会社に引っ越しの報告は必要ですか?その理由や報告のタイミングなど
引っ越しをしたときに、勤めている会社に報告しなければいけないのか…悩む方は少なくないかもしれません。
その理由は面倒であることや上司にいろいろ詮索されるのが嫌だなぁと思うなどさまざまだとは思いますが、結論から言いますと、引っ越しの報告は必要です。
会社に届け出ている住所等に変更があった場合、会社に報告する義務が就業規則に定められているからです。
なぜ就業規則に定められているのかというと、会社が行なっている社会保険や税金等の手続きや通勤手当の算定などに影響するためです。
「面倒だから・・・」と軽い気持ちで報告を怠ると、税金の未納や業務上横領など大きな話に発展してしまう可能性もあります。
今回は、会社に引っ越し報告が必要な理由を詳しく解説するとともに、報告のタイミングについてもアドバイスさせていただきます。
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担当者:木原一憲
趣味は休日バイクでツーリングすること!不動産キャリア20年以上の経験と奈良生まれ奈良育ちの知識を活かし奈良の情報を語ります!
会社に引っ越しの報告が必要な理由
では、会社に引っ越しの報告が必要な理由と、報告を怠った場合に起こりうる不都合とはどんなことでしょうか。
1.社会保険や税金の手続きに正しい住所が必要になる
会社では総務または人事の担当者が、従業員の社会保険や年金等の手続きを代行してくれています。
その手続きに正しい住所が必要になるため、報告が必要になります。
会社が代わりに行ってくれている手続きには以下のものがあります。
・税金の支払い(源泉徴収、年末調整等)
・社会保険料(健康保険料や年金保険料)の支払い
給与明細に健康保険料や年金保険料が給料から天引きされた旨が記載されていると思いますが、それはそれらの支払いを会社が代行しているからです。
また、年末に年末調整の書類を職場から配られますが、その書類に基づいて年末調整をしてくれているのも会社です。
書類には現住所を記載する欄があります。
その際に会社に届けている住所と違う住所が記載されると引っ越しをしたことが会社にわかってしまいます。
報告を怠った場合に申告ケースに陥る可能性があるのは税金に関してです。
会社が代行で支払っている税金の中には住民税が含まれます。
住民税はその人が住んでいる市区町村に支払いを行うため、もし、会社が把握している住所と引越し先の住所の市区町村が違う場合、会社は引っ越し前の住所の市区町村に住民税を支払ってしまうことになります。
通常引っ越しの際には住民票を移すことになります。
そうすると旧住所にはあなたの住民票がないことになり、旧住所の役所から会社に「住民票がないため管轄が違います」と言う報告が入ることになり、引っ越しの報告がなかったことが会社にばれてしまいます。
また新しい住所地からは住民税が未納であると言う報告がされることになり、本人の気づかない間に税金が未納になってしまう可能性もあります。
税金の未納が発覚した場合には最悪追徴課税を徴収され本来の納税額よりも多くの金額を収めなくてはならなくなり、思わぬ損をしてしまうことになります。
以上のような理由から、引っ越し報告を怠ったことで総務人事担当者の仕事をいたずらに増やしてしまうことになる上、迷惑がかかりますので、上司に報告をするかしないかはまだしも総務人事担当者には必ず報告しないといけません。
2.交通費の受け取り金額を変更しなければならない
会社から通勤手当が支給されている場合、交通費が変更になるので支給金額の変更が必要になります。
当然この報告は会社から自宅が遠くなっても近くなっても必要です。
会社から遠い場所に引っ越した場合、交通費の支給金額が増えるので変更手続きをしておかないと受け取れるはずの交通費支給額が少なくなってしまいます。
では会社が近い場所に引っ越した場合は得するの?というわけではありません。
引っ越したことを会社に報告せずに高い通勤手当をもらい続けた場合、業務上横領に当たります。
本来かかる交通費よりも多くの通勤手当を受け取っていたことになりますので、発覚した場合、差額を返還請求される可能性もあります。
最悪の場合懲戒処分になることもあります。
