【火災保険の複数加入は無駄!?】理由と火災保険の仕組みを解説
火災保険に複数加入しても意味がないことがあるってホント?

住んでいる家に何かあった際に補償される火災保険ですが、複数加入していればそれだけ多く保険金が受け取れると思っていませんか?
実はその考えは大きな間違いです。
そこで、火災保険の仕組みと複数加入や重複加入が無駄になってしまう理由についてご説明します。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で10年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
まずは保険の種類を知っておこう!

一般的に、皆さんが関わることのある保険と言えば、生命保険や自動車保険、そして火災保険があります。
その他にも様々な保険商品が世の中にはあるのですが、保険は大きく分けて2種類に分類されています。
まずひとつは生命保険です。
成人されている方の多くが生命保険に加入されており、人によっては複数の保険に加入しています。
生命保険に加入していれば、被保険者が死亡した際の死亡保険金、病気やケガなどの際に給付金を受け取ることができます。
個人的に加入している保険や、会社などを通じて加入する団体保険などがあり、複数加入をしておけばそれぞれの保険会社から保険金や給付金を受け取ることができます。
残るひとつが損害保険です。
自動車保険や火災保険はこの損害保険に含まれており、事故で車が壊れた、火災で家が焼けた、水害などの自然災害で家や車が壊れた、災害時の家財の補償など、各保険には様々な内容がパッケージングされています。
損害保険は発生した損害に対して適正な保険金が支払われますが、保険金は加入者の財産である家や車の評価額に基づいて計算されます。
重複加入しても保険金を二重で受け取れない?

損害保険は発生した損害に対して支払われる保険です。
災害や事故などで発生した損失を補填するために支払われる保険であるため、損失以上の補償はされません。
賃貸向け火災保険を例に挙げて説明します。
賃貸向け火災保険の内容は、自分で任意に保険金額を設定できる家財補償と、賠償責任補償などがセットでパッケージングされた補償を組み合わせたものです。
家財補償には「家財の標準的な評価額」というものがあり、世帯人数、世帯主の年齢、部屋の専有面積などを元に計算され、評価額にあった保険金額で契約するのが一般的です。
例えば、世帯主が30歳、夫婦と子供の3人家族、部屋の広さが40㎡の場合、標準的な評価額は800万円となります。
この評価額に対して、家財補償が800万円の火災保険に2つ(合計1600万円分)加入したとしても、受け取れる保険金の上限は800万円となり、全くの無駄になってしまいます。
また、家財補償が400万円の火災保険に2つ(合計800万円分)加入した場合、それぞれから400万円ずつ合計800万円受け取ることができますが、それぞれに支払う保険料の合計は1社で800万円の保険に加入するよりも高額になるため、こちらも無駄が発生します。
もちろん、複数契約しているということは保険金の手続きなどもそれぞれに行うことになるため、無駄な手間も増えるでしょう。
複数加入すればそれぞれに保険金を受け取れる生命保険のように、火災保険も複数加入することで損害額を大幅に上回る保険金を受け取れると勘違いしてしまうことは仕方がありません。
しかし、そんなことがまかり通ってしまえば、損害保険を悪用する人が出てしまう可能性が出てきます。
そのため、損害保険は損害額を超える保険金を受け取ることが許されないように作られているのです。
知らない間に複数加入していることも

火災保険は世帯主が加入するのが一般的ですが、二世帯で生活をしているとそれぞれの世帯主が火災保険に加入してしまっていることがあります。
結婚や子供の就職などのタイミングで、知らずに世帯主とは別の火災保険に加入してしまうこともあります。
特に賃貸向け火災保険の場合は戸建住宅向け火災保険と比べて大幅に保険料が安価なこともあり、気軽に加入してしまうことがあるようです。
火災保険への加入をする場合には必ず家族内で相談して、重複加入になっていたりしないか、家財補償が適切であるかなどを話し合うようにしましょう。
火災保険の加入状況は定期的に見直しをしよう

火災保険の複数加入が無駄であることはおわかりいただけたでしょうか?
複数加入になっていないかの確認だけでなく、家族が増えたり年を重ねれば家財補償が世帯構成に合わなくなることもあります。
大事な住まいや家財を守る保険だけに、無駄がなくそれでいて適切な内容で加入できるよう、火災保険の契約内容は定期的に見直すことをオススメします。
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