【桃太郎伝説の発祥は奈良県!?】ふたりの桃太郎とは?
【ふたりの桃太郎】桃太郎伝説の発祥は奈良県!?

昔話『桃太郎』で語られる桃太郎伝説。この発祥が奈良であるという説があります。
これは一体どういうことなのでしょうか。
桃太郎のモデルとなった人物は何者なのか、そして「鬼退治」とはなんだったのか。
『桃太郎』にまつわる説を、詳しく解説していきます。

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賃貸専門家:古川 真史
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桃太郎といえば岡山! ですが……

桃から生まれた桃太郎がイヌ・サル・キジをひき連れて、鬼ヶ島で鬼退治――誰もが知っている『桃太郎』のおはなしです。
この『桃太郎』ゆかりの地と言われて、多くの方が思い浮かべるのは岡山県でしょう。
ですが実は、奈良もこの桃太郎伝説と非常に縁が深い土地であることはご存知でしたか?
奈良は、桃太郎のモデルとなった人物が生まれた土地と言われているのです。
奈良から生まれたふたつの「鬼退治」

はるか昔、紀元前300年~200年前後の時代。
当時の天皇である第7代・孝霊(こうれい)天皇のもとに生まれた第3皇子・吉備津彦命(きびつひこのみこと)とその弟・稚武彦命(わかたけひこのみこと)――この二人の皇子こそが桃太郎のモデルと言われています。
そして、孝霊天皇の都があり、二人の皇子が生まれ育った地とされるのが黒田廬戸宮(くろだいおとのみや)。
ここが今でいう奈良の田原本町黒田のあたりということなのです。
伝承によれば、奈良で生まれ育った吉備津彦命らは大和朝廷の命によって吉備国(きびのくに・現在の岡山県あたり)の平定に派遣されます。
当時、吉備国は温羅(うら)と呼ばれる鬼が統治していました。
それを征伐したのが吉備津彦命、つまりこれが「鬼退治」というわけです。
ちなみに温羅の正体は諸説ありますが、一説によればすぐれた製鉄技術を持っていた渡来人ではないかと言われています。
鬼の金棒=製鉄技術の象徴ということですね。
いっぽうで弟の稚武彦命にも「鬼退治」の言い伝えがあります。
吉備国から讃岐国へやって来た稚武彦命が、瀬戸内一帯を荒らしてまわっていた海賊を征伐したというお話です。
このとき稚武彦命の海賊退治を手伝ったのが、航海術に長けた犬島(現在の岡山県岡山市)の住人、火の扱いに長けた陶(すえ)村・猿王(現在の香川県綾川町)の住人、そして弓矢の扱いに長けた雉ヶ谷(現在の香川県鬼無町佐料)の住人で、これが『桃太郎』のイヌ・サル・キジのモデルだと言われています。
そして、征伐された海賊=金銀財宝を奪う悪い鬼というわけです。
また、海賊が住んでいた女木島は鬼ヶ島のモデルとされており、島には鬼退治のお話を今に伝える「鬼無」という地名が残されています。
吉備津彦命による温羅の征伐と、稚武彦命による海賊退治。
ふたつの「鬼退治」のお話が元となり『桃太郎』の伝説になったというのが有力な説のようです。
じゃあ「桃」はどこから来たの?

ところで、桃太郎といえば桃から生まれた男の子です。
桃太郎のモデルとなったのが吉備津彦命らだとして、この「桃」というモチーフはどこから出てきたのでしょうか。
『古事記』には、黄泉の国で桃の実に助けられた伊邪那岐命(いざなきのみこと)が、この先もし苦しみ困っている人々が居たら同じように助けるようにと桃の実に頼み、意富加牟豆美命(おおかむずみのみこと)という名を与えたという神話が書かれています。
この桃にまつわる伝承と、吉備津彦命らが「困っている人々を助けたお話」が結びついて、『桃太郎』というひとつのおはなしとなったのではないでしょうか。
また、桃太郎の入った桃が「どんぶらこ」と流れてくる有名なくだりにも、モチーフと思われる伝説が田原本町にありました。
むかし大和国が洪水となった際に、初瀬川の上流から甕(かめ)に入った男の子が流れてきたというお話です。
こちらでは桃ではなく甕ですが、まさに桃太郎が川を流れてやってきた場面を連想させますね。
まとめ~あまたの伝説が残る地・奈良~

いかがでしたでしょうか。
今回は昔話『桃太郎』と奈良とのつながりについて見ていきました。
桃太郎のモデルとなったとみられる人物が奈良で生まれ育ち、また、『桃太郎』のおはなしの幕開けとなる一場面を思わせる伝説も奈良に残っているということが分かりました。
さまざまな説があるものの、たしかに奈良が桃太郎伝説の発祥であるという見方もできそうですね。
これも、数知れないほど多くの伝説が残る奈良という地の歴史深さゆえなのでしょう。
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