【里山自然教室「ササユリの香る丘見学ツアー」】日程やアクセスなど詳細情報
初夏に咲く日本を代表するユリの花「ササユリの香る丘見学ツアー」に行こう
世界中に分布するユリの花の中でも日本の固有種とされるササユリは、古事記にもその名が登場するほど歴史のある花です。
そんなササユリは保護区などで大切に育てられていることも多く、花を見る機会はそれほど多くありません。
そこで、来る6月に行われるササユリの見学ツアーをご紹介します。
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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
日本固有で歴史のある花『ササユリ』とは?
ササユリとは、100種類以上あるとされるユリ科の花で、葉や茎の形状が笹に似ていることからササユリと呼ばれています。
日本では中部以西で広く分布しており、地域によってはヤマユリと呼ばれることもあります。
古事記にも登場するほど古くから愛でられている花でもあり、市や町の花として指定されている自治体も多い花です。
花は初夏の5~7月に開花し、淡いピンク色の花を咲かせます。
花被片の長さは10~15cmと大きく、漏斗状に反り返ったユリ科特有の花は山林の中でも一目でそれと分かるほど特徴的です。
赤褐色の花粉を付けた6本の雄しべには芳香があり、これもユリ科の花の特有の良い香りがあります。
秋には種を付けますが、発芽するのは翌々年の春と2年ほどかかるだけでなく、自然界で花が咲くにはなんと7年という歳月がかかります。
しかも、環境変化に過敏という繊細な花であるため、近年では自然の残る野山でも非常に珍しい花となりました。
そのため、自然界に自生している地域は保護区などに指定され、丁寧に守られ育てられています。
初夏に咲くササユリ
奈良県内でササユリを見ることができる場所は非常に少なく、その1つが奈良盆地南部の明日香村にある甘樫丘(あまかしのおか)です。
甘樫丘は日本書紀にも登場する場所で、7世紀前期には当時の有力者であった蘇我蝦夷(そがのえみし)、入鹿(いるか)親子が大邸宅を構えていた場所です。
現在は国営飛鳥歴史公園として管理されている5つの地区の1つで、25haという広大な敷地に多くの自然が残されています。
甘樫丘には「万葉の植物園路」という全長2.3kmの遊歩道があり、万葉集・古事記・日本書記に歌われた40種類の植物を観察することができるようになっています。
その園路から少し離れた普段は立ち入り禁止となっている保護地区でササユリが大切に育てられています。
「ササユリの香る丘見学ツアー」でササユリを見に行こう!
甘樫丘は飛鳥歴史公園ボランティア「飛鳥里山クラブ」が環境保全・保護増殖に取り組んでいます。
「ササユリの香る丘見学ツアー」は、普段立ち入り禁止となっている保護地区に、ボランティアガイドと共に入ることができるツアーです。
ツアーのメインはもちろんササユリですが、初夏に咲くその他の花々も多く、ガイドに案内してもらいながら季節の花を観察することができます。
集合場所:国営飛鳥歴史公園 甘樫丘地区 豊浦休憩所
開催日程:2023年 6月3日(土)・4日(日) ※雨天中止
開催時間:①10:00~ ②11:00~ ③13:00~ ④14:00~ ※所要時間1時間程度
参加定員:各回15名 ※小学生以上対象
参加費用:100円
申込先 :飛鳥管理センター 0744-54-2441
事前申込が必要なツアーですが、空きがあれば当日受付も可能です。
申込みの際は管理センターに【氏名・人数・代表者連絡先・見学希望時間】をお伝えください。
自然を残す野山を歩くため、歩きやすい靴や服装での参加が必要です。
虫さされなどもあるため長袖・長ズボンなど、ハイキングや軽登山に適した服装が理想です。
草花の観察・記録のためにカメラや双眼鏡などの持ち込みは可能ですが、通路が狭いため三脚などを立てて止まっての撮影は迷惑となります。
甘樫丘へのアクセスは?
最寄り駅は近鉄「橿原神宮前駅」です。
駅を出て徒歩で30分ほどの距離ですが、明日香村の観光地を周遊するのに便利なレンタサイクル、橿原神宮前駅東口から飛鳥方面へと向かう路線バスなども利用できます。
国営飛鳥歴史公園全体を周遊する場合は「飛鳥駅」を起点に巡るのも良いでしょう。
レンタサイクルや明日香村を巡って橿原神宮前駅までを結ぶ路線バスも同様にありますので、どちらの駅からでもアクセスは良好です。
古都飛鳥で季節の花を愛でよう
前述のとおり、甘樫丘では環境保全と共に多くの植物の保護増殖に取り組まれています。
植物園にある温室や花壇とは異なり、自然の中で育つありのままの花を愛でることができる貴重な環境です。
古都飛鳥の地で、古くから愛された花々が咲く姿には古代浪漫を感じることができるでしょう。
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担当者:古川真史
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