【賃貸の法定更新とは?】成立する条件と借主側の注意点を解説!
賃貸物件の法定更新とは?成立する条件と借主側の注意点などを解説!

賃貸物件を長年借りている方であれば、物件の更新手続きをしたことがある方も多いでしょう。
この「更新」にはいくつかの種類があることはご存知でしょうか?
要点まとめ
賃貸の法定更新とは?
法定更新とは、借主が住み続けていて貸主が正当な理由で更新を拒否しなかった場合に、契約が法律上そのまま更新されたものとみなされる仕組みです。
①普通借家契約で、借主が引き続き物件を使っている場合に成立する
②貸主と借主が合意して行う更新ではなく、法律に基づいて更新される
③原則として更新後は契約期間の定めがなくなる
④借主は退去したい場合、原則3ヶ月前までに解約通知が必要になる
⑤家賃滞納や騒音など借主側に重大な問題がある場合は退去を求められることがある
この記事では、その中の特に「法定更新」について、どのような更新を指すのか、借主側が気をつけるべきことはあるのか等について、詳しく解説します。



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賃貸専門家:内田紘一
資 格:宅地建物取引士
宅地建物取引士保有で業界12年以上のベテラン!先読みする性格を武器に数多くの賃貸媒介をこなし、特に学生では成約数TOPクラスの実績。休日の日は家族・愛犬と車中泊をしながら、各地の有名観光地巡りなどドライブをする事が趣味です。奈良市はもちろん、生駒市・大和郡山市など、エリアを問わず奈良に詳しい賃貸専門家の内田がご紹介します。
賃貸物件の「法定更新」って何?

そもそも更新とは何?
まず、賃貸借契約には「定期借家契約」と「普通借家契約」の2種類があります。
定期借家契約とは、その物件を借りられる期間が定められている契約のことです。
背景にある事情は「物件の取り壊し日が具体的に決まっている」「貸主が、自身の海外赴任中の期間のみ持ち家を貸したいと考えている」など様々ですが、契約期間が終了すると速やかに退去しなければならない物件がほとんどです(貸主の合意を得ることで「再契約」が可能な物件はあります)。
定期借家契約で借りている物件の場合、更新はありません。
一方、普通借家契約の物件については、一般的に2年などの契約期間が設けられており、借主がその期間を終えても契約を続けることを希望している場合は、契約の「更新」が必要となります。
更新の際に支払う「更新料」は、必要となる物件とそうでない物件があります。
特に関東では設定されていることが多い更新料ですが、関西や九州では設定されていない物件も少なくありません。
更新料の目安は賃料1ヶ月分程度で、更新料以外に保険料や更新保証料などの支払いが必要になる場合もあります。
更新手続きには「手動更新」と「自動更新」の2種類があります。
違いは、以下の通りです。
手動更新
契約満了日の1~3ヶ月前に管理会社や賃貸オーナーから書類(更新契約書など)が届き、借主側がその書類に署名・捺印をして提出することで契約が更新されます。
家賃など契約条件が変わることもあるので、借主は届いた書類の内容をよく確認する必要があります。
自動更新
借主が退去の意向を伝えていない限り、何もしなくてもそのまま同じ条件で契約が更新されます。
この方法が採用されている場合は、賃貸借契約書にその旨が記載されています。
自動更新の場合も、更新料等の支払いが求められる物件もあります。
法定更新とは?
借主が物件の使用を継続していて、貸主が正当な事由を背景にこれを拒否しなかった場合、法律上契約は更新されたものとして扱われます。
これが「法定更新」です。
例えば、管理会社や貸主から更新のお知らせが届かず、借主の側も契約終了の意向を伝えなかった場合「法定更新」扱いとなります。
一方、貸主と借主の双方で内容を確認して合意した上で行われる更新は「合意更新」と呼ばれます。
「自動更新」も合意更新に含まれます。
法定更新という名称が使われるのは、この制度が借地借家法第26条に基づいて設けられているからです。
この制度があることで、貸主が正当な理由なく借主を追い出したいと考えていても、借主は同じ家に同じ条件で住み続けることができます。
法定更新には原則として契約期間がないため、更新後、借主は更新料を支払う必要がなくなります(※)。
(※)賃貸借契約書に「法定更新された場合の契約期間は2年とする」「法定更新の場合でも更新料を請求する」等の記載があった場合、この限りではありません。


賃貸物件の「法定更新」について、借主側が気を付けるべきことはある?

