-
担当者:安達竜哉
特技は少林寺拳法!趣味は愛車のお手入れです!奈良の不動産情報に詳しい私が賃貸情報や暮らしに関する事などお役立ち情報を配信していきます。
【借り主さん必見!】賃貸住宅の「善管注意義務」って?
賃貸住宅に住まう際に忘れてはならない契約内容のひとつとして、「善管注意義務」というものがあります。
一体どのような義務なのでしょうか。
違反にあたる事例や違反したらどうなるのか、違反しないための心構え・具体的な対策なども詳しく解説してゆきます。
賃貸に住むなら「善管注意義務」は重要ワード!
いま賃貸住宅にお住まいの方、もしくは賃貸へのお引っ越しをご検討されている方、「善管注意義務」という言葉を耳にされた覚えはありますか?
「聞きなれない言葉だな」と思われた方もおられると思います。
でもこれ、ちゃんと契約書にも書いてある、賃貸のお部屋に住まわれるならば必ず覚えておかなければならない重要なワードなんです。
善管注意義務――正式には「善良な管理者としての注意義務」と言います。
賃貸物件に限らず中古車や美術品など特定物の引き渡しの義務を負う人は、その引き渡しが完了するまでは、その人の能力や社会的地位または一般的な社会通念などから期待される注意を怠らずに目的物を保存する義務があるということです。
民法第400条の条文が由来となっています。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、賃貸物件においてはこの「引き渡しの義務を負う人」というのは実際にお部屋に住まう借り主のことで、要は「お部屋を借りてから退去して持ち主に返すまでは、きれいな状態を保てるように借り主さんが注意して管理してくださいね」という内容です。
どんなのが善管注意義務違反?違反したらどうなる?
では、どのようなことをしたらこの「善管注意義務」に違反したことになるのでしょうか。
違反になりうる一例としては、以下のようなものが挙げられます。
・建物の構造上生じた結露によってカビが発生し、これを放置してカビが大繁殖した。
・エアコンが水漏れを起こしているのを放置した結果、壁や床にシミや腐食が生じた。
・床に飲み物をこぼしてしまったのをちゃんと拭かず放っておいたため、フローリングにシミが付いたりカビが発生したりした。
・お風呂場や台所などの水回りをちゃんと掃除しなかったため、こびりついた水垢やカルキなどの汚れが取れなくなった。
・大規模な家具を、保護シートを敷くなどせず置いたことによって床や壁に傷をつけた。
・ねじやくぎなどで壁に穴を開け、下地を損傷させた。
・部屋の中でたばこを吸い続けてヤニで壁を汚したり、落として床を焦がしたりした。
・専用庭付きの物件で庭の管理を怠り、雑草まみれの荒れた状態にした。
いずれも借り主さんがお部屋で生活するうえで掃除などの管理や、きれいな状態を保つ注意・心がけを怠ったために発生した問題と言えます。
一番上の例を見ると、結露でカビが発生したのは建物の構造によるものであって借り主さんの過失ではないのでここまでは善管注意義務違反ではないのですが、それを放置して状況を悪化させたところに違反があります。
生じた結露はきちんとこまめに拭き取るべきで、カビについても除去したり繁殖をおさえたりする手段を取ることが社会通念上期待され、それを守らなかったということです。
とくに悪意はなくわざとじゃないにしろ、「一般的に期待されるべき管理を行わなかった」と見なされれば違反となるのが重要なところです。
もし善管注意義務違反があったと判断されたらどうなるのでしょうか。
多くのケースでは、退去時の大家さんや管理会社によるチェックの際に違反が判明します。
退去する時には借り主さんには原状回復が求められますので、善管注意義務違反が指摘された場合にはその原状回復のための費用を支払うことになります。
つまり、汚れたり壊れたりした設備のクリーニング代や修理代が請求されるということです。
最初に敷金を支払っている物件の場合はそこから差し引かれますし、敷金がなかったり請求金額が敷金を超えてしまう場合にはその分の実費を支払うことになります。
違反しないように気をつけるべきことは?
この善管注意義務においてややこしいのは「これが違反です」という明確な基準がないところです。
お部屋の借り主さんに期待されるべき管理とは一体どんなものなのか、法律などで定められているわけではなく、また個々の事例にどのように対応するかの規約が明文化されているわけでもなく、物件の持ち主である大家さんが築年数などを考慮してその都度判断するという形になります。
