【賃貸契約の押印って?】必要場面や捺印と署名との違いを徹底解説!
「生活の疑問」賃貸契約にも必要な『押印』って?捺印との違いは?

ビジネスシーンをはじめとして、様々な場面で必要な「押印」。
賃貸物件の契約をするなかでも出てくるこの押印とは、具体的にどのような行為なのでしょうか。
似た言葉である「捺印」との違いや「署名」との法的効力の差など、詳しく解説していきます。

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賃貸専門家:吉田 政孝
不動産キャリア:23年
賃貸のマサキ天理駅前店所属。店舗運営のサポートの傍ら、ルームアドバイザーのキャリア23年以上の大ベテラン。奈良の社内仲介ランキングNo.1の実績有り。奈良の賃貸事情は勿論、美味しい飲食店や人気観光スポットなど、奈良のことは幅広い情報を持ち、特に天理市事情に日本一詳しいと自負。自身がナビゲータ役を務めたテレビ番組も多数あり。過去にアルバイトで習得したオムライス作りをスタッフへ教えるほど食通とか。
押印と捺印は同じ意味!

賃貸物件の契約にも必要になる押印(おういん)。
押印というのは、簡単に言えば印鑑を押すこと。
もう少し詳しく言えば「印鑑に朱肉をつけ、紙に押して印影を残す行為」のことです。
ただし多くの場合は、自筆以外で名前が記載された箇所に印鑑を押すこと=記名押印の略称として用いられます。
押印と似た言葉に捺印(なついん)というものがあり、これも耳にすることがあると思います。
捺印もじつは「印鑑に朱肉をつけ、紙に押して印影を残す行為」のことであり、押印と意味は変わりません。
多くの辞書では「押印」の項目に「捺印」と「捺印」の項目に「押印」と説明が書かれています。
現代では押印も捺印も両方聞く言葉ではありますが、どちらかというと「捺印」のほうが古くから使われている言葉です。
「捺」という漢字が当用漢字・常用漢字に含まれないため、捺印に代わる言葉として「押印」という言葉が使われるようになってきたという流れのようです。
法令の条文でも、以前は「捺印」表記が用いられていたのが、近年成立したり改正されたりした法令においては「押印」と表記されています。
記名押印と署名は法的効力に差がある?

押印という言葉は「記名押印」の略称として用いられることが多いと、先ほど述べました。
「記名」というのは自筆以外で記載された名前――
より具体的に言えば、印刷された氏名やゴム印の氏名、もしくは第三者の代筆のことを指します。
記名に対するのが「署名」つまり自筆の氏名です。
名は「サイン」や「自署」と呼ばれることもあります。
署名は自筆であるため、筆跡鑑定などを行えば本人が意思を持って書いたと証明することが可能です。
いっぽう記名は印刷など量産可能な手段によるもの、あるいは第三者が書いたものなので、本当に氏名を書かれた本人の意思がそこにあるのかを判別することができません。
そこで、わが国では記名に加えて押印(捺印)を行うことで、本人の意思がそこにある証明としているのです。
民事訴訟法第228条 第4項には「私文書は、本人(中略)の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と書かれています。
これはつまり、私文書に本人自筆の署名もしくは本人の押印があれば、その文書は有効なものと認められ、法的効力を持つということを示しています。
要するに、記名押印と署名には法的効力に差はないということです。
ちなみに私文書というのは契約書などのことを指し、賃貸住宅の賃貸借契約書もこれにあたります。
政府の進める「脱ハンコ」の流れ

新型コロナウイルス感染症の流行以降、リモートワークを取り入れる企業が増えてきました。
そんななか、自宅で仕事をしているのに契約書に押印するためだけに出社せざるを得ないという状況が生まれ、効率性や安全性の観点から議論となりました。
そこで政府は、脱ハンコを推し進める一環として、令和2年6月に『押印についてのQ&A』という文書を公開しました。
これは内閣府・法務省・経済産業省が連名で、押印に関するさまざまな政府見解を示したものです。
そのなかで、押印に代わる「文章の成立の真正を証明する手段」の提案として、
・継続的な取引関係がある取引先とのメールのやり取りの記録
・新規契約の際に運転免許証等によって本人確認を行った情報の記録・保存
・電子契約システムを用いた電子署名・電子認証サービス
上記のような例が挙げられています。
また現在、こうした新たな押印以外の方法で本人の証明や意思確認が行われるよう、法改正が進められています。
まとめ~電子契約の賃貸物件も出てきている~

いかがでしたでしょうか。
今回は賃貸契約にも必要となる押印について見ていきました。
わが国の社会において、押印は非常に多くの場面で必要な「本人の意思である証明」の手段として用いられています。
そのいっぽう、押印以外による証明手段も導入が進められており、将来的には押印という手段が主流ではなくなる時が来るかもしれません。
賃貸住宅の契約においても、まだ数は少ないものの、電子契約の物件も出てきています。
こうした動きが今後どうなっていくか、要注目ですね。
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