ブレーカーについて詳しく知る
建物内には必ずブレーカーが設置されていますが、どこに取り付けられているか、どのような物なのかを知っておく必要があります。
最低でも設置場所ぐらいは知っておかないと、ブレーカーが落ちたときに自分で対処することができなくなります。
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担当者:内田紘一
宅地建物取引士保有で業界10年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。
ブレーカーと分電盤の違い
一般的にブレーカーと呼ばれている物は、人によっては分電盤と呼ぶことがあります。
何か違いがあるのかというと、ブレーカーというのは、規定の電流をオーバーした場合などに電源が切れるようになっているスイッチのことです。
ブレーカーには漏電ブレーカー、安全ブレーカー、アンペアブレーカーの3種類があり、電気を安全に使用できるように取り付けられているのです。
このブレーカーと呼ばれているスイッチや電気を送るための回路、コンセントなどをひとまとめにしておく箱を分電盤と言います。
ブレーカーはスイッチ、分電盤は複数のブレーカーが設置されているプラスチックの箱のことを指しますので、どちらも同じような物だと思って間違いありません。
電気工事などの業者であればともかく、一般の人であればそこまで詳しく知らなくても大丈夫です。
人によってブレーカーを上げる、分電盤のスイッチを上げるなど、多少言い方が異なる場合もあるでしょうが、基本的にはブレーカーも分電盤も一緒の意味だと捉えてよいでしょう。
賃貸住宅でブレーカーが取り付けられている場所
ブレーカーがどこに取り付けられているか確認する最もよい方法は、内見のときにこちらから場所を聞いておくことですが、聞き忘れてしまう人もいるでしょうし、あまり意識をしていない人もいるでしょう。
しかし、ブレーカーの場所がわからないと、電気を使い過ぎたときにスイッチを入れて電気を復旧させることができなくなります。
では、どこにブレーカーが取り付けられていることが多いのかというと、「玄関」「キッチン」「廊下」「洗面所」になります。ときどき「その他の場所」にも設置されていることがあります。
玄関
賃貸住宅でもワンルームや1Kなど、比較的狭い部屋の場合は玄関に取り付けられていることが多くなっています。
もちろん広い部屋の賃貸住宅であっても、玄関に取り付けられていることはあります。
なぜ玄関にブレーカーが取り付けられていることが多いのかというと、配線コードが短くて済むからです。
配線コードが短ければ、それだけ経費を節約することができますし、工事の手間も少なくすることができます。
また、長期間留守にするときや、災害が発生したときには、ブレーカーを落とす必要が出てくることもあります。
引っ越しをしたときも最後にブレーカーを落とすのが一般的なので、スムーズに上げ下げすることができることから玄関に設置されていることが多いと言えるでしょう。
しかも玄関なら分電盤があってもそれほど不自然になりませんし、ある程度高い位置に設置しやすく、子供がいたずらをしてしまう心配も少ないなどの理由もあります。
キッチン
ワンルームのマンションやアパートの場合には、部屋とキッチンが一体化しているので、キッチンにブレーカーが設置されているケースもあります。
もちろんワンルーム以外の物件であっても、キッチンにブレーカーが設置されていることはありますが、キッチンは料理をするだけではなく、冷蔵庫や電子レンジと言った調理関連の家電を置いておく人も多いでしょう。
特に電子レンジは比較的高い電力を使用するので、寒い季節や暑い季節など、エアコンと併用するとブレーカーが落ちることもあるのです。
そんなときに、キッチンにブレーカーが設置されていれば、すぐに電気を復旧させることができます。
ただし、ブレーカーが落ちたときと同じような使い方をすると、また同じようにすぐブレーカーが落ちてしまうので、電子レンジを使うときには一時的にエアコンを切るなどの対策をしておきましょう。
廊下
ブレーカーは廊下に設置されていることも多くあります。
廊下は複数の部屋を繋ぐための道なので、どこの部屋をメインで使っていても、移動する際には通る場合が多いでしょう。
多くの人が通る場所だからこそ、廊下に設置をしてブレーカーの上げ下げを行いやすくしているのです。
廊下に設置されている場合には、高い場所ではなく多少低い場所に設置されている物件もあります。
特に部屋数が多い物件に住んでいる場合、ブレーカーの場所がわかりにくいこともあるので、事前に確認しておくと安心です。
洗面所
物件によっては、洗面所の入り口付近にブレーカーが取り付けられていることもあります。
洗面所の中に取り付けられていることは少なく、通常は入り口付近の外側に取り付けられています。
