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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
奈良市の救命講習とは?e-ラーニングでも受講可能!大切な命を守るために身につけておきたい応急手当法
心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)という言葉を聞いたことがあっても、実際に人が目の前で倒れ、意識を失ったときにすぐに行動に移せる人は少ないでしょう。
日本では通報から救急車が到着するまで約9分間かかると言われており、その間に応急手当を行うことで助かる人は2倍になるとされています。
そのため、一般の人が迅速に応急手当を行えるように、消防本部によって応急手当講習会(救命講習)が行われています。
奈良市でも防災センターや消防署において、救命入門コースや普通救命講習などの講習会が定期的に開かれています。
また、座学だけならe-ラーニングで学べるので、講習に参加する時間がない人は受講してみてはいかがでしょうか。
もしいま目の前にいる人が突然倒れて動かなくなったらどうしますか?
もちろん、すぐに救急車を手配すると思いますが、病気や事故などで心臓が止まった人を救うには、救急車が到着するまでの間に心肺蘇生(そせい)などの応急手当をする必要があります。
しかし、何の知識も技術もなければ、すぐに行動に移すことは難しいでしょう。
そんな万が一のときに備えて、消防署が開催している応急手当講習会に参加してみてはいかがでしょうか。
今回は、そんな応急手当講習会の概要や奈良市で受講するための方法などについてまとめてみました。
いざというときのために講習会へ参加し、応急手当の知識と技術を身につけておきましょう。
応急手当で助かる命はたくさんある
命を落とすような大きな事故は、いつどこで誰の身に起こるかわかりません。
心臓と呼吸が止まってから、時間が経てば経つほど救命できる可能性は低くなります。
しかし、救急車が到着するまでに心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)などの応急手当を行えば、助かる可能性は2倍になるとされています。
日本では通報してから救急車が到着するまで、9分ほど掛かるとされています。
つまり、その間にその場に居合わせた人がきちんと応急手当ができるかがポイントになるのです。
応急手当を行えるように救命講習を受けよう
目の前にいる病気やケガをした人を救うには、ひとりでも多くの人が応急手当の知識と技術を持つことが大切です。
そのため、日本では消防本部によって応急手当講習会(救命講習)が行われています。
おそらく多くの人が応急手当を行った経験はないと思いますが、この講習さえ受けていれば、より確実に、より自信を持って心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)による応急手当を行えます。
また、たとえ応急手当の知識があったとしても、人が突然目の前で苦しみながら倒れると咄嗟に行動できないものです。
しかし、救命講習を受講して、一度でも心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の操作を経験していれば迷いなく行動に移せるでしょう。
奈良市でも各消防本部や消防署において、一般向けの救命講習を実施しています。
ぜひ、近くで開催されている講習会に参加して、応急手当の知識と技術を身につけましょう。
奈良市で受けられる救命講習について
応急手当について学ぶ救命講習は「救命入門コース」「普通救命講習(1、2、3)」「上級救命講習」などいくつかのコースに分かれており、それぞれ習熟度によって受講するコースが異なります。
たとえば普通救命講習1では成人に対する心肺蘇生法、AEDの使用法、止血法などを学べ、上級救命講習では普通救命講習1の内容に加えて、乳幼児に対する心肺蘇生法やケガ人の搬送方法などを学べます。
現在奈良市では、下記のコースを受講できますが、奈良市防災センターでは毎月定期的に行う「定期講習会」、各消防署では希望の日程・場所に消防職員を派遣して行う「随時講習会」を実施しています。
講習の種類 | 講習時間 | 講習内容 | 交付証 | 申込・開催場所 |
---|---|---|---|---|
普通救命講習1 | 3時間 | 主に成人を対象とした心肺蘇生法やAEDの使い方。対象:中学生以上。 | 修了証 | 各消防署 奈良市防災センター |
普通救命講習3 | 3時間 | 主に乳幼児を対象とした心肺蘇生法やAEDの使い方。対象:中学生以上。 | 修了証 | 奈良市防災センター |
