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担当者:木寅昌紀
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家賃には前払いと後払いがある
賃貸住宅に住んでいる場合、必ず毎月家賃を支払います。
しかし、その家賃が前払いなのか後払いなのかを気にしている人は少ないでしょう。
そこで家賃には前払いと後払いがあり、どのような違いや特徴があるのか、「前払いと後払いの確認方法」をご紹介していきたいと思います。
前払い(前家賃)と後払い(後家賃)の主な違い
あまり知られていませんが、家賃は「前払い」と「後払い」があります。
どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
また、どちらかわからないという人のために、「確認方法」も紹介していきます。
前払い
前払いは前家賃や先払いとも言われており、1ヶ月前に翌月分の家賃を支払うことを指します。
4月分の家賃は3月中に支払うような方法で、前の月の25日や27日までに支払うなどと決められている場合が多いでしょう。
現在の賃貸住宅では、大半がこの前払い家賃となっているのが一般的です。
前払いの場合、大家さんは前の月に家賃収入を得られるので、総額は変わらなくても、早めに収入が得られるというメリットがあります。
借りる側も実際に支払っている家賃は変わらないものの、退去する月は家賃の支払いがないのがメリットです。
しかし、メリットもあればデメリットも存在しています。
それは給料日が月末などに設定されている場合、家賃の振り込みまでに間に合わないので、給料前に支払う必要が出てくることや、家賃の振り込みが遅れてしまうと月をまたいでしまうため、滞納状態になるという点です。
後払い
現在では前払いが主流なのですが、賃貸住宅によっては後払いになっていることもあります。
後払いは後家賃とも言われていて、4月分の家賃は4月中に支払うという方法になります。
大半の賃貸住宅は前払いなので、通常は入居するときに敷金や礼金、仲介手数料の他にも、1ヶ月分の家賃の支払いが求められます。
しかも引っ越し代なども必要になるため、前払いの場合には初期費用が大きくなるというデメリットがあるのです。
しかし、後払いであれば初期費用を支払うときに1ヶ月分の家賃が追加されないため、初期費用を抑えられるというメリットがあります。
もちろん総額は変わりませんが、支払時期によっては振り込みが楽になるという人もいるでしょう。
ただし、退去する月にも家賃の支払いが発生してしまうので、必ずしもメリットとは言えません。
大家さん側からすると、家賃収入が少し先になってしまうので、すぐに収入が欲しいという人にとってはデメリットだと言えるでしょう。
確認方法
家賃が前払いなのか後払いなのかよくわかっていないという人もいるでしょう。
そこで簡単な確認方法を紹介していきます。
通常入居前に不動産屋の方で説明があるので、金額についてはきちんと確認をするのですが、もし聞き逃してしまった、忘れてしまった場合には、賃貸契約書を確認すればすぐにわかります。
もし当月分の家賃を前の月の何日までという感じで書かれていれば前払いです。
当月分の家賃を当月の何日までになどと書かれていれば後払いとなります。
家賃の前払いと後払いは自由に選べるのか
家賃は毎月必ず支払う必要があるので、支払方法も自由に選べるのではないかと思う人もいるでしょうが、実際には選ぶことはできません。
賃貸住宅の場合には、最初から前払いなのか後払いなのかが決められているので、入居者の希望で選択することはできないのです。
支払方法を決める権限は大家さんにしかないので、きちんと決められている通りに支払いましょう。
大半の賃貸住宅は、家賃は前払いとなっているのですが、どうしても後払いがよい場合には、後払いになっている物件を探すしかありません。
現在家賃が後払いになっている物件はかなり少なくなっていますが、公営住宅などでは現在でも一部後払いになっている住宅もあるので、公営住宅で募集をしていないか探してみるのもよいでしょう。
しかし、公営住宅は入居を希望する人も多いですし、かなり制約が厳しくなっている物件もあるので、エリアによっては入居が難しくなります。
よほどの理由がない限りは、家賃が前払いか後払いかで物件を決めるのはあまりおすすめできません。
ただし、例外も一部存在しています。
それはクレジットカードを使って家賃の支払いが可能な物件の場合です。
クレジットカードを使用できる物件の場合には、前払いであったとしても引き落としが行われるのは翌月になります。
そのため、前払いと後払いを自分で選べるわけではありませんが、翌月に引き落としが行われる関係で、実質後払い扱いになってしまうわけです。
さらにクレジットカードを使えばポイントが貯まるので、クレジットカードでの支払いが可能な物件の場合には利用してみるのもよいでしょう。
通常家賃は後払いでなければいけない
大半の賃貸住宅は、現在では家賃は前払いとなっています。
しかし、実際は後払いでなければいけないことを知っているでしょうか。
なぜなら家賃は後払いでなければいけないと民法で定められているからです。
それなら何で大半の物件は前払いになっているのか、前払いは違法ではないのかと思うでしょうが、日本の法律はおかしい点がいくつかあり、家賃もその1つとなっているのです。
確かに民法では毎月末に支払わなければならないと614条に定められています。
しかし、日本には契約自由の原則というのが存在していることから、法律よりも契約書の方が優先される傾向にあるのです。
そのため、契約書の内容が民法に違反していたとしても、きちんと契約書を交わしてしまうとそれがまかり通ってしまうことになります。
しかも前払いでも後払いでも結局は同じ金額の家賃を支払うことになるので、どちらでも問題ないと思う人が多いため、前払いはおかしいと指摘する人もあまりいません。
前払いの場合には、入居するときに1ヶ月分の家賃を敷金や礼金、仲介手数料などと一緒に支払うことになるので、一見大変なように思えるでしょう。
しかし、後払いであっても、退去する月にも家賃の支払いが発生してしまい、結局同じ金額を負担することになるのです。
後払いの場合には、大家さんは収入を得るのが遅くなるのでデメリットだと感じる人が多いでしょう。
しかし、入居者の方はどちらでもそれほど変わりはないので、後払いでなければいけないと民法で決められていることを気にもしない、もしくは知らない人も多いのです。
家賃のまとめ払いが可能な場合もある
家賃には前払いと後払いが存在していますが、この他にもまとめ払いという方法が可能な場合があります。
まとめ払いというのは、数ヶ月分を1回で支払う方法です。
住宅ローンなどであれば間違いなく可能なのですが、家賃の場合はどうなのかというと、大家さんや管理会社次第となります。
人によっては毎月家賃を支払うと手数料が掛かるからもったいない、忙しくて支払いがしにくいという場合もあるでしょう。
そんなときには入居する前にまとめ払いが可能か聞いておくべきです。
ただし、入居前にまとめ払いをしたいと話すと、まとめて支払った月までしか入居してくれないのではと思われ、審査落ちしてしまう可能性もあります。
そのため、まとめ払いをしても問題ないかは入居してから聞くという方法もよいですし、事前にまとめ払いをした月を過ぎても退去する気はないことを告げておくとよいでしょう。
もちろん大家さんや管理会社が認めなければ、まとめ払いはできないので、面倒でも毎月支払うようになります。
【家賃は前払いと後払いのどっち?】まとめ
家賃は前払いとなっているのが一般的ですが、一部の物件では後払いになっていることもあります。
しかし、民法では家賃は後払いと定められているのですが、契約書の方が優先されるため、前払いと言われたら従うしかありません。
場合によっては数ヶ月分を先に支払ってしまう方法や、クレジットカードで家賃を支払う方法も可能なことがあるので、気になる人は不動産屋に聞いてみるのもよいでしょう。
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