【奈良の東大寺で行われる大仏さまのお身拭い】行事内容や日程について
奈良の東大寺で行われる大仏さまのお身拭いとは?
奈良には無数のお寺がありますが、とりわけ最も有名なお寺と言えば東大寺です。
東大寺にある奈良の大仏、盧舎那物像は世界にもよく知られた日本の仏像の代表のような存在です。
そんな大仏さまに関わる「お身拭い」という行事は、毎年夏に行われる伝統行事となっています。
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「お身拭い」はどんな行事なの?
「お身拭い」は「おみぬぐい」と読み、字の通り大仏さまの拭き(掃き)掃除の行事を指し、大仏さまの身体を清めるための行事として行われています。
東大寺の大仏さまは、誰でも分け隔てなく見ることができるように公開され、東大寺大仏殿は解放されているために外気に触れやすく、塵や埃といった汚れも入りやすくなっています。
特に大勢の観光客が行き来することもあるため、大仏さまをキレイにするために欠かせない行事となっているわけです。
今回は、そんなお身拭いが行われる詳しい時期や内容などをわかりやすくお伝えします。
「お身拭い」はいつ行われるの?見学は出来るの?
お身拭いの日程は、曜日に関わらず1年に1度、毎年8月7日に行われます。
古くから行われているお身拭いですが、1963年から決まって毎年8月7日に行われています。
2020年及び2021年はコロナ禍の影響により中止されていましたが、2022年8月7日には3年ぶりにお身拭いが行われ、全国的なニュースにも取り上げられたことで目にした方も多いでしょう。
もちろん、一般の観光客でもお身拭いの様子を見学することができます。
年に一度しかない行事のため、お身拭いを見るために準備をして来る方も少なくないようです。
午前7時になるとお身拭いの作業が始められ、午前9時半ごろには終了となります。
早朝から始まる行事のため、隣の大阪や京都からでも始発に近い早朝の電車を利用するか、前日から奈良公園の近隣に宿泊していなければ難しいでしょう。
ただし、夏季の東大寺開門は午前7時半からのため、お身拭いの始まる時間を見学することはできません。
また、お身拭いを行っている日に特別な見学手順は不要です。
東大寺の拝観料金を支払い、通常通り入場すれば見学することができます。
早朝からの行事という事もあり、東大寺で行われる他の行事ほど見学者が多い行事ではありません。
多くの見学希望者が出る行事にみられる「事前申し込み」や「整理券の配布」といった手順が必要になったことはなく、3年ぶりの2022年でも特別な措置がいられてはいませんが、見学を希望する際は東大寺の公式ウェブサイトなどで事前に確認を行うと良いでしょう。
なお、お身拭いは普段から僧侶が行っている清掃とは異なり、参拝者を美しい姿でお迎えするためや、大仏様の美しい姿を後世に残すための行われる行事であり、粛々と行われる非常に「実務的」な行事となっています。
そのため、見せる(魅せる)ための行事ではないのでそういった期待はせず、見学時には伝統的に行われている行事を静かに見守ることに徹するのが良いでしょう。
「お身拭い」の具体的な内容は?
お身拭いは、僧侶や関係者など総勢100人以上の人の手で行われます。
近年では、2022年に3年ぶりに行われたお身拭いに140人ほどの人が清掃に参加されています。
まず、お身拭いを行う僧侶や関係者は早朝に二月堂にある湯屋で身を清め、白装束・藁草履姿に着替えます。
その後、午前7時になるとお身拭いを始める前に大仏様の魂を抜くための「撥遣(はっけん)」とよばれる儀式や読経が行われます。
これは、仏像や菩薩像、曼荼羅、仏壇、墓といった信仰の対象に宿る魂を抜き、物体へと戻す作業になります。
お身拭いでは掃除機などの機材は一切用いられず、全てが人の手で行われます。
大仏さまだけでなく大仏殿全体に及ぶ清掃のため、100人を超える人数で短時間に一気に終える様に役割を分担して清掃がスタートします。
中でも高さが15メートルにも及ぶ大仏さまの清掃は、天井から滑車で吊るされている「箱」と呼ばれるゴンドラのようなものに人が乗りながら清掃を行います。
人間のサイズから見れば大仏さまの顔や体などはほぼ垂直の壁のようなものでよじ登ったりすることはできず、さながらビル清掃のような手段を用いる以外に手段が無いためです。
こういった清掃の姿は他の寺では決して見ることができない、東大寺の大仏さまならではのスケール感があります。
なお、このお身拭いの際には大仏殿内もホコリが舞うのですが、このホコリを被るとご利益があると言われていますので、午前9時半ごろ、大仏さまや大仏殿の清掃が終わると魂を仏像に宿す「開眼」の儀式が行われ、お身拭いの行事は終了となります。
その後、大仏殿の消火設備点検のため放水試験が行われるので、普段は見ることができない大仏殿の様子を見ることもできます。
「お身拭い」を見に行くにはどうすれば?
お身拭いを見学する場合、「東大寺大仏殿」を目指すことになります。
電車であれば、近鉄・JRの奈良駅が最寄り駅です。
いずれも徒歩では距離があるため、奈良交通の「市内循環バス」を利用し、『東大寺大仏殿・春日大社前』で下車するのが最短です。
ただし、先に述べたように東大寺の開門が7時半のため、お身拭いはすでに始まっていますがそれより早く行っても入ることはできないので注意が必要です。
東大寺の詳細情報
・住所:奈良市雑司町406-1
・電話番号:0742-22-5511
・拝観料:大人(中学生以上)600円/小学生 300円
・公式HP://www.todaiji.or.jp/
【奈良の東大寺で行われる大仏さまのお身拭い】まとめ
大仏殿の「お身拭い」は、1年に一度のいわば大掃除です。
曜日に関係なく毎年8月7日と日付が決まっているため、見学ができる方は限られていますが、大仏さまに多くの人が集まり必死に清掃をする僧侶の方々など、普段は見ることができない大仏さまの様子を見ることができます。
早朝からの行事ではあるものの盆前の猛暑が騒がれる時期のため、涼しい時間帯に見学できる行事です。
他の行事と比べると人も少なく、貴重な様子を見ることができる機会と言えるでしょう。
お時間のある方は大仏殿へと足を運んでみてはいかがでしょうか。
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奈良での不動産キャリア23年以上の実績。これまで15,000人以上にお部屋を紹介。一人暮らしから家族向けまで幅広い賃貸情報に自信あり。休日は奈良の綺麗な街並みや歴史ある神社・仏閣、美味しい飲食店を巡ること。愛車はKawasaki。渡り鳥並みにズバ抜けた方向感覚を持ち、目印となる建物を伝えれば住所をピタリと一致させる特技あり。賃貸の専門家として様々なノウハウを仕入れ発信中。