【災害に備えて賃貸居住者がしておくべきことは?】大規模な被害発生時の対処法!

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地震等の災害に備えて、賃貸居住者がしておくべきことは?大規模な被害が発生したらどうすればいい?


地震等の災害に備えて、賃貸居住者がしておくべきことは?大規模な被害が発生したらどうすればいい?


地震や台風などの災害大国、日本。


例年様々な被害が発生しており、南海トラフ巨大地震の発生が想定されていること等、将来の災害についても、気がかりなニュースは少なくありません。


いざという時には、自分や大切な人の命や安全を守ることが最も大切ですが、安全を確保できたあとに気になるのが、その後の生活についてです。


衣食住のうち「住」に限って言えば、大規模な被害を受けた際「どうすれば自治体の支援を受けることができるのか」「賃貸居住者は何か違約金を払わなければならないの」「元の家に戻ることが難しいとわかった場合新しい住まいはどのように確保すれば良いのか」など多くの疑問が頭に浮かびます。


この記事では、特に賃貸住宅に居住されている方を対象に地震等の災害が発生したときの住宅の被害への対処について、注意すべき点やあらかじめ確認しておくべき点などについて詳しく解説します。



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    賃貸専門家:木寅 昌紀

    資   格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士

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    賃貸住宅居住者が、住宅に関する被害を減らすために災害前に備えておくべきことは?


    賃貸住宅居住者が、住宅に関する被害を減らすために災害前に備えておくべきことは?


    防災グッズを揃えておく、事前に避難場所を確認しておく、等の一般的な災害対策のほかに賃貸居住者が確認しておくべきポイントには、たとえば以下のようなものがあります。


    家具などの転倒予防

    地震の影響等で借りていた家に損傷が発生してしまった場合、多くのケースでは借主がその修繕費用を負担する必要はありません。


    ただし固定されていない家具が倒れてベランダ側の窓が割れた場合など、事前にリスクが予測できる箇所を借主が放置していた場合には、借主に修繕費用の支払いが求められることもあります。


    大きな家具や不安定な家具・割れやすいものの近くに置いてある家具などについては、入居後なるべく早い段階で転倒防止のための措置を行っておきましょう。


    その際気になるのが、家具固定用グッズを使うことで壁や床などに跡をつけてしまわないか、退去時に原状回復費用が高くつかないか、ということ。


    近年は、壁や床に跡をつけない家具固定シートなども販売されているので、ホームセンターやオンラインショップで探してみてください。


    地震保険への加入

    賃貸居住者にとって住居は持ち物ではないため、たとえ地震保険に入っていたとしても住居の損傷の修繕費用をカバーすることはできません。


    家財の損傷に備えたい場合には、賃貸居住者でも地震保険への加入を検討してみると良いでしょう。


    地震保険という名称ですが、噴火や津波等が原因で生じた家財へのダメージも補償対象です。


    ただし「地震保険は火災保険とセットでの加入が必須で単独では加入できない点」「損害額が家財全体の時価額の10%未満の場合保険がおりない点」「1個(または1組)が30万円を超える貴金属や宝石などは補償の対象にならない点」など注意すべきことも多数あります。


    自身が備えたい内容やそれは地震保険によってカバーされるのかを事前に確認したうえで、必要に応じて加入手続きを進めていきましょう。







    災害で賃貸住宅が大規模な被害を受けたとき、居住者がすべきことは?


    災害で賃貸住宅が大規模な被害を受けたとき、居住者がすべきことは?


    片付け前に写真撮影

    地震で家具などが壊れたり、台風の影響で泥が家の中に入ってきていたりする場合、なるべく早く片づけたいところですが、まずは家の外と中、それぞれの被害状況を写真に残しましょう。


    自治体に罹災証明書を申請する際等に役立ちます。


    被災した住宅から生じた釘や木材でけがをする可能性もあるので、安全に注意して撮影してください。


    家の外を撮影する際、もし大雨などで浸水していたら、その深さもわかるように撮影しましょう。


    部屋の中を撮影する際は、被害が生じた部屋の全体像と、損傷した部分にクローズアップした画像(全体が入るように)の両方を残すようにしましょう。


    被害状況を撮影した写真は、同じ賃貸住宅に住み続けられる場合も、その物件からの退去時に住宅の損傷があった際、それが自身の過失によるものなのか、地震の影響によるものなのかを判断する際に使用する可能性があります。


    罹災証明書の申請

    災害義援金の受け取りや仮設住居への入居申し込みのためには、家屋の被害の程度等を証明する「罹災証明書」を取得する必要があります。


    証明書は、市区町村が発行します。


    罹災証明書の申請手順について詳しくは、以下のページもご覧ください。


    【「罹災証明書」の申請手順】申請期限や保険適用に必要な写真撮影





    災害で元の家に住めなくなってしまったら、次に住む場所はどのように探せばいい?


