【マンション管理組合の仕組みって?】分譲賃貸での役割や違いを解説
「分譲賃貸」マンション管理組合はどんな組織?所有者と賃借人の関係を解説

分譲マンションを賃貸で借りると「管理組合」という存在を耳にすることがあります。
この管理組合とは一体どんな組織でしょうか。
賃貸で住む人も参加しなければならないのでしょうか。
分譲マンション特有の管理の仕組みについて、詳しく解説していきます。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。


マンション管理組合とは?

マンション管理組合とは、マンションの維持や管理のために設けられる組織です。
マンションを購入した人(区分所有者)全員が自動的に組合員となり、建物や敷地、付属施設の管理を共同で行っていく仕組みとなっています。
管理組合は、区分所有者が複数存在する時点で必ず結成されることが「区分所有法」という法律で定められています。
分譲マンションには「専有部分」と「共用部分」の2つのエリアがあり、前者は居住スペースなど区分所有者がそれぞれ所有する部分、後者は廊下・エレベーター・エントランスなど共同で使用される部分です。
専有部分は基本的に各区分所有者が自分で管理をしますが、共用部分については「誰が管理するのか」があいまいだと、清掃がおろそかになったり設備不良が起こったりして、マンションの資産価値の低下をまねくかもしれません。
そこで、管理組合を設立し、区分所有者から代表者を選出して組織的に管理を進めていくのです。
マンション管理組合の基本的な仕組み

分譲マンションの管理組合の具体的な役割などについて見ていきましょう。
管理組合の主な業務内容
マンション管理組合が担う主な業務は以下のとおりです。
①建物・敷地の維持管理
共用部分を適切に管理し、住みやすい環境を保つとともに、マンションの資産価値を守ることが大切な役割です。
清掃や設備点検などを通じて、建物の状態を良好に保ちます。
②管理費・積立金の管理
マンションの区分所有者から集まった管理費や、将来の修繕・設備投資に用いる積立金を、責任をもって管理します。
これらのお金をどう使っていくかは、理事会(後述)を中心に決定されます。
③管理規約の作成・見直し
マンションは色々な人が共同生活を送る場とも言えます。
そのため、トラブルを防ぐためのルール――「管理規約」作りが必要不可欠です。
国土交通省の定めた「マンション標準管理規約」をもとに「どの範囲を共用部分と定義するか」「共用部分はどのように使用するか」「理事会がどういった権限を持つか」などを定めます。
法律改正や状況変化に応じて、定期的な見直しも必要です。
④書類の保管
新築時の設計図や修繕履歴などの書類を適切に保管します。
これらの書類は、修繕工事や建て替え工事の際に欠かせない資料となるため、どこに保管されているかを明確にし、紛失しないよう注意が必要です。
⑤防犯・防災対策
マンション住人の防犯・防災意識を高め、緊急時におのおのが自分の身を守ったり助け合ったりする流れが生まれるよう努めます(日頃の見回りや避難訓練の実施・防災マニュアルの作成・住人間の交流を活発にするイベントの開催など)。
また、排水管や火災報知器の定期点検については、専有部分であっても、マンション全体の不具合につながる可能性があるため管理組合がメインとなって行われるのが基本です。
理事会と役員の役割
マンション管理組合の実務を推進する組織が「理事会」です。
理事会に参加できるのは、管理組合の総会で選出された理事のみとなります。
理事は管理組合員全員のなかから、立候補や推薦・持ち回り(輪番制)で選ばれるのが一般的です。 理事の主な役職には以下があります。
理事長
管理組合の代表です。
総会を招集したり議事進行を務めたりするほか、理事会の取りまとめや、外部の業者との窓口などを担当します。
代表とはいっても理事長があらゆる決定権を持つわけではなく、管理に関する重要事項は理事会での協議と総会での承認を経て決定されます。
副理事長
理事長の補佐係として業務を支え、理事長不在時には代理を務める場合もあります。
会計担当理事
積み立てられた管理費などの出納・保管・運用を担います。
専門的な知識が必要な部分は外部の管理会社に委託しているケースも珍しくなく、その場合は管理会社から提出された会計書類のチェックと収支状況の把握が主な役割となります。
監事
他の役職者が不正なく業務を遂行できているかを中立的な立場から監査する役職です。
理事会の決議に加わることはありませんが、必要があれば意見を述べ、監査結果の報告を行います。
理事会の開催頻度は月1回から数ヶ月に1回のペースが一般的です。
ただしこれは、管理組合によっても違います。
管理会社との関係
多くのマンションでは、管理業務の一部を外部の管理会社に委託しています。
理想を言えば、マンションの維持・管理は区分所有者どうしで協力してやっていくものです。
しかし実情としては、所有者それぞれに仕事や生活があるため、清掃・点検・会計などに手を回す余裕はなかなかありません。
そこで、区分所有者の負担を減らしつつしっかりと管理を行う目的で、管理会社と委託契約を結び、実務を代行してもらうのです。
とはいえ、マンション管理の主体はあくまでも管理組合です。
外部の管理会社に業務を委託するとして、どの管理会社にお願いするのか、どこまでの業務を委託するのかを決めて、責任を負うのも管理組合の役割です。
分譲賃貸における管理組合との関わりは?

