備えつけのガスコンロは勝手に修理・交換してもいいの?
賃貸住宅で入居時から備えつけられているガスコンロ。
もしこれが故障した場合、どのように対処すればよいのでしょう。
勝手に交換しても構わないのでしょうか。
ガスコンロに不具合があった時の流れを、故障かどうかの確認方法も含めて詳しく解説していきます。
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担当者:安達竜哉
特技は少林寺拳法!趣味は愛車のお手入れです!奈良の不動産情報に詳しい私が賃貸情報や暮らしに関する事などお役立ち情報を配信していきます。
勝手に修理や交換はNG!
賃貸のマンションやアパートなどでは、物件によっては初めからガスコンロが備えつけられている場合があります。
入居時に自前で用意する必要がなくなるのでありがたいものなのですが、万が一それが壊れてしまったら、自分で好きに修理したり交換したりしてよいものなのでしょうか。
結論から言えば、勝手にガスコンロの修理や交換をしてはいけません。
ガスコンロに限らず、お部屋にあらかじめ備えつけられている設備は、多くの場合物件のオーナー――いわゆる「大家さん」の持ちものという扱いになっています。
ですから、ガスコンロが故障したからといって持ち主である大家さんの許可なく修理・交換をするのはまずいことです。
生活に必要なものですからすぐにご自身で対処したい気持ちもあるでしょうが、ぐっとこらえて、まずは物件の管理会社もしくは大家さんに連絡するようにしましょう。
お部屋の設備としてあらかじめ置かれていたガスコンロに修理もしくは交換の必要があると分かれば、ほとんどの場合は大家さんが修繕義務にもとづいてその費用を負担する流れになります。
入居者ご自身の負担を避ける意味でも、すぐに故障の旨を大家さん側に伝えるのは大事なことなのです。
本当に故障?まずはチェック
いきなりガスコンロの火がつかなくなった!
でもこれ、ガスコンロの故障ではない場合もあります。
一旦落ち着いて、次の点をチェックしてみましょう。
①ガス臭くないか
まずはこのチェックが重要です。
キッチン周りやお部屋がガス臭くなっていないか、よく注意を払ってみてください。
もし強いガスの臭いを感じる場合は、どこからかガスが漏れているおそれがあります。
この場合は火災など重大な事故のリスクがありますので、ご自身で何とかしようとせずに、すぐに管理会社と、契約されているガス会社へ状況を伝えましょう。
②エラーコードが出ているかどうか
ものによりますが、機器に何かしらの不具合があった時にエラーコードが表示されるタイプのガスコンロがあります。
どんなエラーコードが出ているかによってどのような不具合が起きているかを特定できますので、おかしいなと思ったらまずエラーコードが出ているか、出ていればその内容を確認しましょう。
修理や交換が必要な故障ではなく、比較的簡単に対処できる不具合かもしれません。
エラーコードがどんな不具合を意味しているかは、ガスコンロの取扱説明書やネットで調べることができます。
メーカーによってコードの意味する内容が異なりますので、ネットで調べる場合は『〇〇〇(メーカー名) ガスコンロ エラーコード』などと検索してみてください。
エラーコード以外に、ブザー音で不具合を知らせる機種もあります。
どんな不具合でどんなブザー音が鳴るかは、その機種の取扱説明書を見てみましょう。
③点火を試みて火花が飛ぶかどうか
ガスコンロの点火ボタン・点火つまみを操作した時に、コンロの「口」のところに火花が飛ぶかどうかも見てみましょう。
火花が飛ばない場合は、「電極(点火プラグ)の汚れ」や「本体の電池切れ」が原因の可能性があります。
まず電極とは、本来火花が飛ぶところにあるパーツがそれです。
これが汚れていると着火しなくなる場合がありますので、歯ブラシなどで汚れをこすり落としてみてください。
本体の電池切れも着火しない原因としてありがちで、意外と見落とされやすいものです。
機器についている電池交換サイン(ランプ)が点灯や点滅していないかをチェックし、電池を新しくしてみましょう。
いっぽう火花が飛ぶのに火がつかない場合は、ガスの供給に問題がある可能性が高いです。
次の手順として、ガス給湯器のリモコンが点灯しお湯が出るかどうかをチェックしてみてください。
給湯器のリモコンが問題なく点灯しお湯が出る場合は、ガスコンロへのガスの供給にのみ問題が発生していると考えられます。
コンロの周辺もしくはコンロ下にある、ガスの元栓が閉まっていないか確認をしてみましょう。
給湯器のリモコンがつかずお湯が出ない場合は、お部屋へのガス供給そのものが止まっていると考えられます。
地震などの影響でガスメーターが自動的に閉まり、ガスの供給がストップすることがありますので、ガスメーターの復旧を試みてください。
