真付きの本人確認書類がない場合は、代理人に代わりに登録してもらうことが可能です。
この場合は、手続き後約一週間~10日ぐらいで本人宛に「照会書」が届きます。
書類を記入して再度市町村役場窓口にもっていけば手続きができます。
少し時間がかかりますが、登録が可能です。
3.印鑑証明書を発行してもらう
印鑑登録ができたら、窓口で印鑑証明を希望する旨伝えましょう。
1枚200円程度ですぐに発行してもらえます。
また、印鑑証明書の有効期限は3か月です。
スピーディに手続きするに越したことはないですが、あまりに早く書類を用意して、有効期限を過ぎてしまわないように気をつけましょう。
印鑑証明の手続きに行く時間がない!という方は
すでに印鑑登録を済ませており、マイナンバーカードを持っているということが条件になりますが、最寄りのコンビニエンスストアで印鑑証明を発行することが可能です。
毎日6:30~23:00まで、各種コンビニエンスストアに設置されているキオスク端末にて手続きできます。
平日の役所の開いている時間に手続きに来ることが難しい人は、このようなサービスを利用すると便利ですよ。
またコンビニは、証明書発行サービスを利用できる店舗であれば全国どこででも発行が可能です。
印鑑証明がなくても賃貸契約ができるケース
では、印鑑証明がなくても賃貸契約ができる場合はあるのでしょうか。
答えは「イエス」というのは、連帯保証人がいなくても賃貸契約ができる場合があるからです。
連帯保証人の代わりに保証会社を利用する場合は、印鑑証明の必要はありません。
保証会社とは、賃貸契約時に連帯保証を代行するという役割と、入居中の家賃を滞納したときに一時的に立て替えてくれるサービスを行う会社です。
利用するには審査が必要で、審査が通れば家賃の30~60%のお金をおさめることで利用が可能です(万が一、家賃を立て替えてもらった場合は保証会社に返済する必要が出てきます)。
保証会社を利用したい場合は、不動産会社に相談すれば紹介してもらえます。
【賃貸契約に印鑑証明は必要?】まとめ
以上、印鑑証明について解説いたしました。
印鑑証明は本人確認や連帯保証人の信頼度を証明するためのもののため、賃貸契約の際に必要となるものであることがお分かりいただければ幸いです。
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