【奈良のお茶「大和茶」とは?】お茶の文化や特徴について
「奈良の特産品」奈良のお茶「大和茶」って?
奈良県内では大和高原を中心にお茶の生産が行われており、大和茶と呼ばれています。
この大和茶とは一体どのようなお茶なのでしょうか。
どういった起源があるものなのか、またかつて盛んに行われていた紅茶用茶葉の栽培についてなど、詳しく解説していきます。
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賃貸専門家:古川 真史
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。
じつは奈良もお茶の栽培が盛んな土地!
お茶の産地と聞いてどこを思い浮かべますか?
多くの方が、まず「静岡県」と回答されるのではないでしょうか。
実際、静岡県のお茶の年間生産量は全国1位(農林水産省2020年統計より)で、2位の鹿児島県とともに圧倒的な生産量を誇っています。
また、全国的に知られているブランド茶・宇治茶を思い浮かべて「京都」と答える方もおられるでしょう。
京都府はお茶の生産量としては全国5位(同2020年統計)の位置にいます。
いっぽう、奈良のお茶と聞いてイメージが沸く方は多くないかもしれません。
ですが、じつは奈良県も、全国で7番目の生産量を誇るお茶の産地なのです。
奈良県で生産されるお茶は「大和茶」と呼ばれ、月ヶ瀬や田原など、おもに県内東北部の大和高原一帯で生産されています。
このあたりの日照時間の短さや昼夜の温度差の大きさ・地質などの条件が、おいしいお茶が育つのに適した環境になっているのです。
また、吉野川流域にあたる大淀町や東吉野村でも栽培が行われています。
それぞれの産地ごとに「月ヶ瀬茶」「田原茶」「柳生茶」「山添茶」「福住茶」「都祁茶」「室生茶」「大淀茶」といった銘柄がありますが、全国的にはそれらをひとつにまとめた「大和茶」の名で知られ、淹れた瞬間に広がるすがすがしい香りや温かみのある味わいがお茶好きの方々に愛されています。
空海が伝えた大和茶・寺院が伝えた茶文化
大和茶の起源はおよそ1200年、平安時代にまでさかのぼります。
806年に空海(弘法大師)が唐から持ち帰ったお茶の種子を、その弟子・堅恵が奈良にある自身の寺に蒔き、お茶の製法を伝えたのがはじまりと言われています。
ちなみに堅恵の寺は佛隆寺(仏隆寺)と言って現在の宇陀市に今もあり、春に開花する推定樹齢900年の「千年桜」が見どころとなっています。
このように大和茶のはじまりもそうなのですが、お茶をたしなむ文化ははじめ、仏教と密接にかかわり、寺院を中心に広がっていきました。
かの茶人・千利休が大成させた「わび茶」と呼ばれる茶の湯の様式も、起こりは室町時代中期の僧侶であり茶人・村田珠光によるものでした。
この珠光が奈良出身であることからも、奈良という地とお茶とは深い結びつきがあると言えるかもしれませんね。
かつて世界一になった奈良の紅茶!?
さて、こんにち大和茶として知られているのはおもに緑茶ですが、かつて紅茶の産地として高く評価されていた時代がありました。
紅茶の本場・イギリスで奈良の紅茶が世界一に輝いたことがある、と言ったら「まさか!」と思われるかもしれません。
ですがこれは実際にあったことなのです。
1958年(昭和33年)にロンドンで開催された「全世界紅茶品評会」で最優秀賞に選ばれたのは日本の紅茶、それも奈良の山添村で生産されたものでした。
日本で紅茶の生産が始まったのは明治時代。戦後には重要な輸出品として品種や産地に関する研究が行われていました。
そのなかで山添村は紅茶用の茶葉の生産に適した場所だとされ、大企業が工場を作り、さかんに栽培されるようになりました。
しかしその後、外国産の紅茶との価格競争に敗れ、茶畑が放棄されたり緑茶用の品種に植え替えられたりというかたちで、奈良での紅茶の栽培は一旦すたれていきました。
現在では「世界一の和紅茶をもう一度」と、山添の地でふたたび紅茶の栽培を始める農園が出て来るなど、緑茶とともに大和茶として広く愛されるようにという取り組みがなされています。
まとめ~大和茶の未来を見据えて~
いかがでしたでしょうか。
今回は奈良のお茶「大和茶」について見てきました。
いま、大和茶の生産者さん達が様々な新しい試みを行っておられます。
先にご紹介した紅茶用の茶葉の栽培や、有機・自然農法による栽培。
ハーブブレンドティーの生産や、手摘みで丁寧に仕上げた手もみ茶などなど……。
若い世代の生産者さんも関わって、未来を見据えた動きをみせている大和茶。ぜひ一度味わってみませんか。
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奈良在住25年以上。宅地建物取引士・賃貸経営管理士の資格保有。ルームアドバイザーとしてのキャリア18年以上の大ベテラン。不動産賃貸の関連はすべて媒介経験あり。奈良出身ではないのに奈良まほろばソムリエ検定(奈良通1級)取得する奈良への溺愛っぷり。奈良マニアの古川より独自な目線で賃貸情報を多数お届けします。