    災害で元の家に住めなくなってしまったら、次に住む場所はどのように探せばいい?


    大規模な災害が発生した場合、元々住んでいた家に戻ることが難しくなってしまった被災者には、災害救助法に基づき、「応急仮設住宅」が提供されます。


    この「応急仮設住宅」には、災害発生後に建設されるプレハブや木造などの「建設型応急住宅」と、民間の賃貸住宅を国や自治体が借り上げて被災者に提供する「賃貸型応急住宅(※)」があります。


    (※)「賃貸型応急住宅」は、平時には一般的な賃貸物件として扱われる物件を仮設住宅とみなして扱うことから、しばしば「みなし仮設住宅」とも呼ばれます。


    報道等ではこちらの名称が使われることも多いため、以降、この記事でも「みなし仮設住宅」の名称を使います。


    東日本大震災では建設型応急住宅のための土地を確保することが難航したため、近年は「みなし仮設住宅」が仮設住宅の主流となってきています。


    いずれも救助期間は最大2年間とされており(ただし災害の規模によって延長の可能性もあります)、その間被災者は家賃負担の必要がありません。


    ただし、被災地域に住んでいる人なら誰でも利用できるわけではなく、入居できる条件が決められています。


    自治体のウェブサイトやチラシなどで確認し、必要に応じて手続きを進めましょう。


    前述した二つのタイプの仮設住宅には、それぞれメリット・デメリットがありますので、いくつかの例を紹介します。


    「建設型応急住宅」のメリット・デメリット

    メリット


    ・支援物資や情報を手に入れやすい


    ・被災者同士で交流しやすい


    デメリット


    ・防音性などの住環境が気になる場合がある


    ・住宅の種類によっては、段差やスペースの問題から車いす利用者等が生活できない


    「みなし仮設住宅」のメリット・デメリット

    メリット


    ・新たな仮設住宅の建設を待つ必要がないため、比較的早く入居できる


    ・建設型応急住宅よりもプライバシーを確保しやすい


    デメリット


    ・賃貸住宅が少ない地域で災害が発生した際は、自宅から遠く離れた地域まで移動しないと利用できない場合がある


    ・そもそも大人数が住める賃貸物件が少ないため、世帯の人数が多い場合には全員で入居できる物件を探すことが難しい



    このようなそれぞれのメリット・デメリットを見比べてどちらに入居するか決定できれば良いのですが、大規模災害発生後の混乱状況の中では二つのタイプの仮設住宅が両方用意されるのか、用意されるとしても同じタイミングで提供されるかはわかりません。


    非常時には自治体も民間も混乱しており、被災者のための制度や救済措置をすぐに整えることはできないからです。


    「みなし仮設住宅に申し込んだために、後日受付を開始した建設型応急住宅に入居できなくなる」ということも起こり得ますが、必ず建設型応急住宅が用意されるかどうかもわからないため、そのとき最善だと思える選択をしていくしかありません。


    平時に私たちができることは、これまでの大規模災害発生時の自治体・民間の動きを学び、ある程度の見通しを立てて心の準備をしておくことだと言えるでしょう。 







    【災害に備えて賃貸居住者がしておくべきことは?】まとめ


    【災害に備えて賃貸居住者がしておくべきことは?】まとめ


    この記事では、地震等の災害について、賃貸居住者が事前に備えておけることや被害が発生した際行うべきこと・注意点について解説しました。


    ・賃貸に入居したら、なるべく早く家具などの転倒防止措置を取る(近年は壁や床に跡を残さない固定用グッズも多い)


    ・家財の損傷時に備えたい場合は、地震保険に加入するのもおすすめ(自身の心配する内容が地震保険でカバーできるのかについては、事前の確認が必須)


    ・被災してしまった場合には、家を片付ける前に、建物内外の被害状況を写真に残しておく。


    ・被害が大きかった場合は、様々な手続きに必要となる「罹災証明書」を取得する。


    ・元の家に住むことが難しくなってしまった一定の条件を満たす被災者には、仮設住宅が提供される。


    ・仮設住宅には「建設型応急住宅」「みなし仮設住宅」の二種類があり、平時にそれぞれの特徴や過去の事例を確認しておくと良い。


    日本は災害が多いため、残念ながらどこに住んでいても絶対にその被害に遭わない方法はありません。


    「自分は大丈夫」と楽観視せず、いざというときのための備えを日頃から少しずつ行っていきましょう。





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      賃貸専門家:木寅 昌紀

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