【友人に連帯保証人を頼まれたら?】適切な断り方と承諾する際の注意点
友人から賃貸の連帯保証人を頼まれたら断るべき?適切な断り方は?
親しい友人から「連帯保証人になってほしい」と頼まれたら、どのような返事をするべきか悩んでしまいますよね。
友情を大切にしたい気持ちは理解できますが、連帯保証人には大きな責任とリスクが伴います。
一度引き受けると借主の支払い能力に関係なく、家賃や修繕費を請求される可能性もあります。
安易な判断が思わぬトラブルを招くこともあるため、慎重な対応が必要です。
このページでは連帯保証人の仕組みやリスク、適切な断り方、もし引き受ける場合の注意点について詳しく解説します。
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連帯保証人とは?その責任の重さを理解する
賃貸借契約における連帯保証人は借主が家賃を滞納したり、契約上の義務を果たせなくなった場合に借主に代わって責任を負う存在です。
単なる保証人とは異なり、連帯保証人は法律上「借主と同等の支払い義務」を負います。
そのため、貸主は借主に請求することなく直接連帯保証人に対して未払金を請求することができます。
さらに、連帯保証人には以下の権利がありません。
催告の抗弁権:貸主に対し「まず借主に請求してほしい」と主張する権利
検索の抗弁権:借主に支払い能力があるかを確認するよう求める権利
つまり、借主が支払い可能な状況であっても貸主は連帯保証人に直接請求できるのです。
また、連帯保証人が請求を受けた場合、たとえ自分の生活に大きな影響が出ても支払いを拒否することはできません。
支払いを滞らせれば、給与の差し押さえや自己破産に追い込まれるリスクもあります。
したがって、連帯保証人を引き受けることは、自分の経済状況に重大な影響を及ぼしかねない決断であることを理解しておく必要があります。
連帯保証人を引き受けるリスクとは?
友人の頼みだからといって安易に連帯保証人を引き受けると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ここでは、主なリスクを紹介します。
家賃の肩代わり
連帯保証人になる最も大きなリスクは借主が家賃を滞納した場合、連帯保証人がその全額を肩代わりしなければならないことです。
滞納が長期間続くと、数十万円から数百万円の負担になる可能性もあります。
さらに、支払いが滞れば延滞金が加算され負担額はますます膨らんでいきます。
借主が連絡を絶ち所在がわからなくなった場合でも、保証人は支払い義務を逃れることはできません。
最悪の場合、保証人自身が経済的に困窮し、生活に深刻な影響を及ぼすことも考えられます。
物件の修繕費用の請求
借主が退去する際、物件に損傷があれば修繕費用が発生します。
本来は借主が支払うべき費用ですが、借主が支払いを拒否したり資金がなかった場合は連帯保証人に請求が及びます。
壁や床の傷といった軽微なものから、設備の故障や水漏れなど高額な修繕が必要になるケースもあります。
特に、借主が原状回復義務を怠ったまま退去し、そのまま連絡が取れなくなるとすべての責任が保証人にのしかかります。
修繕費用の請求はまとまった額になることが多く、支払いに応じられなければ法的措置を取られる可能性もあります。
友人関係の悪化
借主である友人が家賃を滞納した場合、お金の問題で関係がこじれることがあります。
「友人だから信頼していたのに」と思っても、一度金銭問題が絡むと修復が難しくなることも少なくありません。
滞納が続けば「なぜ支払ってくれないのか」と責める気持ちが生まれ、借主側も「保証人になったのだから仕方がない」と開き直ることがあります。
結果として、感情的な対立が深まり、長年築いてきた友情が完全に壊れてしまうことも珍しくありません。
保証人を引き受ける前に、本当にその友人をどこまで信用できるのか慎重に考える必要があります。
信用情報への影響
連帯保証人として支払いを行えなかった場合、信用情報に傷がつき今後の住宅ローンやクレジットカードの審査に影響を及ぼす可能性があります。
一度でも延滞履歴が記録されると信用情報機関にその情報が残り、数年間は金融機関の審査で不利になることがあります。
特にマイホームの購入や事業資金の借り入れを考えている場合、ローン審査に通らなくなるリスクが高まります。
また、クレジットカードの新規発行や限度額の増額が拒否されることもあり、日常生活にも支障をきたしかねません。
連帯保証人を引き受けることは、単なる一時的な負担ではなく、将来的な金融取引にまで影響を及ぼす重大な決断であると理解しておきましょう。
連帯保証人を頼まれた時の適切な断り方
親しい友人から連帯保証人を頼まれると「断ると友情が壊れるのでは?」と悩む方も多いでしょう。
しかし、費用を請求されたり信用を失うなどのリスクを考えると、引き受けることは賢明ではありません。
ここでは、友人との関係を悪化させずに連帯保証人を断る方法を紹介します。
経済的事情を理由にする
「連帯保証人は責任が重すぎて、もし何かあった時に対応できる自信がない。申し訳ないけど引き受けられない」
といったように、自分の経済的状況を理由にすれば無理をせずに断ることができます。
家族の意向を理由にする
「家族に相談したら、連帯保証人は絶対ダメだって言われてしまった」
といったように、家族を理由にすることで個人的な拒絶ではなく外部の事情として断りやすくなります。
代替案を提案する
「保証会社を利用すると、保証人がいなくても契約できることがあるみたいだよ。調べてみたらどう?」
といったような代替案を示すことで、単に拒否するのではなく友人の問題解決に協力する姿勢を示せます。
それでも連帯保証人を引き受ける場合の注意点
しかし、リスクがあると理解していても、長い付き合いの友人が本当に困っているときは助けてあげたいと思ってしまうかもしれません。
どうしても断りきれずに連帯保証人を引き受ける場合は以下の点に注意しましょう。
借主の信用を慎重に確認する
借主が過去に家賃滞納歴があるか、安定した収入があるかを確認することが重要です。
借主の収入が不安定な場合、滞納リスクが高まります。
連帯保証人の範囲を限定する
契約書に「連帯保証人の責任範囲を家賃のみとする」などの条件を明記し、不測の費用負担を防ぎましょう。
書面で契約内容を確認する
口約束ではなく、契約書の内容を細かく確認し自分に不利な条項がないかをチェックすることが大切です。
退去後の責任を明確にする
退去後も未払い金があると、連帯保証人が請求を受ける可能性があります。
契約終了時には、すべての支払いが済んでいるか確認しましょう。
【友人に連帯保証人を頼まれたら?】まとめ
友人から賃貸の連帯保証人を頼まれた場合、慎重に判断することが大切です。
連帯保証人には家賃滞納や修繕費用の負担など、多くのリスクが伴います。
友人関係を守れるよう適切に断れば、無用なトラブルを避けることができます。
どうしても引き受ける場合は、契約内容を十分に確認し責任の範囲を限定する工夫をすることが重要です。
賢明な判断を心掛け、双方が後悔しない選択をしましょう。
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