点検の時、お部屋まで入ることがある?
マンションでは時に、「消防設備点検のお知らせ」と言う張り紙が貼られることがあります。
ひょっとしたら、マンションによっては回覧板でお知らせが回ってくるところもあるかもしれませんね。
消防設備点検とはそもそも何なのか?住民にも関係があるのか?点検には住民も参加しないといけないのか?
住民の参加が必要で家にいないといけないとなると、仕事などで都合がつかない場合にどうすればいいのか?他の日に振り替えてもらうことが可能なのか?など…さまざまな疑問が湧いてくることと思います。
そこで今回は「消防設備点検」とはどんなものなのか解説します。
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担当者:木原一憲
趣味は休日バイクでツーリングすること!不動産キャリア20年以上の経験と奈良生まれ奈良育ちの知識を活かし奈良の情報を語ります!
消防設備点検とは
マンションには消火器や自動火災、報知、避難器具、誘導灯などの様々な消防設備が備え付けられています。
万が一火災が発生した場合、これらの設備が正常に作動しなければ大変なことになります。
最悪の場合人命に関わることも…。
「いざと言う時に確実に使える状態である」ことを確認するために、マンションでは定期的に消防設備の点検を行い、その結果報告書を消防署に提出することが消防法で決まっています。
この点検を怠ると、消防署から指導を受けることとなり、さらには罰則も設けられています。
マンションにおいての消防設備点検の頻度は、機器点検が半年に一回、総合点検が1年に一回となります。
総合点検では全部または一部の消防設備を作動させ、機能が正常に働くかどうかを確認します。
確認の内容は、具体的には非常ベルを実際に鳴らしてみる、避難はしごを作動させると言うものです。
入居者が在宅する理由は
そして消防設備は、共用スペースにのみ付いているわけではありません。
各居室には感知器などの総合設備が付いています。
多くは、キッチンスペースやリビングスペースに火災感知器が取り付けられていることでしょう。
消防設備点検では、各居室の設備の点検も行われるため、検査員が各居室に入る必要があります。
消防設備点検の実施について、実施日のお知らせを貼り出し、「点検の際には在宅しておいてほしい」と言われるのはこのためです。
消防設備点検自体は数分で終わります。
消防設備点検では検査員がお部屋に入ります
消防設備点検の日程がわかれば、なるべくスケジュールの都合をつけておくのが望ましいです。
前述のとおり、点検は数分で終わるので、まる一日スケジュールを開ける必要はありません。
もし予定があるなら、不在になる時間を前もって管理会社またはオーナーに伝えておくといいでしょう。
管理会社によっては消防設備点検時の基準として、半分以上~8割程度の入室点検でOKなど全室入室する必要はないとしている場合があります。
そのため、どうしてもはずせない予定がある場合は、その旨、管理会社やオーナーに相談するのが最適です。
点検状況によっては入室の必要がなくなるかもしれません。
ただし、このような場合で消防設備点検ができなかった場合は次回の点検時にはぜひ協力していただくことをおすすめします。
消防設備点検の参加は、あくまで努力義務であり、立ち会えなかったからといって、罰則を受ける事はありません。
ちなみに、長期で消防設備点検が行われなかった場合、マンションの規約違反になる恐れがあります。
また、仮に消防設備の不備があったとしても点検にて気づかれず放置された状態になってしまいます。
このような状態で万が一火災被害が出てしまった場合、不法行為に該当する恐れや、賠償責任等が発生する可能性もあります。
入居者不在でもOKな場合
入居時の契約書を確認してみましょう。
賃貸物件の契約の際「消防等の点検時に不在とする場合、事前告知のもと入室」といった項目はないでしょうか。
これに同意していると、入居者が不在でも管理会社やオーナーが入居者の代わりに消防設備点検に立ち会い、検査員をお部屋に入れて点検が可能です。
自身の不在中にオーナー等がお部屋に入ることが不快でなければ、さほど心配する事はありませんが、もし抵抗があるならできるだけ予定を合わせて一緒に立ち会うようにしましょう。
またこれは稀なケースではありますが、取り付けられている消防設備が自動支援機能付き環境地域や遠隔試験機能付き火災感知器であれば、入室しなくても検査ができるため、入室不要となる場合があります。
その場合はスケジュールを気にしなくてもいいかもしれませんね。
消防設備点検にまでにやっておくこと
自分の部屋のどこに火災感知器などの消防設備が付いているかを確認しておきましょう。
多くは居室に火災感知器、ベランダに避難はしごがある、という感じでしょうか。
もし押し入れやクローゼットの中に火災感知器が付いている場合は、扉がスムーズに開くように、荷物を整理して検査員が入るスペースを作るようにしましょう。
また、ベランダの避難はしごの周りにたくさんものを置いてある人は片付けておきましょう。
マンションのベランダは、住民全体が共同で使用するスペースとなります。
そのため本来ならば、ベランダに私物をたくさん置くのは望ましくありませんので、普段からベランダでどうしても必要なもの(物干しざおや専用サンダルなど)以外は置かないようにしましょう。
そのほか、ベランダにある緊急避難口という、隣人のベランダとの間に設置されている、緊急時に破って避難できるようになっている壁または仕切りのようなものがあるでしょうか。
緊急避難口のそばに物がおいてあったり、避難口をふさぐような形でものが設置されていたりといった場合も片付けておきましょう。
緊急避難口については、消防設備点検で点検する設備の中には入っていませんが、点検の際に指摘されることがありますので気をつけてください。
あとは…部屋の散らかりが気になる方は、片付けておくと精神衛生上いいかもしれませんね。
ただ、検査員はあくまで消防設備をチェックしているので、部屋のすみずみまでは見ていないことがほとんどです。
気合を入れて掃除しなくても大丈夫です。
消防設備点検はどんなことをするの?
消防設備点検では、部屋に設置されている消防設備が正常に動作するかどうかをチェックします。
おもに自動火災報知設備の感知器の個数を確認したり、専用の試験器を使って直接感知器に熱や煙を送って反応を確かめたりします。
避難はしごがある場合は、避難のさまたげになるものがないか、はしごを降ろす際に邪魔になるものがないか、はしごそのものの機能に問題がないか、などを確認します。
【マンションの消防点検とは】まとめ
消防設備点検とは、マンションで行なわれる消防設備の定期点検で、半年または1年に一回行われます。
各居室の設備点検が必要な場合は、できるだけ在宅で立ち会うことをおすすめします。
どうしても予定を合わせるのが難しい場合は管理会社またはオーナーに相談しましょう。
消防設備は、いざという時に正常に作動して初めて力を発揮します。
できるだけ「その時」は来てほしくありませんが「その時」に「使える」状態で入居者・関係者の命を守れるようにしたいものです。
マンションでは1年に一回などのペースで避難訓練も行われます。
こちらもできるだけ参加し、いざという時慌てず避難できるよう心構えができるようにしておくといいですね。
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