判断は大家さんや物件の状況によっても様々なので、前に住んでいたお部屋では違反と見なされなかったことでも、今住んでいるお部屋では問題になるということも大いにありうるのです。
それゆえに、賃貸のお部屋に住まう場合には「出来うる限り大切に扱い汚れがあったらその都度きれいにすることを徹底する」心構えが大事になります。
自分の持ち物ではないからといってぞんざいに扱うのはもってのほかで、結局それは全部自分自身に返ってくることになってしまいます。
例えわざとでなくても違反になりうるということは先ほどお話しましたが、もっとも難しいところは設備の汚れや不具合に全く気づいていなかった場合でも「一般的に考えて気づくべき箇所だった」と見なされれば善管注意義務違反になってしまう点です。
そもそも異変に気づかなかったということが管理不十分だという話にもなってしまいますので、お部屋の状態については常に隅々まで気を配り、目を光らせておくようにしましょう。
少し面倒くさそうな話になってしまいましたが、要は日頃からお部屋をきちんと手入れしたり汚さないように気をつけたりしてご自身が長く快適に住めるような環境を保っていけば良いのです。
善管注意義務で求められる注意や努力はあくまで日常レベルのことで、対処するのに専門的な知識や技術が要るような内容は対象にはなりません。
善管注意義務に関する問題が起こらないようにする具体的なポイントはまずこまめな掃除。
そして他にもいくつかあります。
お部屋の中でご自身の手に余るような異変に気づいたらすぐに大家さんもしくは管理会社に連絡するようにしましょう。
例として、トイレタンクなどからの水漏れは管理会社経由で修理業者に対応してもらえば大半の場合すぐに解決するもので、修理費用がかかっても数千円程度のものです。
ですがそれをずっと放置した結果床を傷めてしまったり下の階へ水漏れしたりとなってしまうと、それは「管理会社に連絡する」という日常レベルの対処を怠り義務を果たさなかったと判断されますし、対応に必要な費用も数千円どころではなくなってしまいます。
ちなみに、ちゃんと管理会社に連絡をしたにも関わらず適切な対応を取ってもらえなかった場合は、設備の汚損が発生したとしても管理会社の責任であり、善管注意義務違反にはあたりません。
また、お部屋の退去時には大家さんや管理会社に「大切に住んでいた」と感じてもらえるようきれいに片づけをしたうえでチェックしてもらうようにしましょう。
入居前からあった汚れや破損を退去時に指摘されてトラブルになることのないよう、そういった汚損は入居立ち合いの際に忘れず写真に収めておき、退去時まで証拠として残しておくことをおすすめします。
まとめ~専用庭も善管注意義務の対象内~
いかがでしたでしょうか。
今回はうっかり見落としがちだけど重要な「善管注意義務」について見ていきました。
この善管注意義務、先に書いた違反になりうる一例でも挙げていましたが、戸建ての賃貸物件でしばしば付いてくる「専用庭」も対象になっています。
とくにガーデニングなどの趣味があるわけではなく、たまたま気に入った物件に専用庭が付いてきたというケースもあるかと思いますが、だからといって雑草のお手入れもろくにせず荒れ放題にしていては、善管注意義務違反となってしまいます。
そもそも専用庭付き物件の家賃は庭の分も含めて計算されています。
せっかく庭のついたお部屋に住まうのであれば、きちんとお手入れをして活用しない手はありません。
ガーデニングや家庭菜園を楽しむもよし、テーブルやイスを置いてくつろぎ空間にするもよし、洗濯物を広々と干したり大きな物を置いたりするスペースにしてもよし、思い思いの使いかた・楽しみかたができる専用庭、おすすめですよ。
『賃貸のマサキ』では専用庭付きの賃貸物件も多数ご紹介しております。
下のリンクからご覧頂けますので、ぜひ一度覗いてみてください。
専用庭付きの物件はこちら≫
関連記事

【賃貸物件の設備が故障!】修理はどうしたらいいの?≫

退去時気になる【原状回復と経年劣化の判断基準とは?】≫

賃貸住宅でも出来る家庭菜園をご紹介します!≫

【賃貸物件でもできる簡単ガーデニング♪】コツや注意点をご紹介!≫

【賃貸契約に印鑑証明は必要?】誰の印鑑証明がなぜ必要なのかを解説!≫
-
担当者:安達竜哉
特技は少林寺拳法!趣味は愛車のお手入れです!奈良の不動産情報に詳しい私が賃貸情報や暮らしに関する事などお役立ち情報を配信していきます。