玄関から近い場所に洗面所が設けられている物件では、玄関と洗面所の入り口の中間ぐらいの場所に設置されていることもあるでしょう。
高い場所に取り付けられているケースが多いのですが、高い場所だと掃除が行き届かないことも多いので、定期的にホコリを落とすぐらいの簡単な方法でもよいので掃除を行っておきましょう。
その他の場所
ブレーカーが取り付けられていることが多い場所は、今まで紹介した玄関やキッチン、洗面所の入り口付近や廊下などが多くなっています。
しかし、まれにこれとは別の場所にブレーカーが取り付けられていることもあるのです。
通常は高い場所に設置されていることが多いのですが、ときどき低い場所に設置されていることもあります。
収納の中に設置されているなど、わかりにくい場所に設置されている物件もあるので、内見のときに確認をしておきましょう。
もしくは引っ越しをした当日に、大家さんに挨拶をするついでに聞いておくのもおすすめです。
ブレーカーが落ちてしまう原因
ある日突然ブレーカーが落ちてしまったという経験をした人もいるでしょう。
ブレーカーが落ちるのには必ず原因があります。
そこでどのような原因があるのか、落ちたときにはどうするべきなのかを解説していきます。
ブレーカーが落ちる原因は主に「電気の使い過ぎ」「漏電」となります。
電気の使い過ぎ
ブレーカーが落ちる原因の多くが電気の使い過ぎです。
電気を使い過ぎると、ブレーカーは安全のために自動的に落ちるようになっています。
ブレーカーによって部屋ごとに落ちる場合と、室内全体が落ちる場合があります。
いずれもブレーカーを上げることで復旧することが可能ですが、頻繁に落ちるようならアンペア数に対して使用している電気の量が多くなっています。
ちなみに電気を使い過ぎた場合には、アンペアブレーカーか安全ブレーカーが落ちているはずです。
東京電力などのエリアの1人暮らし向けの賃貸住宅の場合には20アンペアか30アンペア、家族向けの賃貸住宅であれば30アンペアか40アンペアになっていることが多いです。
最近はオール電化の物件も増えているので、契約しているアンペア数が低く、すぐにブレーカーが落ちてしまうようであれば、管理会社や大家さんに相談をしてみるのもよいでしょう。
ただし、最大容量に縛りがある場合や、大きな工事が必要になるケースもありますし、退去時には元のアンペア数に戻す必要が出てくることも多いので、自己判断で勝手に変更してはいけません。
東京電力などは上記で触れたようにアンペア契約となっていますが、関西電力の場合は、アンペア数ではなく何キロワットまでいくらという料金形態になっています。
例えば15キロワットまでなら341.01円という感じです。そのため、関西電力では従量電灯Aと従量電灯Bの料金プランしか設けられていないため、一般家庭の場合には通常従量電灯Aのプランを利用するのが一般的です。
従量電灯Bというプランは、電気をかなりたくさん使用する人向けのプランとなっています。
漏電
築年数がかなり経過している物件などでは、それほど電気を使っていないのに、ブレーカーが落ちてしまうこともあります。
このような場合、漏電が考えられます。
ブレーカーは漏電による事故を防ぐ目的もあるので、電気をあまり使っていないのにブレーカーが連続して落ちた場合には、そのまま使い続けるのは危険です。
漏電か電気の使い過ぎかを見極める方法として、ブレーカーの種類で判断する方法があります。
ブレーカーには大きく分けて3種類存在しており、安全ブレーカーかアンペアブレーカーが落ちていれば、電気の使い過ぎだと判断できます。
それに対して漏電ブレーカーが落ちている場合には漏電が原因なので、そのままブレーカーを上げてすぐに電気を使うのは避けるべきでしょう。
素人がむやみにいじると危険なので、漏電ブレーカーが落ちたら電力会社に連絡をしておきましょう。
修理や交換が必要になるのが一般的なので、管理会社や大家さんにも連絡をしておく必要があります。
【ブレーカーの設置場所はどこ?】賃貸の入居時と落ちた時に困らない為に確認しよう!まとめ
ブレーカーは主に玄関や廊下、洗面所の入り口付近やキッチンに設置されていることが多くなっています。
通常は上の方に設置されているので、少し見上げるような感じで探すとすぐに見つけられるでしょう。
しかし、物件によっては収納の中などに設置されていることや、比較的下の方に設置されていることもまれにあるので、事前に確認しておくと安心です。
また、ブレーカーが落ちたときには、どこのブレーカーが落ちたのかを確認し、安全ブレーカーやアンペアブレーカーなら電気の使い過ぎ、漏電ブレーカーが落ちたら漏電していることを意味しているので覚えておきましょう。
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