鹿の餌を集めるドングリ寄付ボックス
一般的に寄付を募る場合、お金であることが多いでしょう。
しかし、奈良県ではお金以外の物の寄付を募っているのですが、それは奈良公園に生息している鹿の餌であるドングリの寄付を呼び掛けているのです。
どのような内容なのか詳しく見ていきましょう。
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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
とても珍しいドングリの寄付
奈良県には期間限定でドングリ寄付ボックスが設けられているのですが、設置されている目的は、奈良公園に生息している鹿の餌の寄付を募るというものです。
奈良公園の鹿と言えば、鹿せんべいを購入して与えるのが定番となっていますが、鹿せんべいだけを食べているわけではありません。
鹿せんべいはあくまで観光客を楽しませるために、鹿に餌を与えるようとして販売している物になります。
では、普段は何を食べて生活しているのでしょうか。
奈良公園の鹿が主食としているのは、ノシバという植物です。
鹿は草食動物なので、主に草や植物の実などを食べるのですが、ノシバは鹿が食べている餌の36パーセントとなっています。
その他にも枯葉や笹などを食べているのですが、秋になるとドングリも食べているのです。
ドングリも鹿の大切な食料源となっていることもあり、奈良公園の鹿の管理に携わっている奈良の鹿愛護会という一般財団法人によって、ドングリ寄付ボックスが設置されているのです。
お金の寄付を呼び掛ける募金活動はよく見かけることがありますが、ドングリの寄付はとても珍しいと言えるでしょう。
鹿がたくさんいる奈良県ならではの光景なのですが、ドングリは知っての通り秋から冬にかけて落ちているので、ドングリ寄付ボックスの設置も期間限定で行われています。
設置されている期間は2023年の3月までとなっているので、ドングリ寄付ボックスに寄付をしたい場合には、設置期間に注意しましょう。
ドングリの種類
ドングリがなる木と言えば「クヌギの木」がよく知られていますが、クヌギ以外の木にもドングリを実らせる植物は存在しています。
「シイの木」や「ナラの木」、「カシの木」などもドングリを実らせる植物です。
ドングリを実らせる時期にも若干の違いがあるので、拾うことができる季節などを確認してみましょう。
ドングリを拾ってドングリ寄付ボックスに寄付したいと考えている人は参考にしてみて下さい。
クヌギの木
ドングリがなる木の定番と言っても過言ではないのがクヌギの木でしょう。
カブトムシやクワガタなどが採取できることもあるので、知っている人も多い木だと言えます。
クヌギの木になるドングリの特徴は、丸い形で帽子の毛がチリチリになっている点です。
他の木になるドングリと見た目が異なっているので、見分けやすいのもクヌギの特徴です。
採取できるのは9月の下旬ごろから10月の下旬ごろまでなので、他の木になるドングリよりも早い時期から拾うことができます。
シイの木
シイの木になるドングリは、種類によって少々形が異なっています。
また、ドングリを拾える時期も種類によって異なっているのですが、クヌギと同じく比較的早い時期から拾えるのはマテバシイと呼ばれている種類です。
見た目はナラの木になるドングリに似ていますが、表面がツルツルで少しふっくらとしており、帽子が複数付いているのが特徴です。
他にもスダジイやツブラジイという種類がよく知られています。
この2種類のドングリは、見た目は実が帽子にすっぽりと隠れており、帽子の先端部分がギザギザになっています。
よく見ると葉っぱのような形にも見えるという特徴があります。
スダジイとツブラジイの見た目はそっくりなのですが、拾える時期に違いがあるのです。
スダジイは10月の上旬から11月いっぱいぐらいまでが時期となっていて、ツブラジイは11月いっぱいが時期なので、ツブラジイの方が拾える時期が短くなっています。
ナラの木
ナラの木はコナラやミズナラがよく知られていますが、どちらもドングリがなります。
クヌギの木になるドングリに比べると、細長くて縦に黒くて薄い筋が入っているのが特徴です。
帽子は小さくてウロコのような模様が入っており、底の部分が膨らんでいます。
コナラもミズナラも10月の上旬から11月の上旬ごろまでがドングリを採取できる時期となっています。
カシの木
