【防火地域とは何?】準防火地域との違いと確認方法を解説
防火地域・準防火地域とは?自宅の確認方法と奈良県での調べ方を解説!

「地震や水害発生時のリスクが低いエリアの家に住みたい」と考えて下調べをする方はおられるでしょうが、エリアごとの火事の広がりやすさのリスクの違いについては、そこまで注目が集まっていないかもしれません。
延焼のリスクが高いエリアは「防火地域」「準防火地域」に指定されていることについても「聞いたことがない」という方が多いかもしれません。
物件探しの際にこれらの地域に関する情報を確認することは必須ではないものの、これらの地域がどのような特徴を持つか等については、知っておいて損のない情報です。
要点まとめ
防火地域とは何?
防火地域とは建物が密集するエリアで延焼を防ぐため耐火建築が義務付けられた区域で、準防火地域とともに火災リスク対策が強化されています。
①防火地域は耐火建築が義務付けられ準防火地域は規模に応じて制限がある
②確認は不動産会社や役所、都市計画図などで行うことができる
③木造物件が少ないなど条件が異なるため物件選び時に注意が必要
この記事では「防火地域」「準防火地域」とは何か、自分が暮らしている物件や引っ越しを検討している物件がこれらの地域の中にあるかどうかはどのように確認したら良いか等について、奈良県の事例を踏まえながら、詳しく解説します。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。


防火地域・準防火地域って何?

主要駅の周辺など、建物がたくさん集まっているにぎやかなエリアに耐火性が低い建物があると、周囲の建物に燃え広がってしまい、甚大な被害へと発展してしまうリスクがあります。
そのため、特に建物が密集している地域は延焼対策を強化するよう、法律(建築基準法第61条)で定められています。
このような地域のことを「防火地域」と呼びます。
建物が密集しているエリア以外に、救急車や消防車の通り道となる幹線道路沿いのエリアも「防火地域」に指定されます。
防火地域周辺の地域は「準防火地域」に指定されることがあり、防火地域ほど厳しくないものの、建てられる建造物について制限があります。
場所によっては、さらにその周辺に「法22条区域」が設定されていることもあります(「法22条区域」については後述します)。
防火地域では原則として全ての建物を、準防火地域では一定の規模以上の建物を「耐火建築物」にしなければなりません。
耐火建築物とは、建物の主要構造部に耐火性能のある材質などが使用されており、少なくとも建築物の利用者が火災発生時に避難するまでの間は倒壊せず、近隣への延焼を防ぐことができる建築物のことです。
RC造やレンガ造、モルタル造のものが主ですが、一部の木造建築もこれに該当します。
法22条区域とは?
防火地域・準防火地域ではないものの、屋根を不燃材料でつくるか、あるいは不燃材料で覆うことが義務付けられている区域のことで「屋根不燃区域」という名称が使われることもあります。
「法22条区域」と言う名称が使われるのは、この内容を定めているのが建築基準法第22条だからです。
屋根以外に、外壁等についてもクリアしなければならない防火規制があります。


防火地域・準防火地域の確認方法は?

ご自分の家があるエリアや引っ越し先として検討しているエリアが防火地域・準防火地域の範囲内なのかどうかについて確認する方法は、複数あります。
①不動産屋に尋ねる
物件探しをしている時に気になるようであれば、不動産屋のスタッフに、引っ越し先候補の物件が防火地域・準防火地域の範囲内にあるかどうかを質問してみましょう。
②役所で尋ねる
役所の、都市計画に関する仕事を行っている部署(自治体によって名称は異なりますが「都市計画課」「都市政策課」など)の窓口でも、自分の住む家や引っ越し先候補の物件が防火地域・準防火地域の範囲内にあるかどうかを教えてくれます。
確認したいエリアの地図を持って行くと、よりスムーズに説明を受けられるでしょう。
③自分で確認する
国交省は、日本全国のどの都市に防火地域や準防火地域があるかを公表しています。
まずは自分が住んでいるエリアや引っ越しを検討している先のエリアがこれらに当てはまるかを確認した上で、当てはまった場合は「各市区町村の名前+防火地域」を検索すれば、具体的な場所を示した都市計画図にアクセスできるでしょう。
奈良県の場合
奈良県内で防火地域・準防火地域が指定されている都市は以下の通りです。
都市内のどこが防火地域・準防火地域にあてはまる場所かは、それぞれの市・町が公表する都市計画図で確認してください。
※以下は、2021年3月31日現在の情報です。
最新情報は、随時国交省のウェブサイト等でご確認ください。
【防火地域がある5都市(市もしくは町)】
・奈良市
・天理市
・橿原市
・生駒市
・王寺町
【準防火地域がある18都市(市もしくは町)】
・奈良市
・大和高田市
・大和郡山市
・天理市
・橿原市
・桜井市
・生駒市
・香芝市
・葛城市
・平群町
・三郷町
・斑鳩町
・田原本町
・高取町
・上牧町
・王寺町
・広陵町
・河合町
防火地域・準防火地域に住む人や引っ越したい人が注意すべきことは?

非防火地域の物件で暮らすとき以上に、火災の原因をつくらないように注意する
防火地域・準防火地域には耐火性が高い建物しかないとは言っても、一度火災が発生してしまうと大きな被害を出してしまう可能性があるため、非防火地域よりも高い防災意識を持っておく必要があります。
「寝たばこはしない」「カーテンや寝具は防炎のものを選ぶ」「コンセントに付着したほこりはこまめに取り除く」「消火器を設置しておく」「防火防災訓練に参加する」など、身近な取り組みから行っていくと良いでしょう。
(物件探しをしたい人)木造の物件が見つけづらいことに留意する
防火地域や準防火地域は耐火性が高い建物しか建てることができませんが、木造の物件でこの条件を満たすことは難しいので、他の地域よりも木造の物件の数が少ない傾向にあります。
「木目が見える建物が良い」等の理由で木造に限定して物件探しをしている場合、防火地域・準防火地域以外をあたった方が、条件に合う物件を見つけやすいでしょう。


【防火地域とは何?】まとめ

この記事では、「防火地域」「準防火地域」とは何か、自分が暮らしている物件や引っ越しを検討している物件がこれらの地域の中にあるかどうかはどのように確認したら良いか等について、奈良県の事例を踏まえながら解説しました。
・建物が密集しているエリアなど、火事が発生した際に延焼の被害が大きくなると見込まれる地域は「防火地域」あるいは「準防火地域」に指定される
・防火地域では原則として全ての建物を、準防火地域では一定の規模以上の建物を、耐火性能の高い「耐火建築物」にすることが義務付けられている
・準防火地域の周りに、屋根を不燃材料でつくるか、あるいは不燃材料で覆うことが定められている「法22条区域(屋根不燃区域)」が設けられている場合もある
・防火地域や準防火地域で暮らす人は、非防火地域の物件で暮らす人以上に火災発生予防に努める必要がある
・防火地域や準防火地域では、木造の物件は探しづらいので注意が必要
・自分の家や引っ越し先が防火地域・準防火地域の範囲にあるかどうかは、不動産屋や役所に質問すれば確認することができる
・どの都市に防火地域・準防火地域があるかは、国交省のサイトで確認することができる
・具体的な防火地域・準防火地域の範囲は、各自治体が公開している図などで確認することができる
防火地域にある厳しい耐火基準をクリアした建物に住んでいる人であっても、火の用心を怠って良いわけではありません。
一度火災が発生してしまうと、非防火地域で火災が発生したとき以上に大きな被害が出てしまう可能性が高いからです。
火災の原因をつくらないように、身近なことから取り組んでいきましょう。
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