【賃貸の退去時お掃除は何処までする?】退去前の掃除は必要なのか
賃貸から退去の時、どこまで掃除をしたらいいの?

引越しをする時、家財を運び出した後の部屋は埃や汚れが目立ちます。
引き渡し時の部屋の状態が返還される敷金に影響することは知っていても、どこまで掃除すれば良いのか分かりにくいですよね?
そこで、退去時の掃除のポイントをご紹介します!

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賃貸お部屋探しのプロが見るポイント
賃貸専門家:木原 一憲
得意エリア:奈良市
奈良での不動産キャリア25年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。
賃貸から退去するときに掃除が必要な理由とは?

まず最初に、掃除が必要な理由に疑問を持つ方が居るかもしれません。
しかし、答えは簡単です。
民法545条1項に定められた『原状回復義務』があるからです。
原状回復義務とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と国土交通省のガイドラインに記載されています。
つまり、借りていた部屋を返すとき、一般的な使用方法以外で物件を汚したり傷つけてしまった場合には修繕費用を負担することと義務付けられています。
汚れたら掃除するのも一般的な使用方法の範疇になるため、掃除をして取り除ける汚れが残っているままでは修繕費用やクリーニング費用が発生することになります。
原状回復義務に伴う修繕費用やクリーニング費用は賃借人の負担となりますので、汚したままでは退去費用が高額になる可能性があります。
敷金を先に支払っている場合は敷金から差し引かれますが、戻ってくる敷金に大きく影響するため、キレイに掃除をしてから返却することが望ましいでしょう。
退去時の掃除でどんなところがチェックされるの?

退去立会いで部屋の状態をくまなくチェックされるのですが、原状回復のために手間がかかるところや日頃からの掃除を怠っている事が原因になるような汚れが残されている場合には、クリーニング費用が発生することが考えられます。
例えば、浴室などのに水垢やカビ、ガスコンロ付近の油汚れなど、普段から掃除を行っていれば汚れを抑えられるところの代表です。
これらが汚れたままになっているということで、クリーニング費用が高くなることは良くあります。
短時間でキレイに掃除をすることも難しいので、退去時の掃除も計画的に進める必要があるでしょう。
掃除のポイント①:キッチン
コンロ回りでは、油汚れの他にも焦げ付きやシンクの水垢などが代表的な汚れです。
油汚れはコンロ回りの壁や換気扇にも多く付着しているので、キッチン全体の掃除になります。
コンロが備え付けであれば、焦げ付きの掃除もしっかりと行いましょう。
油汚れと焦げ付きには、重曹を使った掃除が効果的です。
換気扇のファンや五徳など、取り外せるものは重曹を溶かしたお湯に浸けておくことで、効果的に落とすことができます。
取り外せない部分は、重曹水に浸したキッチンペーパーを張り付けておくことで汚れが落ちやすくなります。
シンクの水垢が軽くこすって落ちない状態になってしまっている場合、クエン酸を使うことで効果的に落とすことができます。
クエン酸を含んだ洗剤と、研磨効果のあるメラミンスポンジを使えば、溶かして削るダブルの効果でキレイに落とせるでしょう。
掃除のポイント②:浴室・トイレ
水回りで気になる汚れはカビと水垢です。
カビと水垢の両方が目立つのは浴室です。
カビはカビ取り用の専用洗剤が市販されているので、洗剤に記載された方法で正しく掃除をしましょう。
カビ取り用洗剤は強力な反面、人体に有害な成分を含むものが多く、ゴム手袋の着用や換気をしながらの掃除が必要です。
鏡などに目立つ水垢は、キッチンのシンク同様にクエン酸とメラミンスポンジで掃除するのが良いでしょう。
トイレの黒ずみの原因はカビやタンク内の汚れなので、カビ取り用洗剤が効果的です。
しかし、狭いトイレ内で使うのはやや難しいこともあるため、手軽に掃除をするなら重曹を使うのが良いでしょう。
寝る前に重曹の粉を溜まった水に振りかけておき、翌日にブラシなどでこすればキレイに取れるでしょう。
掃除のポイント③:床・壁
床は掃除機をかけたあと、水拭きやフローリングウェットシートなどでキレイに拭きあげると良いでしょう。
意外と忘れがちになるのが壁です。
凹凸のある壁紙にはうっすらと埃が付着していたり、良く触れてしまう場所には目立つ汚れが付いていることもあります。
手や体で触れたりするところの汚れは皮脂汚れ、つまりは油汚れになります。
こういった部分には、何度も登場した重曹が効果的です。
重曹を水で溶いたものをスプレーし、少し置いてから水拭き→乾拭きで仕上げます。
しつこい汚れの場合は、重曹に少量の水を加えてペースト状にしたものを塗り、上からラップでパックをします。
10分程度置いてから重曹を拭き取り、水拭き→乾拭きで仕上げれば良いでしょう。
ヤニ汚れはどうすれば良いの?

タバコを吸う方の場合、ヤニ汚れの掃除をどうしたら良いの?という疑問が多いようです。
喫煙の程度にもよりますが、ヤニ汚れは壁や天井に付着することが多く、汚れだけでなく臭いの付着もあるでしょう。
退去費用にクリーニング費用や消臭費用などが加算されることは避けられないでしょうが、掃除をしているかどうかで費用を抑えられることがあります。
掃除には、ヤニ取り専用クリーナーなどが市販されています。
壁紙の種類によって使えるクリーナーが限られたりすることもありますので、適したクリーナーを選んで使用しましょう。
消臭に関しては、ヤニ汚れが取れると多少マシにはなりますが、消臭剤を置くなどして積極的に消臭を行う方が良いでしょう。
また、退去予定の1週間前くらいからは室内での喫煙を避けることも大切でしょう。
退去時の掃除は計画的に!

引越しの予定が決まれば、引越しの準備に併せて掃除の計画も一緒に立てると良いでしょう。
浸け置きするものなど時間のかかるものもあれば、キッチン周りの清掃中には調理が出来ないといった問題もあります。
床や壁の掃除は家財を運び出してからの方がキッチリと全体を掃除できるので、先に他の掃除を進めるほうが良いかもしれません。
掃除道具を先に荷物にまとめてしまった!といったハプニングも、引越し準備中には良くやってしまう失敗ですね。
賃貸物件は借り物とはいえ、人生を共にしたいわばパートナーでもあります。
部屋の掃除はなるべく敷金が手元に返ってくるようにという思いもありますが、退去立会いを終えて部屋を後にする時「お世話になりました」と言えるように、感謝の気持ちでキレイに掃除をして去りたいものですね。
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