【賃貸の電子契約とは何?】流れとIT重説の注意点など詳しく解説!
電子契約はどんな流れ?借主側が注意すべき点は?詳しく解説!

様々な業界でペーパーレス化が進んでいますが、
2022年5月より、不動産賃貸借についても電子契約が可能になりました(※)。
(※)ただし、不動産賃貸借において電子契約はあくまで「可能になった」のであり「義務化された」わけではないこと、全ての不動産屋が電子契約に対応しているわけでないこと、借主側が使用するデバイス(特にスマートフォン・タブレット)によっては
必要な作業が行えず対応できない場合があることについては、注意してください。
では「電子契約」とはそもそもどのような契約を指すのでしょうか?
また、不動産賃貸借の電子契約はどのような流れで進み、どのようなメリット・デメリットを持っているのでしょうか?
この記事では、こうしたよくある疑問への回答を中心に、詳しく解説していきます。

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賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。


そもそも電子契約って何?

紙を使用せず、インターネットを介して電子データを使って契約を結ぶこと/span>を「電子契約」と呼びます。
これまで賃貸借契約を行ったことがある方なら、不動産屋で紙ベースの賃貸借契約書に署名・捺印した記憶があるかと思います。
電子契約の場合は、第三者による改ざんや捏造を防ぐシステムが取り入れられている電子契約サービス上で署名する(活字等で行うことができます)ことで、その代わりとすることができます。
不動産賃貸借の電子契約の流れって?

不動産賃貸借の電子契約の一般的な流れは、以下の通りです。
1.電子契約を実施する旨を双方で確認する
実際の契約に進む前に「不動産賃貸業者と借主、お互いに電子契約を行うための条件(システムや必要機器など)がそろっているか」「契約のどの部分を電子化するか」「今後の流れ」等を確認します。
重要事項説明書や賃貸借契約書等の書類を電子データのみで受け取ることにした場合、書面または書面に出力できる形式でその旨を記録する必要があります。
承諾した後であっても、もし「やっぱり電子データではなく、紙ベースに変更したい」と思った場合には切り替えることができるので、不動産賃貸業者に申し出ましょう。
なお、IT重説を受けたいと借主側が希望した場合はクーリング・オフの対象外となってしまうため、その点も注意してください。
2.不動産賃貸業者が重要事項説明書・契約書を用意してもらえるので、そちらに電子署名を行いましょう。
3.オンラインによる重要事項説明(IT重要事項説明(略称:IT重説))を受ける
重要事項説明とは、不動産賃貸借に関して言えば、借りる予定の物件の内容や契約にあたっての条件などについて、不動産賃貸業者(宅地建物取引士)から借主が受ける説明のことです。
例えば「退去時のハウスクリーニング代は敷金から出されるのかどうか」「借りる物件では何が禁止されているのか(ペットの飼育や楽器演奏など)」等が、説明の内容に含まれます。
従来は不動産屋に出向いて受けなければならなかった重要事項説明ですが、法改正によって、オンライン(LINEやZOOM等を使用)でも受けることが可能になりました。
オンラインで行われる重要事項説明は「IT重説」とも呼ばれます。
IT重説の場合、もし不動産賃貸業者の許可を得られたら、この説明を録画することもできます。
IT重説を実施する際、不動産賃貸業者は事前に重要事項説明書を借主側にメール等で提供しなければならないこととなっています。
主側は実施日までに内容に目を通して、当日確認したい点や疑問点などをメモしておくと良いでしょう。
4.借主側が電子署名を行う
署名をする前に、事前に受け取っていた重要事項説明書の内容から変更されている箇所がないか、よく確認しましょう。
5.電子署名済みのデータを保管する
ここまでご紹介したのは一般的な流れですが、不動産賃貸業者と相談して問題がないようであれば「重要事項説明は対面で受けるが契約は電子上で行う」「契約は紙ベースとするがIT重説を受ける」等、これらのうち一部だけを取り入れることも可能です。


不動産賃貸借を電子契約とする借主側のメリット・デメリットって?

メリット
署名・捺印の手間を減らすことができる
様々な書類に何度も署名・捺印することは、時間も手間もかかります。
字を書くことや捺印が苦手だという方もおられるでしょう。
電子契約であれば、こうした手間をカットすることができます。
移動の手間を減らすことができる
重要事項説明もオンラインで受けられ、契約書への署名もオンラインで完結できるため、忙しい方や体が動かしづらい等の理由で移動に困難を感じる方でも、スムーズに契約しやすくなります。
特に、遠方に引っ越す方の中には「物件を内見してから少し考える時間を設けた上で契約に進みたいけど、何回も引っ越し先のエリアに行くのは時間もお金もかかるから悩む…」と考えている方もいるかもしれません。
電子契約であれば、契約手続きのために遠方に足を運ぶ必要がありません。
デメリット
書類の内容を把握しづらい
紙に書かれている文章を読むときは「文字を指でなぞったりすることで視覚情報以外に触覚情報も入る」等の理由から、PCなどのディスプレイで文章を読んだときよりも情報を把握しやすくなると言われています。
「画面で文章を読むと読みづらい/全体像が把握しづらい/目が滑ってしまって不安」等、心配がある方は、ペーパーレス化のメリットは減ることにはなってしまいますが、IT重説前に不動産賃貸業者から送られてきた資料を印刷し、内容を確認しておくと安心です。
資格を持っていない担当者による不正な説明が行われる可能性がある
IT重説を行う際、不動産賃貸業者は借主が宅地建物取引士証を確認できるようカメラに提示することが義務付けられていますが、資格のない担当者にIT重説を担当させる悪徳業者も絶対に存在しないとは言い切れません。
利用する不動産賃貸業者は事前に口コミなどを調べて評判が良いところを選び、当日も担当者が宅地建物取引士証の提示を忘れたり避けたりしていないか、借主側もしっかり注意しておきましょう。


【賃貸の電子契約とは何?】まとめ

この記事では、「電子契約」とはそもそもどのような契約を指すのか、不動産賃貸借の電子契約はどのような流れで進むのか、どのようなメリット・デメリットがあるのか等について、解説しました。
・2022年5月から、不動産賃貸借についても電子契約が可能になった
・不動産賃貸借の電子契約は
「不動産賃貸業者が賃貸借契約書と重要事項説明書を用意し電子署名を行う」
↓
「借主側が重要事項説明書の内容を事前に確認する」
↓
「オンラインによる重要事項説明(IT重説)を受ける」
↓
「借主側が電子署名を行う」という流れで進む
・「IT重説を受けるが、重要事項説明書・賃貸借契約書については紙ベースのものを使う」など、一部の手続きのみ電子化することも不動産賃貸業者側の許可が得られれば可能
・不動産賃貸借の電子契約のメリットには「署名・捺印の手間を減らすことができる点」や「移動の手間を減らすことができる点」
デメリットには「書類の内容を把握しづらい点」や「資格を持っていない担当者による不正な説明が行われる可能性がある点」が挙げられる
時間の余裕がない方や遠方に引っ越しを予定している方にとって特にメリットの大きい、不動産賃貸借の電子契約。
注意事項を確認し、安全面に気をつけた上で活用していきましょう。
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