申し込みが「2番手」でも賃貸物件を借りられることはある?「同時審査」・「先行契約」などチャンスに関わるシステムと必要な準備の解説!
賃貸物件を探しているとき、不動産屋さんに問い合わせたら「2番手」と言われた。
そんな経験をしたり、人から聞いたりしたことはありませんか?
「2番手」と聞くと、「契約済み」とは違うのかなあと思いつつ、「どうせ決まっちゃうんだろうから」と諦めムードになりそうですよね。
今回は、そんな、「2番手」とは何なのか。
「2番手」でも借りられる・契約できるのはどのような場合なのかについて解説していきます。
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担当者:木寅昌紀
生粋の奈良県民の私が宅地建物取引士や賃貸経営管理士の目線で奈良の賃貸情報や暮らしの事、エリア情報まで幅広く発信します!
賃貸物件の「2番手」とは?
賃貸物件を申し込んだとき、「2番手」と言われた場合、すでに「申し込み」をした人(1番手)がいる状態となります。
「申し込み」というのは、主には不動産屋さんと一緒に内見を済ませ、契約希望を示して書類を揃え、審査へ進むための手続きをした、という段階です。
審査には2日~1週間ほどかかることが多く、無事通過をして、晴れて契約、初期費用の支払い段階へと進みます。
入居審査は先着順で行われるため、「申し込み」の1番手になれれば、当然、契約できる可能性が高くなります。
とはいえ、契約が成立するまでは、まだ物件の入居者が決まってはいないので、「キャンセル待ち」のような感じで、「申し込み」をすることが可能なことが多いです。
そして、1番手の人が契約をしなかった・できなかった場合には、2番手の人が契約できることもあります。
例えば、大学近くの物件の場合には、入試の時期になると、合否が決まる前に物件を押さえておく意味での申し込みが重なることがあります。
すると、申込者が別の大学への進学が決まった場合などにはキャンセルとなるので、順番が繰り上がって、2番手や3番手の人が入居できるようになるケースもあるのです。
「2番手」で申し込んで賃貸物件が契約できるケース
それでは、2番手でも賃貸契約が結べる場合を整理して見ていきましょう。
主に、「1番手」側由来の場合と、不動産契約のシステムを利用しての場合とがあります。
「1番手」側由来の場合
キャンセルした
確率は低いですが、1番手がキャンセルをして、2番手に契約のチャンスが回ってくることがあります。
どういった場合があるのでしょうか。
「先行申込」でキャンセルされた
「先行申込」とは、前の住人の退去前の物件であるなどの理由で、内見の前に申し込みをして審査もクリアしてしまうことを言います。
入居可能と認められた後に内見をして、問題がなければ契約を進め、考え直したい時にはキャンセルとなります。
後に説明する「先行契約」と違い、契約を結んでいるわけではないので、違約金などはかかりません。
もし、1番手が「先行申込」で入居申し込みをしていた場合は、キャンセルの確率が通常よりは高いため、2番手が契約できることもあります。
「先行契約」で契約解除になった
「先行契約」とは、急な転勤などの事情によって、内見をしないで契約に進むことを言います。
同じように、「先行契約」の場合にも、実際に現地で部屋を見てみたら想像と違い、契約解除に至ることがあります。
審査に落ちた
入居審査とは、大家さんや管理会社が、書類から職業や収入状況などを判断するものです。
連帯保証人ではなく、保証会社を利用する場合には、過去にクレジットカードの料金滞納等がなかったかどうかなど、「信用情報」を確認されます。
クレジットカードの支払い遅延があった、フリーランスで収入が安定していない、収入に比して物件の家賃が高いなどの場合には、支払い能力に疑問が持たれ、審査に落ちる場合があります。
審査が進まずキャンセルになった
審査に必要な書類がそろわなかったり、途中で入居希望者と連絡が取れなくなってしまったりすると、審査が進まなくなり、不動産会社側から審査を打ち切る場合があります。
審査の際には、申込者の身分証明書と所得証明書や、連帯保証人の情報を求められます。
保証会社を利用する場合には、緊急連絡先となる親族の情報が必要です。
契約段階で合意に至らなかった/書類に不備があって締結にいたらなかった
審査を通過しても、契約段階で合意に至らない場合があります。
「ペット相談」の物件の場合、申込者の飼育したいペットについて大家さんが認めないことがありますし、古い物件の場合には、設備の交換について交渉がまとまらなかったということが起こり得ます。
また、本契約に進む段階には、さらに追加で書類が必要になり(主に、住民票、印鑑証明書、銀行通帳と銀行印。
連帯保証人の収入証明も必要となる)、初期費用の支払いも必要となり、手続きが煩雑になるのですが、そこに申込者が対応できないとキャンセルになることがあります。
