【おふさ観音 風鈴まつり】スケジュールや見所をご紹介
橿原市の夏の風物詩 おふさ観音『風鈴まつり』
夏の暑い時期、古来より日本では風鈴の音に耳を傾けるという風流な涼の取り方があります。
そんな風鈴を無数に集め、お寺の境内を心地よい音で満たす行事はご存じでしょうか?
奈良県中部の橿原市にあるおふさ観音の『風鈴まつり』をご紹介します。
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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
奈良県橿原市にある「おふさ観音」はバラと風鈴のお寺
おふさ観音は、高野山真言宗・別格本山のお寺です。
現在の本堂があるあたり一帯はかつて鯉ヶ淵(こいがふち)と呼ばれる池でした。
1650年の4月、この地に暮らしていた「おふさ」という娘が、鯉ヶ淵に白い亀の背中に乗った観音様が現れたのを見て、お堂を立てて観音様をお祀りしたのが起源といわれています。
その観音様はさまざまな願いをかなえてくれるということで周囲の村人に厚く信仰され、やがて「おふさ観音」と呼ばれるようになりました。
現在の本堂は明治時代に周辺住民の協力の元、多くの寄付を集めて建てられました。
高野山からお坊さんを招き、現在の高野山真言宗・別格本山へと発展していきました。
おふさ観音は時の権力者や特別な地位の人に建立されたお寺では無く、周辺住民の手で建てられ守られている庶民信仰のお寺なのです。
そんなおふさ観音の境内にはバラ園があり、約4000種類ものバラが咲き誇るだけでなく、四季を通してさまざまな花が咲く庭園です。
「元気が出るお寺」であることを大切にされ、美しい花を見て心身をリフレッシュし、日々を過ごす元気や活力を得てもらおうという思いが現在の美しいバラ園を作り上げています。
そして、夏になると境内やバラ園のいたるところに風鈴が吊り下げられる『風鈴まつり』が行われます。
おふさ観音の『風鈴まつり』とは?
おふさ観音では春のバラまつりが終わる頃、慌ただしく準備が行われ始まるのが『風鈴まつり』です。
期間は7月1日~8月31日と、夏の暑い時期に2か月間もの長い間行われます。
境内の至るところに風鈴が吊り下げられ、その数は2500個と非常に多くの風鈴が涼やかな音色を響かせます。
カラフルで光が透けるガラスの風鈴や長く高い音が鳴り響く鉄器の風鈴に色とりどりの短冊が結ばれており、音だけでなく見た目にも癒されます。
元々、おふさ観音の周囲では夏の厄払いにお参りをする風習がありました。
今ほど冷蔵庫やエアコンといった家電が普及していなかった時代には、暑さで体力が落ちたり食あたりなどで体調を崩すことが多く、身体の健康を授けるお寺として有名であったおふさ観音に、無事に夏を乗り切れるようにと厄払いに訪れる方が後を絶ちませんでした。
夏に多くの方が訪れることから、暑い中でも心地よく感じてもらえるようにと始めたのが夏の風物詩でもある風鈴でした。
風鈴の起源は古代中国の「風鐸」といわれ、寺の軒先に吊り下げた小さな鐘が風に揺られて鳴る音が魔除けになるというものです。
それが仏教と共に日本に伝わり、平安貴族が自宅の軒先に釣ったのが風鈴の始まりと言われています。
風鈴の起源には魔除けや厄除けといった効果もあり、その音色に涼しさを感じられることから、厄払いに来られる方に向けて2003年に始まったのがおふさ観音の風鈴まつりです。
夏をただただつらいものとせず、先人たちの知恵で楽しく心豊かに暑さを乗り切ってもらこうというおまつりです。
おふさ観音の風鈴まつりに訪れるなら
風鈴まつりの期間中は、地元の奈良風鈴や南部鉄器で作られた南部風鈴など、約90種類の風鈴の販売も行われています。
風鈴の音色を自宅でも楽しみたいという人には、多数の風鈴の中から気に入ったものを選んで購入することができます。
同じく期間中はおふさ観音の奥にある「茶房 おふさ」で、夏期限定のかき氷を提供しています。
ふわふわに削られたかき氷には毎年趣向を凝らしたソースやトッピングがあり、暑い夏には欠かせないかき氷を境内で風鈴の音色を楽しみながら堪能することができます。
また、おふさ観音では、年に一度7月17日に夏まつり・夜まつりが行われます。
風鈴まつりの期間中に行われ、通常17時で閉門される境内が21時まで解放され、境内にはランプが設置されます。
やわらかなランプの明かりでガラスの風鈴がライトアップされることで、幻想的な世界が広がります。
門前には露店が並ぶほか、19時より本堂前で夏の厄払い・癌封じのお加持を受けることもできます。
高野山真言宗 別格本山「おふさ観音」へのアクセス
高野山真言宗 別格本山の詳細情報
・住所:奈良県橿原市小房町6-22
※自家用車で来られる場合、無料駐車場が合計20台分以上ありますが、期間中の休日は混雑が予想されます
・電話番号:0744-22-2212
・開門時間:7時~17時(本堂は9時~16時)
・最寄り駅:JR桜井線「畝傍駅」より 徒歩10分
近鉄橿原線「大和八木駅」「橿原神宮前駅」より タクシー利用で10分
・公式HP:「おふさ観音」公式サイト
暑い日を乗り切るアイテムに風鈴を
エアコンなどが無かった時代には、暑さを凌ぐために打ち水や風鈴の音色で涼を取るのが定番でした。
近年は住宅事情もあり風鈴の音色を聴く機会も減っているため、テレビなどを通じて聴く音色にどこか懐かしさを感じる人も多いでしょう。
この夏は、そんな風鈴が集まる『風鈴まつり』で懐かしくもあり新しい納涼体験に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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担当者:古川真史
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