カシの木にもドングリはなるのですが、有名なところではシラカシとアラカシでしょう。
どちらも帽子に横縞が入っているのが特徴ですが、シラカシは頭の部分に段差があり、アラカシには段差がありません。
ちょっと見ただけではそれほど違いがないように思えますが、よく見るとはっきり見分けることができるでしょう。
拾える時期にも違いがあり、シラカシはツブラジイと同じく11月いっぱいになっているのに対して、アラカシは11月上旬から1月いっぱいまでとなっているため、他のドングリよりも拾える時期が長いのが特徴です。
ドングリはどこで拾えるのか
ドングリ寄付ボックスに寄付をするのであれば、まずドングリを集めてこなければいけません。
どこに行けばドングリを集めることができるのかというと、定番の場所は「公園」「山林」「学校」「街路樹」などです。
ただし、勝手に人の土地に入ったり、立ち入り禁止のエリアや保護区などで拾ったりしてはいけません。
公園
ドングリを集めやすい場所と言えば公園ですが、効率的に集めるためにはドングリを実らせる木が植えられているかを知ることが重要です。
大きな公園や有名な公園などでは、ホームページを開設していることもあるので、可能であれば事前に調べておくとよいでしょう。
ただし、木についている状態のドングリを取る、立ち入り禁止になっている場所のドングリを取ることは絶対にしてはいけません。
山林
ドングリがなっている木は、山林に植えられていることも多くなっています。
そのため、登山道などでドングリが大量に落ちているのを見かけたことがある人もいるでしょう。
山林もドングリを集めやすい場所なのですが、きちんと整備されている登山道であればより集めやすいです。
ただし、立ち入り禁止の場所に入るなどの禁止事項は必ず守る必要があります。
学校
学校にもドングリがなる木が植えられていることがよくありますが、あまり拾うのに向いているわけではありません。
なぜなら学校は関係者以外立ち入り禁止となっているのが一般的ですし、頻繁に掃除をしてしまうので、たとえ生徒や教員などであってもたくさん集めるのが難しいこともあります。
ドングリがなる木が植えられていない学校もあるので、できれば公園や山林で集めるのがよいでしょう。
街路樹
国道や県道などの広い通り沿いには、街路樹が植えられていることもありますが、ドングリがなる木が植えられている通りもあります。
しかし、ドングリがなる木が植えられている通りというのは限られています。
もし発見できたら拾うことも可能ですが、日数が経過してしまうと掃除されている可能性もあるので、早めに拾っておくのがよいでしょう。
ドングリ寄付ボックスに寄付をする方法
ドングリ寄付ボックスに寄付をしたい場合、どうすればよいのかわからないという人もいると思います。
せっかく集めても、寄付をする方法がわからなければ意味がありません。
そこでドングリ寄付ボックスに寄付をするためには、どのようにすればよいのかを紹介します。
寄付が行える場所は、奈良春日野国際フォーラム甍というバス停の付近にあるドングリ寄付ボックスに入れることが可能です。
他にも一般財団法人奈良の鹿愛護会の事務所まで直接持っていくという方法があります。
一般財団法人奈良の鹿愛護会の事務所は、奈良公園内にある春日大社のすぐそばです。
しかし、奈良県まで行くことができないけれど、ドングリの寄付は行いたいという人もいるでしょう。
このような場合には、郵送で送ることもできます。
一般財団法人奈良の鹿愛護会の事務所や送付先の住所、ドングリ寄付ボックスの詳しい場所などは、一般財団法人奈良の鹿愛護会の事務所のホームページに記載されています。
ドングリ寄付ボックスの設置は2023年の3月までとなっているので、期間が限られていることも把握しておきましょう。
【奈良の鹿の餌を集めるドングリ寄付ボックス】まとめ
奈良公園にいる鹿の餌を確保するために、一般財団法人奈良の鹿愛護会がドングリの寄付を募っています。
直接事務所へ持っていく、事務所のある住所へ送付することもできますが、ドングリ寄付ボックスに入れることも可能です。
ドングリはナラの木やクヌギの木などになるので、これらの木が生えている場所に行けば拾うことができます。
寄付ができる期間が定められているので、期間内でなければ寄付をすることができません。
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