サブスクリプション型住居って、なに?
新しい住居の形「サブスクリプション型住居」
皆さんが今住んでいる住居は持ち家ですか?それとも賃貸ですか?
2019年に入り、この質問にはもう一つの質問が追加される時代となりました。
「サブスクリプション型住居ですか?」そう問われても、なんのことだかさっぱり解らないという方が大半なのではないでしょうか。
住居を購入する、借りる、に次ぐ新たな選択肢として「定額制で借りる」という方法が現れたことで、今までは手軽に始められなかったライフスタイルも注目を浴びています。
では、その「サブスクリプション型住居」とはいったいどんな住居なのでしょうか。
そもそもサブスクリプションとは?
英語の「サブスクリプション(subscription)」とは、もともと雑誌の「定期購読」といった意味の言葉でした。
そこから転じて「有効期限のある使用許可や利用権」という意味になりました。
消費者が製品を購入したりサービスを受けた際に都度対価を支払いを行うのではなく、一定の期間利用できる「権利」に対して対価を支払うビジネスモデルとして定着しつつあります。
また、サブスクリプション方式は「定額制」と同じものとして扱われることがありますが、実態としてこの2つには大きな違いがあります。
定額制の場合、製品やサービスを一定の金額で継続的に課金してもらうことを指します。
サブスクリプション方式の場合、さらに一歩踏み込んで「顧客満足度を上げるためのサービス改善を逐次行う」という取り組みがあります。
サブスクリプション方式を採用した典型的な例はパソコンで使用するビジネス用ソフトウェアで、機能の追加や改善はもちろん逐次行われ、利用権を継続している限り新しいバージョンのソフトウェアが登場しても以前のように買い替えたりする必要が無いというのが特徴です。
最近であれば、定額制動画サイトを利用している人も多いと思いますが、これもサブスクリプション方式が採用されています。
サブスクリプション方式の住居ってどんなもの?
インターネットを経由してのサービスでは定番化しつつあるサブスクリプション方式ですが、住居となるとそのサービス内容が気になるポイントです。
サブスクリプション型住居の特徴をいくつか挙げてみましょう。
・賃貸契約のような初期費用は不要で契約期間の定めが無い
・料金は月額制などが採用されている
・水道光熱費は月額料金に含まれている
・家具や家電、アメニティなどが備え付けられている物件もある
・全国の物件から住みたいところを選んで利用したい日を予約出来る
利用したい物件のあるサービス会社に会員登録をし、物件選んで利用したい期間を予約、その予約期間利用するという方式です。
ホテルを予約して利用したりコワーキングスペースを利用するのと似ていますので、そういったサービスを利用したことがある人にはイメージしやすいかもしれません。
また、利用期間中に仕事をすることも前提にしているため、インターネット等の利用環境も整備されていることもありがたいポイントです。
コワーキングスペースを併設した物件もあり、パソコンひとつでどこででも仕事が出来るフリーランスの人にとっては仕事環境を変えて気分転換を兼ねて利用できるのが人気のようですね。
どんな人に向いているの?
サブスクリプション型住居は短期間の利用が前提となっているため、数年単位で住むことを前提とはしていません。
賃貸契約のように契約更新を繰り返せば住み続けられるというわけではないため、定期的に移住することが前提になります。
そのため、デュアルライフのような複数の拠点で生活を送っている人が、都心部に持ち家、田舎にサブスクリプション型住居といった形で2つの拠点を持つ場合には、田舎の拠点を定期的に予約して利用出来るため、第二の拠点を選ぶのには最適です。
デュアルライフとは?≫その他に、仕事をする場所を自由に選ぶことが出来るようなフリーランスの人にもおすすめです。
サービス会社ごとに異なりますが、全国各地に点在する物件が利用できるので、日本中を転々としながらの生活も可能ですし、週末だけ旅行気分で利用するという利用者が多いサービス会社もあります。
サービス会社によっては海外にも物件がある為、海外旅行を楽しむことも出来ます。
また、都市に多くの物件を持つ会社や、逆に郊外に多くの物件を持つ会社など、サービス会社によって利用可能な物件が大きく異なります。
東京都内に特化した都市型であれば都内各所に物件があるため、都内で勤務先が転々とする人には生活拠点を勤務先ごとに合わせて移動するといった利用方法もあります。
あとは、ミニマリストのように生活に必要なモノが少ない人の方が適しています。
ミニマリストとは?≫定期的に引っ越しをすることになりますので、毎回のように引っ越し業者に依頼しているとコスト負担が大きくなってしまいます。
家具や家電付きの物件を転々とするのであれば、荷物は自分で運べる量や宅配便で対応可能な量に収まっている方が良いでしょう。
サブスクリプション型住居のメリットは?
