【耐火建築物とは?】自宅の火災対策レベルはどのくらい?
自宅の火災対策レベルはどのくらい?耐火建築物とは?

現在住んでいる家やこれから購入を検討している家、万が一に備えて自宅が火災に強い造りであることは理想ですが、自宅の火災対策は大丈夫ですか?
建築物の火災対策に関する基礎知識から、耐火構造と防火構造の違いをしっかりと身に付けましょう!

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賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界12年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
耐火建築物とは?

耐火建築物とは、建築基準法で定められた耐火性能の条件を満たす建築物を指します。
火災発生時、その火や熱に対して主要構造部(柱、梁、床、屋根、壁、階段など)が耐火性能を持ち、万が一火災が発生しても一般的な消火活動時間内での消火完了後でも倒壊などを起こさない構造の建物です。
さらに、耐火建築物で火災が発生しても、近隣の建物へ延焼しないような構造も有していることが条件です。
また、火災の規模によっては主要構造部まで損傷が及ばず、修繕等で再利用ができるような構造になっていることも特徴のひとつです。
細かな内容は省き、耐火性能として規定されている一部を抜粋しました。
・壁、柱、床、梁の主要構造部が火災の炎熱に晒されても、1時間は溶解や破損などを起こさず建物の自重に耐える
・高層の建物ほど下層の柱や梁の耐火性能が上がり、15階以上建物であれば最大3時間の炎熱に耐える
いずれも、その建築物から利用者が安全に非難ができることや、倒壊によって隣接する建物に被害が出ないことが基準とされています。
耐火建築物は主に鉄筋・鉄骨造の建物に多く、高層建築に多く見られます。
主要構造部である軸組を被う素材として耐火性能の高いコンクリートやモルタルなどが用いられるため、主要構造部が必ず太く厚くなります。
そのため、一般的な戸建住宅や低層の集合住宅などにはあまり用いられず、高層マンションや公共施設、商業施設のような高層建築に用いられます。
建物の密集する都市部などでは、建物の建築予定地域が都市計画法で定められた防火地域である場合、3階建以上もしくは延床面積が100㎡以上の建築物は耐火建築物にする必要があるなど、法律によって定められている場合もあります。
準耐火建築物とは?
耐火建築物以外に、準耐火建築物という構造の建築物があります。 耐火建築物は準耐火建築物の上位に当たるものですので、準耐火建築物の耐火性能は耐火建築物と比べて少し劣ります。
耐火建築物と異なる点は、準耐火構造は「通常の火災による延焼を抑制するために必要とされる性能」とされており、倒壊を防ぐ耐力までは有しない点です。
ただし、防火地域などでは2階建以下で100㎡以下、準耐火地域では3階建以下で500㎡超~1500㎡以下の建物が準耐火建築物とするように定められています。
そのため、高層建築物では必然的に耐火建築物に、低層の建物が準耐火建築物になります。
耐火建築物よりもコストが抑えられることもあり、該当地域に建てられる住宅用物件は準耐火建築物の条件を満たすものが多くなる傾向があります。
耐火構造と防火構造は何が違うの?

耐火構造と防火構造はよく似ているように感じますが、実際にはその意味合いが大きく異なります。
先に説明した「耐火建築物」の条件にある耐火性能の内容から分かるように、耐火性能とは実際に火災が起こった建物がどの程度火災に耐えられるのかに基準を設けた性能です。
規定の基準を超える素材として、鉄筋やコンクリートなどの燃えにくく熱で変形しにくい素材が主要構造部に用いられていることが 耐火構造の前提です。
また、耐火構造は燃えにくいことで火災が広がりにくくなり、結果的に火災による被害を最小限に食い止める造りになります。
それに対し防火構造とは、外部の火災が建物に燃え移らないようにするための構造で、主に外壁や開口部である窓や扉に用いられるものです。
例えば隣の建物で火災が発生しても、一定の時間はその炎が燃え移らず、熱も伝わりにくいような防火性能を持つものが防火構造と呼ばれます。
耐火建築物と同様に防火構造と準防火構造の2種類があり、防火構造は準防火構造よりも長い時間火災の炎熱に晒されても耐えられる性能をもちます。
ただし、 耐火構造とは異なり、防火構造のみを持つ建物の場合は建物内での火災に耐えられる構造では無いため、内部での火災による建物の倒壊の危険性があります。
自分の住んでいる建物が耐火建築物かどうかは分かるの?

先の説明通り、耐火建築物は高層建築などで多く見られるもので、一般的な戸建住宅や3階建以下の建物ではあまり見られません。
都市計画法で定められた防火地域でも、2階建までの建物であれば耐火建築物にする必要は無いため、建設コストを抑えるために耐火建築物にしなくても良い条件で建てられることも良くあります。
では、自分の住んでいる建物が耐火建築物かどうかはどうやって調べれば良いのでしょうか?
・昭和35年以降に建てられている(2020年時点で築59年以内)
・地上4階建以上の建物
・3階以上の階が共同住宅になっている
この3つの条件をすべて満たす場合、その建物の耐火基準は「耐火建築物」、建築構造区分が「マンション構造」となるはずです。
「マンション構造」は耐火建築物であることが条件であるため、自分の住んでいる建物が「マンション構造」であれば同時に耐火建築物であるとも言えます。
条件を満たさない場合は耐火建築物ではないの?
上記の3つの条件をすべて満たさない場合、その建物は耐火建築物ではない可能性が高いです。
ただし、珍しいとは言っても鉄筋コンクリート造の場合であれば耐火建築物である可能性もあれば、耐火性能が劣るものの準耐火建築物となっている場合もあります。
詳しい耐火性能が気になる場合、賃貸契約書や不動産賃貸業者が作成した資料、契約時に 火災保険に加入している場合は保険証券に耐火基準に関することが記載されている場合がありますので、そちらを確認してみると良いでしょう。
「準耐火」や「簡易耐火」、その他には「省令準耐火」といった記載があれば、準耐火建築物であると言えます。
書類にそういった記載がない場合でも、賃貸物件であればオーナーさんや管理会社へ問い合わせれば確認できます。
耐火建築物でなければ危険なの?

自分が住んでいる建物が耐火建築物でも準耐火建築物でもなかった場合、危険なのでしょうか?
消防庁の統計によって、火災全体の7割ほどの原因が「たばこの火の不始末」「コンロの消し忘れ」「敷地内でのたき火」などに代表される失火(過失による火災)であると分かっています。
コンセントなどにホコリがたまって起こるトラッキングによる火災もキチンと掃除をしていれば防げるため、失火という扱いになります。
なによりも失火を起こさないことが火災を防ぐことに繋がる、ということです。
耐火建築物はあくまでもその建物内での火災に強く、近隣の建物への延焼を防ぐための性能です。
耐火構造は万が一への備えであると考えて、まずは火災を起こさないことが何より大切になるでしょう。
【耐火建築物とは?】自宅の火災対策レベルはどのくらい?まとめ

火災は家そのものや家財を失ってしまうことのある非常に危険な災害です。
火災への備えとして耐火建築物を選んで住むことは可能ですので、心配でしたら物件探しの際の条件に「耐火建築物」を加えておくことも良いでしょう。
さらに、一般的に耐火建築物は火災保険料が安くなるなど、安心感以外のメリットがあることもポイントです。
ただし、火災への対策以上に火災を起こさないことが大切ですので、普段から火の始末には心がけるようにしましょう。
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