システムを利用した場合
「同時審査」に2番手が通った
人気の物件で申込者が多い場合、「同時審査」といって、一定期間の申込者の審査を同時に行う場合があります。
その場合、申し込みの順番に限らず、大家さんが貸したいと思う条件に合う希望者が審査に通ることになります。
2番手が「先行契約」を使った
2番手になってしまっても、物件情報などを検討する限り、内見をしなくても問題なさそうな場合、前に説明した「先行契約」という方法を使うことができます。
1番手が「先行申込」をしていた場合に有効です。
「2番手」で申し込んだときに大切なこと
それでは、希望の物件に申し込もうとしたのに、2番手になってしまった……という場合には、何が必要かを見ていきましょう。
部屋探しはやめない
前に述べたように、賃貸物件は「先着順」です。
2番手の場合は、1番手が契約してしまったらその時点で申し込みは白紙になってしまいます。
そして、賃貸物件の入居審査には2日~1週間程度かかりますので、しばらく連絡が来ないことはあります。
1番手の審査待ちをするとしても、タイムロスが発生します。
その間に希望条件に近い物件が契約されてしまうかもしれません。
同時並行で部屋探しをして、内見も行い、1番手で契約できそうな部屋を見つけたら2番手の申し込みはキャンセルできるようにしましょう。
必要書類をもれなく準備しておく
2番手申し込みの物件が回ってきたときには、すぐに対応できるように、審査に必要な書類である「身分証明書」と「収入証明」(直近3ヶ月ぶんの収入証明書や前年度の源泉徴収票、自営業やフリーランスの場合は前年度の確定申告書)をあらかじめ用意しておきましょう。
原本ではなく、コピーでも大丈夫です。
また、連帯保証人の情報をとっておき、申込書に記入できるようにしておきましょう。
さらに、連帯保証人になる人には不動産関連の連絡が来たら対応してもらえるように、事前にお願いしておきましょう。
不動産屋さんからの連絡にすぐ反応できるようにする
チャンスが回ってくる時にも、早い者勝ちです。
連絡に気づかないうちに、次の希望者が申し込んでいた……ということにならないように、着信やメールをまめにチェックしましょう。
また、1番手のキャンセルによって順番が回ってきた場合には、しっかりその「原因」を確認しましょう。
理由によっては、その物件に本当に申し込んでよいかどうかの参考になります。
「2番手」にならないため「1番手」になるために大切なこと
そもそも2番手だと、契約できるチャンスが低いもの。
最後に、2番手にならず、希望の物件に一番で申し込めるために必要なことを見ていきましょう。
ここでも、基本的な考え方は同じ、「賃貸物件は先着順である」ということを意識すること。
よって、
・必要書類をもれなく準備しておく
・不動産屋さんからの連絡にすぐに反応できるようにする
という2点は同じです。
それでは、物件探しの段階では何に気をつけたらよいでしょうか?
できるだけ早く内見日を設定する・内見に時間をかけ過ぎない
実際に物件を見ていないうちは、自分が内見するまで、写真の通りに空室であってくれるような気がするものです。
しかし、自分より早く内見した人が、サッと申し込んでしまうことも起こり得ます。
ですから、希望条件に合った物件は、できるだけ早く内見できるようにしましょう。
また、内見する前には、チェックポイントを絞っておきましょう。
時間をかけ過ぎず、てきぱきと内見を済ませた方が、気に入った際に申し込み手続きに移ることができます。
番外編 こんなことも:「おとり物件」
まれに、不動産情報サイトに掲載されている条件の良い物件が、「おとり物件」であることがあります。
成約済みであるのに、削除までのタイムラグがあり、掲載され続けている場合と、集客のための嘘、架空物件である場合とがあります。
「おとり物件」の場合、実際には入居できません。
「2番手になる」と伝えられ、別の物件を案内された場合には、実在の物件なのかどうか、成約済みなのかどうか、2番手でも申し込みが可能かどうかを確認することで、「おとり物件」に気を取られ続けるロスを防ぎましょう。
【賃貸の申し込みが「2番手」でも物件を借りられることはある?】まとめ
ここまで、賃貸物件の「2番手」について解説していきました。
確率は低いものの、2番手でも物件を借りられることはあります。
1番手側の事情による「キャンセル待ち」がうまくいく場合と、「同時審査」「先行契約」といったシステムが使えたことによる場合とがありました。
大事なことは、物件を探す段階から、2番手になることもあると考えて入念な準備をしておき、必要な時に迅速に動けるようにすることです。
それは、希望の物件に「1番手」で申し込む未来にもつながっていくことでしょう。
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