また、通勤経路に変更がある場合は通勤災害の際にも影響が出ます。
万が一通勤途中に事故にあった場合、会社に届け出ている通勤経路と違うところでの事故だと、労災保険の通勤災害が降りないことになります。
(※そのため、会社に届け出ている通勤手段・通勤経路以外での通勤はなるべく避けたほうがいいでしょう。特にバイクや車で通勤される方は気をつけてください)
3.緊急事態が起こった時のために正しい住所を把握しておく必要がある
地震や台風大雨などの災害時や従業員の消息不明などの緊急事態に見舞われた時に正しい住所が分からなければ会社側が安否を確認できないことになります。
特に震災の場合、会社が従業員の安否確認をとりますので、正しい住所を報告しておくことは自分の身の安全のためにも必要です。
救援が必要な状態の際、助けてもらえる可能性もゼロではありません。
また、あまり起こってほしくないことですが、例えば従業員が無断欠勤して急に連絡が取れなくなった場合、そのような状況が一定期間続いた場合は上司や同僚が自宅に様子を見に行くこともあります。
よくニュースなどで行方不明になったことが発覚したきっかけが「無断欠勤が続いたので会社の同僚が自宅を訪ねると亡くなっていた」ということが報道されていますよね。
この時に正しい住所が報告されていないと自宅に行くことができません。
特に一人暮らしの場合は、突然倒れて動けなくなった状態のところを間一髪、助けてもらえることもあります。
自分の命を守るセーフティネットとしても報告は大事です。
4.就業規則に違反する可能性
多くの会社の就業規則には「引っ越し等によって住所が変更になった場合は速やかに会社に届け出ること」と記載されていることがほとんどです。
その理由は先ほどの3つがあるからです。
引つ越し報告のタイミングは?
引っ越しが決まった場合、いつ誰に報告すればいいでしょうか。
総務人事に報告するタイミング
引っ越しを総務人事担当者に報告するタイミングとしては、引っ越し先と引っ越し日が決まったときにすると良いでしょう。
多くは口頭で良いはずです。
会社によっては変更手続きの書類を書いてくださいと言われることもありますが、まずは何らかの形で報告し、必要な手続きがあると言われればそれに従えば良いでしょう。
最大いつまでに報告すれば良いかと言えば引っ越し後1週間が限度でしょうか。
必要書類の提出に引っ越しをして何日までと言う期限が設けてある場合もありますのでなるべく早く報告するようにしましょう。
上司への報告は必要か
引っ越し先が会社から遠くなる場合、事前に相談した方がいいかもしれません。
通勤時間が長くなるため従業員の体調変化を心配される場合もあるからです。
また緊急対応を求められる職場においては、同僚たちのとの業務フローの変更なども検討しなければならなくなるので、報告しておく方が良いでしょう。
総務人事への報告は必須ですが、上司への報告がどうしても嫌であればしないと言う選択肢もあります。
プライベートなことなので、言いたくなければ言わなくても構わないでしょう。
ただ意地でも内緒にしたいと言うわけでもないならば、日常会話程度に引っ越しました件の報告はしておいてもいいかもしれません。
会社で年賀状をやり取りする習慣がある場合は12月までには引っ越して住所が変わったことを伝えておいた方が良いでしょう。
一応年賀状は転送届けをしておけば届きますが、こちらから出した年賀状の住所が変わっていた場合、あれ住所が変わったのか?と思われて俺に報告がなかったと失礼な奴だと思われる可能性もあります。
【職場に引っ越しの報告は必要?】まとめ
以上、会社への引っ越し報告が必要な理由と報告のタイミングについて解説しました。
会社は、私たちが普段意識しないところで私たちの必要な手続きを代行してくれています。
そのため、ちょっとした報告の遅れが総務人事担当者に余計な手間をかけてしまうことになったり、自身の金銭的な負担を増やしてしまうことになるので、住所が変わることが分かればなるべく早く報告しておきましょう。
このことはぜひ、「引っ越しの際に必要な手続きリスト」に入れておいてくださいね!
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