【家造りは何に注意すべき?】2025年建築基準法改正の重要点
2025年に施行された改正建築基準法の内容や目的は?家を建てる人に影響する?詳しく解説!

2025年4月に改正建築基準法が施行されました。
建築基準法違反の責任は施工業者だけでなく家の所有者にも問われる可能性がある上、欠陥住宅で暮らすというリスクを取ることにもなってしまいます。
これから家を建てたいと思っている人も改正内容のポイントを押さえておくことで、トラブルを回避しやすくなるでしょう。
この記事では、2025年4月に施行された建築基準法改正のポイントや、家を建てたいと思っている人は改正によってどのような影響を受けると予想されるか等について、詳しく解説します。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。


今回の建築基準法改正の目的って?

2022年6月、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。
多くの方が体験している通り、近年、気温の上昇が全世界的に進んでしまっています。
また豪雨なども頻繁に発生しています。
こうした異常気象の背景には、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが急増していることがあります。
温室効果ガスは太陽から注ぐ熱を地球に封じ込める効果があり、全く存在しないと地球の温度が下がりすぎて生物は活動できなくなってしまうため、適量が存在していることが望ましい気体です。
しかし、産業革命を経て石油や石炭・天然ガスなどの化石燃料が使用されたことで二酸化炭素が大気中に大量に放出され、温室効果ガスが適量を超えて存在してしまっていることから熱がこもりすぎ、気温上昇などにつながっているのです。
このような状況下においても、世界の二酸化炭素排出量は年々増え続けています。
このままでは様々な被害が拡大していくことが予想されるため、日本をはじめ多くの国が「2050年までにカーボンニュートラルを目指す」という目標を掲げ、様々な取り組みを進めています。
「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から木などによる温室効果ガスの「吸収量」を差し引いたとき、プラスマイナスがゼロの状態を目指すことです。
建築分野の取り組みは、カーボンニュートラル達成のために極めて重要です。
例えば、冷暖房の設定温度が同じだとしても、断熱性が高い家と低い家とでは実際の室温は大きく変わってしまいます。
断熱性が低い家に住んでいる場合、より多くのエネルギーを使わないと暑さや寒さに対応することができません。
火事が起こっても延焼を防げるよう対策した上で建築物に木材を多く使用すれば、温室効果ガスの吸収量を増やすこともできます。
資源エネルギー庁の発表によれば、2023年に家庭とサービス業などの第三次産業が消費したエネルギー量は全体の約30%を占めており、家庭などの取り組みが全体に大きく影響することがわかります。
建築分野におけるカーボンニュートラルを目指すための取り組みを促進する目的で行われたのが、今回の改正です。
「省エネ対策」と「温室効果ガスの吸収の推進」が、大きな柱となっています。
具体的なポイントは?家を建てる人にはどんな影響が予想される?

この章では、今回の建築基準法改正内容のポイント3点と、それぞれが家を建てる人にどのように影響する可能性があるかについて、解説します。


4号特例が縮小された
今回の改正まで、建築物は規模や構造などによって1号~4号に分類されていました。
そして、そのうち4号に該当する木造2階建て以下等の建物については、構造審査が省略できました。
一般的な一戸建てはこの4号に該当するものが多かったため、審査の省略によって事務作業が減り、施工がスムーズにできるというメリットがありました。
しかし、 2022年6月に公布された「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」は原則として住宅を含むすべての建築物について省エネ基準への適合を義務付ける内容です。
これまで審査が省略できていた木造2階建てのような家についても、「きちんと省エネ基準を満たしているか」「(省エネ化対応をした建物はそうでない建物よりも重量が上がる傾向にあることから)構造上の安全性がきちんと担保されているか」等を確認するために、審査が入ることになりました。
審査が入ることで欠陥住宅になってしまうリスクは軽減されるものの、確認申請の際に提出する資料なども増えていることなどから、住宅施工にかかる時間はこれまでよりも長くなると予想されます。
また、申請費用も改正前より増加します。
構造計算が簡略化された
これまで、簡易な構造計算で建築できるのは「高さ13m以下かつ軒高9m以下」の建築物のみでしたが、改正後は、「3階以下かつ高さ16m以下」の建築物についても簡易な構造計算で建築できるようになりました。
3階建ての建物の最上階(3階)は、床から天井まで十分な高さが確保できないと日光の影響を大きく受けてしまい、特に夏場は部屋が暑くなってしまいます。
今回の改正で3階建ての建物についても床から天井までゆったりと高さを設けることが可能になったため、3階の暑さを和らげやすくなりました。
余裕を持ってスペースを確保できることは、デザイン面のメリットも大きいでしょう。
省エネ化等を受けた建物の重量化にともなって壁量基準等が見直された
これまで、必要壁量(地震や風などの力がかかったときに建物全体を支えられる壁の量)や柱の小径(建物を支えるためにどこまで柱を細くすることができるか)は、屋根の重さの区分(「軽い屋根」「重い屋根」のいずれか)を踏まえて決められていました。
しかし、建物の省エネ化のために太陽光パネルを屋根に設置したりトリプルガラスサッシ(3重窓)を採用したりするケースが増え、屋根そのものの重さだけを考慮して必要壁量・柱の小径を決めることが難しくなってきました。
そのため、今回の改正で「軽い屋根」「重い屋根」という区分は廃止され、建物全体の仕様に応じて必要壁量・柱の小径を算定することになりました。
近年の建物重量化の傾向に沿っていなかった基準が修正される内容なので、家を建てる人はより耐震性の高い安全な家を手に入れやすくなりました。
その他
今回ご紹介したのは2025年4月に施行された内容ですが、2024年4月に施行された防火規制に関する内容等(※)も、建設予定の家の規模などに応じてチェックしておくと安心です。
(※)国産木材の利用を促進するための法改正で、一定の条件を満たしていればメゾネット住戸内の中間床や壁・柱等を木造化することなどか可能になりました。
また、建築基準法でなく建築物省エネ法に関する内容ですが、2025年4月より全ての新築建築物について省エネ基準への適合が義務化された点にも、注意しましょう。
まとめ~施主も改正建築基準法の内容を把握しておき、トラブルを防ごう~

この記事では、2025年4月に施行された改正建築基準法のポイントや、家を建てたいと思っている人は改正によってどのような影響を受けると予想されるか等について、解説しました。
・今回の改正建築基準法の大きな柱は「省エネ対策」と「温室効果ガスの吸収の推進」である
・2025年4月に施行された改正建築基準法の内容のポイントは「4号特例の縮小」と「簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲の拡大」、「省エネ化等を受けた建物の重量化にともなう壁量基準等の見直し」である
・改正建築物省エネ法の取り扱い範囲ではあるが、2025年4月より全ての新築建築物について省エネ基準への適合が義務付けられた点にも注意
不安な点があれば工務店などにきちんと相談して、安全かつ省エネに貢献できる家を建てることを目指しましょう。


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