【契約書に書かれている署名と記名の違いとは?】法的効力についても併せて解説
契約書の署名と記名の違いって何?

賃貸住宅を契約するときには、必ず契約書と重要事項説明書(重説)を交わします。
契約書や重要事項説明書(重説)には文字がびっしりと書かれていますが、注意するべき点があるのです。
それは署名と記名なのですが、どのような違いがあるのか、どこに注意するべきなのか紹介していきます。

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賃貸専門家:安達竜哉
資 格:宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士の資格保有。特技は少林寺拳法とお部屋探し。奈良の不動産業界で16年以上、単身からファミリーの方など、年間で200部屋以上の仲介実績。特に奈良市内のマンション名を出して貰えれば殆どわかる自信あり。奈良市の賃貸事情に詳しい安達による、暮らしに関するお役立ち情報をお届け。
署名と記名の意味を知る

署名と記名は似ている言葉ですが、明確な違いがあります。
まずは「署名の意味」と「記名の意味」をしっかりと理解することが大切です。
両者にはきちんと意味が存在しているので、個別にどのような意味なのかを解説していきます。
署名の意味
署名というのは、改変ができない筆記用具を用いて氏名を書くことで、自著と呼ばれることもあります。
改変ができない筆記用具を用いる必要があるので、鉛筆では意味がありません。
ボールペンや万年筆などを用いて書く必要があります。
また、署名は自分で自分の名前を書く必要があるので、代理人など別の人が書いた場合には署名ではなくなります。
ただし、委任状があれば、代理人が書いた場合でも署名として扱われます。
記名の意味
記名の意味は、書面などに名前を書くことです。
どのような方法であっても、誰が書いても記名とみなされます。
筆記用具を用いて書いても問題ありませんし、ゴム印や電子的な方法で記載されても記名になります。
署名と記名の法的効力

自分自身で改変できない筆記用具を使って書く署名と、誰でも名前を書けば問題のない記名とでは、法的効力が異なっています。
そこで「署名の法的効力」と「記名の法的効力」について確認してみましょう。
署名の法的効力
署名を自分で行った場合、法律的に合意とみなされます。
例えば賃貸契約を交わすときに、署名や自著と書かれている場所に自分で名前を書けば、その時点で契約が成立となります。
これは賃貸住宅を契約するときだけではなく、スマートフォンや保険などの契約でも同じです。
だから署名の場合には、他人が書いたり改変が可能な筆記用具などで書いたりした場合は無効とされているのです。
代理人に署名を頼む場合には、委任状がなければいけません。
記名の法的効力
記名の場合には第三者が勝手に記入しても問題はありません。
そのため、記名で契約が成立することはないのですが、契約書を渡されたときに、すでに自分の名前が書かれていることもあります。
この場合は記名なので、契約書を作成した側が契約を希望する人の名前を書いても問題はありません。
この時点では契約は成立していませんが、記名されている名前に対して、押印されている場合は法的効力を持ちます。
この印鑑は誰が押しても法的効力を持つので、ここが注意しなければいけない点です。
よく契約書を交わすときに、自分の名前を書くのは面倒だと感じる人もいるでしょう。
しかし、自分で書く署名の方がより安心できるのです。
基本的には賃貸契約を行うときは、署名をするのが一般的ですが、人によっては住所や氏名をあらかじめ印字してほしいと希望することがあります。
より安心して契約を結びたいなら、面倒でも自分で住所や氏名を書くようにするべきです。
署名と印鑑について

賃貸契約を行う場合、署名以外にも印鑑を押す必要があります。
本来であれば署名だけでも契約は成立するのですが、なぜ印鑑を押す必要があるのでしょうか。
それは契約書の有効性をより強くするためです。
そのため、賃貸契約をするときには、きちんと内容の説明を行い、何か質問はないか聞いてから署名や印鑑を押すように指示されます。
トラブルが発生することがある賃貸契約では、必要不可欠なことだと言えるでしょう。
契約書の末尾に署名や押印をすることが多い

契約書を交わすときには、末尾に署名や押印をすることが多くなっています。
その理由としては、一通り契約書についての説明を行い、最後に署名や押印をするのが一般的だからです。
また、契約書を読みやすくするためでもあるのですが、法律で署名や押印の場所が決められているわけではありません。
基本的にはどこに署名や押印をしても問題はありませんし、署名や押印をする場所を設けなくてもよいのです。
しかし、きちんと場所を決めた方が、契約書自体が読みやすい上にわかりやすいので、末尾にしている契約書が多いのです。
電子契約書に署名をする方法

賃貸住宅の契約を行うときには、通常紙媒体になっているのが一般的です。
しかし、2022年5月に宅地建物取引業法及び借地借家法の改正法が施行されたことにより、今後は賃貸契約で電子契約書を用いることが可能となりました。
賃貸契約では必要不可欠である賃貸契約書と重要事項説明書も電子化することができるのですが、問題なのは署名の方法です。
主な署名の方法としては、「PDFファイルに署名」「文書やシートに署名」「電子契約サービスを使って署名」「メールに署名」この4パターンに分けられます。
PDFファイルに署名
契約書を作成するときに、よく用いられているのがPDFファイルです。
PDFファイルに署名をする場合、AdobeのAcrobat Readerなどが必要になります。
署名をしたいPDFファイルをAcrobat Readerなどで開き、ファイルタブのその他の形式で保存という欄を選択します。
さらに証明済みPDFをクリックすると、署名フィールドが表示されます。
その後電子署名を選択すると署名欄が表示されるので、新規署名ボックスを作成して保存します。
ここまで終わったら、デジタルIDの設定を行います。
設定が完了したら署名したい箇所をドラッグし、署名ボタンを押せば署名ができます。
署名の表示方法なども設定が必要になるので、PDFファイルを用いる場合には少々知識が必要です。
不明な点がある場合には、不動産屋に署名の方法を聞いておくとよいでしょう。
文書やシートに署名
賃貸契約を行うときにはあまり用いられることはありませんが、文書やシートに署名をすることも可能です。
文書というのはWord、シートというのはExcelだと考えてよいでしょう。
文書やシートに署名をする方法は簡単です。
挿入というタブの中の署名欄という項目をクリックし、コメントを追加できるようにすれば署名ができます。
WordもExcelも殆どやり方は一緒です。
電子契約サービスを使って署名
賃貸契約を行う場合、最も多いと言っても過言ではないのが電子契約サービスを使って署名する方法でしょう。
なぜなら最も手間が掛からず、あまりパソコンの知識がなくても簡単に署名ができるからです。
使い方は利用する電子契約サービスによって異なります。
利用するサービスによっては、1分程度で電子署名ができます。
しかも電子ファイルのままの状態でやり取りができるので、契約をする側も不動産屋側も作業の簡略化ができるのです。
メールに署名
賃貸契約では、WordやExcelと同じく殆ど用いられることはありませんが、メールに署名をすることもできます。
署名の方法も比較的簡単です。
メールで署名をする場合、利用するメールサービスによって方法が異なります。
ただし、PGPなどの規格に対応したサービスを利用しないといけません。
【契約書に書かれている署名と記名の違いとは?】まとめ

いろいろとややこしい点が多い賃貸契約書ですが、しっかりとポイントを把握しておけば問題ありません。
また、署名や記名のように、よく似ている言葉でも法的効力が大きく異なるものもあるので、きちんと把握しておくべきです。
最近では法改正によって、賃貸契約も電子契約書でのやり取りが可能になりました。
電子契約でも紙母体での契約でも、署名と記名の意味や法的効力は変わりません。
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