大きなメリットは2つ。
・費用が明解で、水道光熱費のように使用量で費用が変動するものは固定料金内に含まれている
・面倒な契約手続きや契約に伴う初期費用及び手数料が不要
やはり、住居を探す上で気になるポイントが明解で分かりやすくなっているのが大きなポイントでしょう。
月額費用を支払うクレジットカードと身分証明書を用意する以外は、スマホだけで契約が出来るところも手軽で良いです。
各社のサービス内容を確認していると月額費用が少し高めに設定されているように見えてしまいますが、初期費用が不要であることと、水道光熱費が固定料金に含まれていることを考慮すると、一般的な賃貸住宅を借りるより安く設定されている事も多くあります。
また、家具や家電を購入して揃えることを考えれば、大幅に初期費用を抑えることが出来るはずです。
サブスクリプション型住居の注意点は?
先ほど述べたように数年単位での利用は出来ないため、永住を目的とした住居を探す目的では利用できません。
どのサービス会社も2019年頃からサービスが開始されたばかりで、登録されている物件数がまだそれほど多くありません。
その点は各社の企業努力で増えていくことが予測されます。
会員で無くても各社のサービス内容から物件が確認出来るようになっているので、気になる物件が無いかをチェックしましょう。
また、日本に住んでいる人のみならず、世界規模で運営しているサービス会社の場合、海外からの旅行者が利用するケースも多々あります。
ドミトリー(相部屋)タイプの物件もあり、見知らぬ人と共同生活となる場合がある点も注意が必要です。
そういった意味では、全国各地にある素泊まりのホテルを固定料金で使えるといったイメージが近いかもしれませんが、ホテルのように管理人が常駐していないのが宿泊施設との大きな違いになります。
住む以外に、ビジネスにも使える?
サブスクリプション型住居はまだまだ始まったばかりのサービスです。
そのため、物件数が少ないのがデメリットになりがちですが、実はそこがビジネスチャンスになります。
特に郊外での物件はまだまだ需要があるようで、各社の特色にあった物件を探しているようです。
田舎の実家は住む人が居なくなって処分に困っている、持ち家に住んでいるが転勤が決まって家の処分を検討している、そういった場合にその家をサブスクリプション型住居として貸すことで収入を得ることも出来ます。
社会問題化している空き家の有効活用方法として注目を浴びており、大きな古民家なら部屋数も多く個室が複数確保でき、住居兼店舗だった物件をサブスクリプション型住居兼飲食店にリノベーションした例もあります。
管理や運営もサービス会社に任せられるので、もし処分に困っている物件をお持ちであれば検討の価値ありでしょう。
これからはサブスクリプションの時代?
自由なライフスタイルを送る人が増えている中で需要を伸ばしつつあるサブスクリプション型住居は、今の時代に必要とされて登場したものです。
また、住居に限らず定額制で利用できるサービスはどんどんを増えており、ミニマリストのように自分では持たず必要ならば借りるというライフスタイルを送る人も少なくありません。
それに、サブスクリプション型住居の場合は長く住むことを前提にせず、休暇に民泊のような感覚で利用して旅行するユーザーも多く、ホテルの価格を比較しながら探すという面倒なことをせずに休暇の過ごし方を決められるのも、新しいライフスタイルの在り方かもしれません。
特に、2014年に実施された内閣府の調査で東京都内在住者の約4割は将来的な移住を検討しているようなので、全各地を転々としながら自分にとって最適な移住先を探す手段として、このサブスクリプション型住居というのは役立っていくのかもしれませんね。
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