一般的な都市ガスのガスメーターの復旧方法としては、まずガスを使っている機器をすべて止め、ガスメーターの復帰ボタン(ランプ点灯部の横にあります)のキャップを回して外します。
このときメーターのガス栓は開けたままの状態にしておいてください。
ちなみにメーターのランプが赤く点滅しているのは「ガスが止まっている」というサインです。
キャップを外したら復帰ボタンを指でしっかり押しこみ、2秒間長押ししてからゆっくり指を離しましょう。
この際、メーターの赤いランプが点灯し、また点滅を始めます(ランプはつかないこともあります)。
そうしたらキャップを戻して3分待ってみましょう。
ランプの点滅が消えていたら、ガスが復旧したサインです。
もしご自身でガスの復旧作業をするのが不安であれば、契約されているガス会社に連絡して対処してもらうのもひとつの手です。
できるだけ早く対応してもらうためのポイント
もろもろの確認・復旧作業をしてみても上手くいかず、「やはりガスコンロの故障の可能性が高い」となれば、先に述べたように管理会社や大家さんに連絡をすることになります。
この際、できるだけ素早く対応してもらうためのポイントは、「ガスコンロ本体の型式とガス種」「不具合の症状や状況」の2点を確認して伝えることです。
管理会社も大家さんもガスコンロの詳細まで把握しているケースは少ないので、連絡の際にこれらの情報をきちんと伝えておくことで、大家さん側と修理・交換の業者さんとの話がスムーズになり、素早く対処してもらえる可能性が上がります。
本体の型式とガス種については、電池ケースふたの裏側に貼ってあるラベルに書かれていることが多いです。
さらに、一緒に記載されている製造年月まで伝えておけば、修理か交換かという判断をしてもらいやすくなります。
不具合の症状や状況については、具体的にどんな問題が発生しているのか(火がつかない、すぐ火が消えるなど)、いつからそうなっているのか、ガスの復旧などすでにどんな対処を試みたかなどを詳しく伝えましょう。
合わせて、具体的に困っていることや、業者さんに来てもらって立ち会いが可能な日程なども伝えておくと、より対応が早くなるかもしれません。
修理・交換費用が入居者負担となるケースも…
あらかじめお部屋に備えつけられていたガスコンロの修理・交換にかかる費用について、ほとんどの場合は大家さんが負担する義務があるとお伝えしました。
ですが、場合によっては入居者側の負担となってしまうケースもあります。そのいくつかの具体例をご紹介いたします。
①ガスコンロを勝手に修理・交換した場合
管理会社や大家さんを通さず、入居者が独断で備えつけのガスコンロを修理・交換してしまった場合、かかった費用はすべて入居者の負担となる可能性があります。
仮にそうならなくとも、賃貸に備えつけられた設備は大家さんの所有物ですので、故障の際に勝手な判断で対処するのはやめましょう。
②入居者の過失で故障した場合
大家さんに修繕義務があるのは、経年劣化による故障の場合です。
明らかに経年劣化によるものではない、入居者の故意や不注意による故障への対応にかかる費用は、入居者負担となるでしょう。
必要なお掃除やメンテナンスをしなかったり、調子が悪いのに放っておいたりした結果の故障も入居者の過失となりますので、日ごろのお手入れは怠らないようにしましょう。
③賃貸借契約の特約で入居者負担と定められている場合
入居時に結ぶ賃貸借契約の内容によっては、たとえ経年劣化でもお部屋の設備の修理・交換にかかる費用は入居者が負担すると決められているケースもあります。
そういった特約がないか、一度ご自身の契約内容をよく確認してみることをおすすめします。
④前の入居者の残置物だった場合
入居時にガスコンロが取りつけてあっても、大家さんが所有する備えつけの設備ではないこともあります。
前の入居者が置いていったもの――いわゆる「残置物」だったケースです。
それが残置物であれば、故障した際に大家さんが修繕義務を負うことはなく、入居者負担での修理・交換となることが一般的です。
ガスコンロに限らずエアコンなどが最初からあった場合、備えつけの設備なのか残置物なのか、また故障の際は誰が負担することになるのか、事前にきちんと確認しておくと、トラブルの回避につながります。
まとめ~何かあればすぐに管理会社や大家さんに連絡を~
いかがでしたでしょうか。
今回は賃貸住宅に備えつられているガスコンロの故障とその対処方法について見ていきました。
賃貸物件の持ち主はあくまで大家さんです。
設備の故障に限らず、もし入居している部屋に何かしら問題が発生した場合は、素早く管理会社や大家さんに連絡することを心がけましょう。
入居者様ご自身で何もかもに対処しなくてよいのは賃貸に住む大きなメリットですから、ご自身が気持ちよく生活していくためにも、オーナー側との風通しは良くしておくのが理想的です。
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