上級救命講習 | 8時間 | 普通救命講習に加え、傷病者の管理法や搬送法など。対象:中学生以上。 | 修了証 | 奈良市消防局 救急課 |
救命入門コース | 90分 | 胸骨圧迫とAEDの使い方。対象:小学校高学年以上。 | 参加証 | 各消防署 奈良市防災センター |
応急手当の基本はe-ラーニングでも学べます
消防庁では、救命講習を受講する時間がないという人向けに、e-ラーニングで応急手当の基本知識を学べる「一般市民向け 応急手当WEB講習」を実施しています。
そのため、わざわざ防災センターや消防署へ出かけなくても、パソコンやタブレット、スマートフォンを持っていてインターネットにつながる環境さえあれば、いつでも好きなときに応急手当の基礎を学ぶことができます。
ただし、防災センターや消防署で行われている救命講習は、座学部分と実技部分で構成されていますが、e-ラーニングで学べるのは「心停止の予防」「応急手当の必要性」「心肺蘇生法の実技の流れ」など、座学部分と同様の内容だけです。
また、応急手当WEB講習を受講しただけでも、最後のテストに合格すると「受講証明書」をもらえますが、学んだ知識を実践で生かすにはやはり実技部分も学ぶ必要があります。
そのため、応急手当WEB講習を受講した後は、ぜひ防災センターや消防署の講習に参加して実技を学びましょう。
奈良市では応急手当WEB講習の「受講証明書」を持参すると、座学講習を免除する短縮講習(1時間短縮)を行っています。
詳しくは、防災センターやお近くの消防署に問い合わせてみてください。
これだけは身につけておきたい応急手当の方法
最後に、これだけは知っておきたい、身につけておきたい心肺蘇生の流れについて簡単にご紹介します。
(1)周囲の安全を確認して、傷病者の反応(意識)を確認する
反応がなければ、大声で叫んで周囲の人に応援を求めます。
(2)119番通報およびAEDを現場に届けてもらうよう協力を求める
応援を呼んでも誰も来ない場合は自分で119番通報し、AEDの場所がわかる場合は取りに行きます。
(3)呼吸を見る
胸とお腹の動きを見て「普段どおりの呼吸」をしているか10秒程度確認します。
(4)胸骨圧迫、人工呼吸を行う
胸骨圧迫を30回、人工呼吸2回を救急車が来るまで繰り返します(人工呼吸は行えなければ省略可)。
周囲に複数の人がいる場合は、交代で行います。
(5)AEDを使う
心肺蘇生をしている合間に、AEDを行います。
AEDは、心臓がけいれんして血液を全身に送れない状態(心室細動)になった場合に、電気ショックを行うことで心室細動を取り除く医療機器です。
2004年7月から一般の人でもAEDを使用できるようになったため、駅や公共施設などさまざまな場所に設置されています。
AEDの使い方
AEDの操作手順は、すべて機械が音声メッセージを出して案内してくれます。
そのため、初めての人でも音声メッセージのとおりに行えば、簡単に操作できます。
(1)電源を入れる
ふたを開けると、自動的に電源が入るタイプのAEDもあります。
(2)パッドを貼る
貼り付けるときは、皮膚が濡れていないか確認し、濡れていたら乾いた布などでふき取りましょう。
また、胸に硬い「こぶ」のような出っ張りがあればペースメーカーなどが埋め込まれている可能性があるので、そこは避けて貼り付けます。
(3)コネクターを指定された場所に差し込む
コネクターを差し込むとAEDが心電図を解析し、電気ショックが必要な場合は自動的に充電をはじめます。
電気ショックが必要ない場合は「ショックは不要です」という音声メッセージが流れます。
(4)放電ボタンを押す
充電が完了すると「放電してください」というメッセージが流れます。放電ボタンを押しましょう。
ただし、このときは必ず自分とまわりの人は傷病者から離れて、AEDには触れないようにします。
AED後はすぐに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開してください。
【奈良市の救命講習とは】e-ラーニングでも受講可能!大切な命を守るために身につけておきたい応急手当法のまとめ
今回は、応急手当講習会の概要や奈良市で受講するための方法などについてご紹介しました。
応急手当講習会は救命入門コースや上級救命講習など、いくつかのコースに分かれており、奈良市の場合は防災センターや消防署に受講したいコースを予約します。
時間がない人はe-ラーニングでも受講できますが、座学部分のみの講習なので、実技をマスターしたい人は後日、短縮講習を受けることも視野に入れましょう。
いざという時のためにできるだけ救命講習に参加し、応急手当の知識と技術を身につけておくことをおすすめします。
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