【捨印の使い方とは?】押し方の注意点やトラブルにならない為の方法
捨印とは?契約時に押すハンコの押し方を知ろう
契約書類には必須のハンコですが、さまざまな押し方には正しく押すための知識が必要です。
万が一作成した文書の内容に誤りがあれば訂正を行いますが、その際に使う訂正印を事前に押しておく「捨印」について、正しく理解しておきましょう。
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賃貸専門家:木寅 昌紀
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
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捨印はどんな場面で使う?
通常、契約書類などに訂正を行う場合、訂正箇所にハンコを押す「訂正印」が使われます。
しかし、文書が自分の手元を離れて相手が持っている場合、簡単に訂正を行うことが出来ません。
そこで、訂正が必要になった際に相手方で訂正を行ってもらえるよう、予め訂正印を押しておくことを「捨印」と呼びます。
捨印の正しい押し方は?
一般的に捨印は文書の上にある空欄に押します。
その他に、文書内に捨印を押すための捺印欄が設けられている場合にはそちらに捺印をします。
原則として契約書で訂正印を押す場合には契約書に使用したハンコを用います。
そのため、捨印も契約書に使用したハンコを押すため、実印であれば実印で、認印であれば認印で捨印を押します。
契約書が複数枚ある場合
契約書が2枚以上ある場合、どこに訂正が必要になるかが分からないため、全てのページに捨印を押します。
また、捨印を押す場所は統一しておく必要があるため、文書の上の空欄に押すか、予め捨印用の捺印欄を全てのページに作成しておく必要があります。
契約書に複数名の署名・捺印がある場合
2人以上の署名者がいる契約書の場合、署名者全員分の捨印が必要です。
仮に訂正を行う必要がある場合、誰かが勝手に訂正したものではないことを証明するために、全員分の捨印を文書の上などの適切な場所に押しておきます。
捨印を使って文書の訂正を行う方法とは?
一般的な訂正印であれば、訂正箇所近くの空いた場所に捺印を行うのですが、捨印は予め押された印影を訂正印として利用します。
概ね訂正箇所の近くに訂正印を押せるスペースが無い場合と同様の訂正手順となります。
訂正手順
1.誤りがある箇所に二重線を引く(削除)、訂正箇所の近くに正しい内容を書く(追加)
2.捨印の近くに削除した文字数、追加した文字数を書く
例:「〇文字削除」「〇文字追加」
捨印を押すときのメリットとデメリットとは?
捨印のメリットは、文書に誤りがあった場合でも「相手方で訂正を行うことが出来る」点です。
簡易な書類や事務手続きに使われる文書で、誤字や脱字程度の修正を行う際に重宝されます。
訂正が必要な場面で訂正印を持って行く必要が無いため、お互いに訂正内容について連絡を取り合うだけで済みます。
しかし、重要な書類の場合にはこの相手方で訂正できるという点において注意が必要になります。
つまり、捨印のデメリットは「こちらが意図しない訂正が加えられる可能性がある」という点です。
捨印が押してあれば、訂正する箇所や内容を知らないままに、契約書が相手方に渡っていることになります。
大げさな例を挙げると、誤字・脱字の訂正だと思っていたら、契約金額の桁が変えられていた、契約期間が変えられていた、という重要な部分を訂正される可能性があるという事です。
本来、捨印は「ある程度の訂正を加えても良い」という権限を相手に与えるために押されるものです。
そのため、契約の当事者間の信頼によって成り立つものであり、一般的には誤字・脱字程度の軽微な訂正を限度として使われます。
頑なにデメリットだけを考えて捨印を押さないようにしても、物事が円滑に進まない場合もあります。
中には役所や銀行といった信頼できる公的機関に提出する書類で、捨印がなければ受理されないものもあります。
司法書士への登記書類の委任状など専門の有資格者を経由する書類などでも同様で、捨印を押すことで円滑に受理される書類もあり、利用用途によっては柔軟な対応ができることが望ましいとされます。
捨印でトラブルにならないためには?
重要な契約書などでは、捨印を押さないように心がけることが大切です。
もしも文書に不備があれば、直接相手のところへ出向くか、相手に来てもらったうえで文書の訂正を行うのが安全です。
不備の箇所、訂正が必要な内容、そういった部分を自分の目でも確認しなければ、訂正を任せるのはトラブルの元になります。
それを踏まえたうえで、どうしても捨印が必要な場合には以下のような対策があります。
捨印の用途を事前に確認する
捨印の本来の用途である「誤字・脱字などの軽微な訂正」に限ったものであれば、大きなトラブルは避けられるでしょう。
どの程度の範囲まで訂正を行うのか、事前に取り決めをしておくと良いでしょう。
捨印を押した書面の写しを取り持っておく
自分にとって不都合な訂正が行われたとしても、書面のコピーがあれば有力な証拠となります。
万が一トラブルになった場合に無断で書き換えられたことが分かるように、写しを持っておくことも良い対策です。
捨印であることを明記しておく
捨印を押印した横に「捨印」と明記しておくこともトラブルの対策として有効です。
自分で押す訂正印と違い、捨印の場合は相手が訂正内容を記載しますが、捨印と明記されることで「重要な部分の訂正」を不正に書き換えることを防止します。
捨印は必要な場面もあれば、不用意に押してしまうことでトラブルに繋がることもあります。
捨印の意味を良く知り、不正に利用されないように努めましょう。
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