法定更新は賃貸物件の借主側を守るための制度ですが、借主が注意すべき事項が全くないわけではありません。
この章では、代表的な注意点についてご紹介します。
解約通知を3ヶ月前までにしなければならない
一般的な賃貸借契約では、解約通知は1ヶ月前までに行うよう賃貸契約書に記載されている場合が多いかと思いますが、法定更新された賃貸物件の場合、3ヶ月前までに通知しなければならないこととなっています(民法第617条第1項に基づく)。
3ヶ月前までに通知ができなかった場合、契約終了日までの家賃や違約金などの支払いを求められる可能性があります。
法定更新となった物件で暮らしている人は、次の引っ越し先に移る際に余裕を持った計画を立てる必要がある点に注意しましょう。
どのようなケースで借主が貸主都合による退去をしなくても良いかを知っておく
一つ前の章でご紹介したように、法定更新は貸主が正当な理由なく借主を追い出したいと考えている場合でも借主が家を失わないよう、借主を守るために設けられている制度です。
借主が持っている権利について知っておくことは、重要なことです。
例えば、更新のタイミングで急に家賃が大幅に値上げされるという通知があった場合も、借主側が同意しなければ貸主は家賃を値上げすることができません。
借主が値上げされた家賃に同意することができず、手動更新を行わなかったとしても、法定更新が行われます。
値上げ前の家賃を払い続けることができれば、借主はその家に住む権利を失うわけではありません(ただし、裁判に発展してしまう可能性はあります。
値上げ金額があまりにも高い場合は、消費生活相談窓口センターに問い合わせることをおすすめします)。
また、たとえその物件に住み続けることができたとしても、貸主との間に良好な関係が築けていない場合、物件の修繕を依頼したいときなどに貸主の協力がスムーズに得られないことが予想されます。
無理のないタイミングで、別の物件に引っ越すことも検討してみてください。
なお、すべてのケースで借主が物件に住み続けられるわけではありません。
以下などのケースについては、裁判所が借主の強制退去の必要性を認めることがあるので、注意してください。
借主の契約違反がある場合
・借主が長期間(目安は3ヶ月以上)家賃を滞納している
・借主が激しい騒音を出し続けて、近隣住民の生活の妨げとなっている
借主に契約違反はないが、切迫度が高い場合
・物件の劣化が激しく修繕をしなければならない
・貸主に介護が必要となり、介護を担当する家族に住居を提供しなければならない
【賃貸の法定更新とは?】まとめ

この記事では、賃貸物件の「法定更新」とは何か、借主側が気をつけるべきことはあるのか等について、解説しました。
・賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があり、更新が生じる可能性があるのは普通借家契約のみである
・賃貸物件の更新方法には「手動更新」と「自動更新」の2種類がある
・賃貸物件の借主が物件の使用を継続していて、貸主が正当な事由を背景にこれを拒否しなかった場合、法律上契約は更新されたものとして扱われることとなっており、この制度は「法定更新」と呼ばれる
・法定更新された物件は、原則として契約期間に定めがなくなる
・法定更新された賃貸物件では、借主は契約終了希望日の3ヶ月前までに解約通知をしなければならない
・「借主が家賃を長期間滞納している」「借主が騒音を出し続けており、近隣住民が不利益を被っている」などの事情がない場合、たとえ賃貸物件の貸主から更新手続きの案内が届かなかったとしても、借主は現在借りている家に引き続き住み続ける権利がある
法定更新は、借主の権利を守るために設けられている制度です。
いざというときに備えて、内容をよく確認しておきましょう。


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