では、分譲賃貸――つまり分譲マンションを賃貸で借りる場合の、管理組合との関係について、整理して見ていきましょう。
賃借人は組合員にならない
ここまでマンション管理組合について説明してきましたが、分譲マンションを賃貸で借りる場合、賃借人(借りて住む人)は管理組合の組合員にはなりません。
組合員となるのは、あくまでもマンションの所有者だけ。
つまり分譲賃貸の場合、その部屋の所有者である大家さんが組合員です。
したがって、分譲賃貸に住むとマンションの管理組合に参加しなくてはならない、ということはありません。


専有部分と共用部分で管理者が異なる
分譲賃貸を借りる場合、専有部分(借りたお部屋)と共用部分で管理者が異なる点に注意が必要です。
専有部分のこと
借りたお部屋の中で発生した不具合・家賃に関すること・退去したい時の手続きなど、専有部分に関する事項は、管理組合や管理会社ではなく大家さん(お部屋の貸主)が管理します。
これらの用件については、大家さんに連絡することになります。
共用部分のこと
駐車場を借りたい・共用部分に不具合があるなど、共用部分に関することは、管理組合または管理会社に伝えることになります。
実際には、大家さんに連絡すれば適切な窓口につないでくれることも多いですが、基本的な仕組みとして、専有部分は大家さん、共用部分は管理組合という管理の区分を理解しておくとよいでしょう。
管理が複雑になる理由
分譲賃貸では、通常の賃貸物件に比べて管理の構造が複雑になります。
通常の賃貸マンション(1棟まるごと賃貸)であれば、建物全体を1つの管理会社が管理していることが多く、何か問題があれば管理会社に連絡すれば解決に向けて動いてくれます。
一方、分譲賃貸の場合は、共用部分を管理する管理組合(または管理会社)と、専有部分を管理する大家さんという、複数の管理主体が存在します。
そのため、トラブルや問い合わせが発生した際、どこに連絡すればよいのか迷うことがあるかもしれません。
賃貸契約時には、専有部分と共用部分それぞれの管理者の連絡先を確認し、何かあった時にスムーズに対応できるようにしておくことが大切です。
管理組合が機能するメリットは

マンション管理組合が設立され、機能するメリットをまとめてみました。
分譲賃貸で住まわれる方にも無関係ではありませんよ。
①快適な住環境の維持
マンション管理組合が存在することで、共用部分の清掃や点検が計画的に実施され、快適な住環境が保たれます。
管理する組織がなければ、共用部分の管理責任があいまいになり、清掃が行き届かなくなったり、設備不良が放置されたりする恐れがあります。
管理組合が適切に機能することで、すべての所有者・居住者にとって住みやすい環境が維持されるのです。
②資産価値の保全
定期的なメンテナンスと適切な修繕計画により、マンションの資産価値を守ることができます。
メンテナンスや修繕の方針をまとめて、必要な積立金を集めるのも管理組合の大事な役目です。
個人でマンション全体の資産価値を守ることは困難ですが、管理組合という組織があることで、計画的な資産保全が可能になります。
③トラブルの予防・解決
生活上の基本的なルール・マナーを管理組合が定めることで、余計なトラブルを未然に防げます。
また、何かしら問題が発生してしまった場合も、管理組合の仲裁によって事態の悪化を防ぐことができます。
マンションの資産価値に影響するような重要な決定事項が浮上した際には、総会や理事会を通じて、多数決という民主的な問題解決方法がとられます。


まとめ~分譲賃貸の管理構造を理解しよう~

いかがでしたでしょうか。
今回は分譲マンションの管理組合について、主に分譲賃貸という視点から見ていきました。
分譲賃貸を借りる場合、賃借人は組合員にはなりません。
組合員となるのは部屋の所有者である大家さんです。
したがって、管理組合の活動や理事会への参加を心配する必要はありません。
ただし、分譲賃貸特有の管理構造は理解しておく必要があります。
専有部分(借りたお部屋)に関することは大家さんが管理し、共用部分に関することは管理組合または管理会社が管理します。
この区分を把握しておけば、何か問題が発生した際にも、適切な窓口に連絡できます。
分譲賃貸は、分譲マンションならではの高品質な建物や設備を賃貸で利用できる魅力的な選択肢です。
管理の仕組みを正しく理解することで、安心して快適な生活を送ることができるでしょう。
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