住民票の異動手続きはしないとどうなる?
【住民票の異動手続きについて】引っ越し後に住民票を移さないとどうなるの?
引っ越しをして新しい生活をスタートする際には、役所への届け出や郵便物転送の手配などさまざまな手続きが必要となります。
そのなかで、忘れがちなのが「住民票」の異動です。
基本的に住民票は引っ越しをしてから14日以内に異動させなくてはなりませんが、住民票を移さないとさまざまなデメリットが生じます。
今回は、住民票の異動について、異動させないことで発生するデメリットや住民票の異動方法などについてご紹介します。
決められた規則を守って気持ちよく新生活を始めるためにも、ここでしっかり住民票について確認しましょう。
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担当者:木寅昌紀
生粋の奈良県民の私が宅地建物取引士や賃貸経営管理士の目線で奈良の賃貸情報や暮らしの事、エリア情報まで幅広く発信します!
住民票とは?そもそも住民票は何のためにあるの?
住民票とは、個人の居住関係に基づいて世帯ごとに編成されている、氏名や生年月日、性別、世帯主との続柄などが記載されている記録です。
住民基本台帳法によって日本の市町村・特別区ごとに作成された住民台帳にまとめられており、おもに選挙人の登録や現住所の証明、人口の調査、納税、免許の取得時などに利用されます。
住民票には住民票コードという11桁の無作為の番号が付番されており、住民票コードのみが求められる手続きもあります。
住民票コードは、住民票の写しを請求すると確認できます。
住民票は日本独自の制度であるため、外国の方は住民票への認識が低く、日本に長期滞在するケースでトラブルが生じることがあります。
ただし、外国人であっても、外国籍中長期滞在者や特別永住者であれば、住民票を持つことができるので、賃貸物件を借りられるようになります。
また、住民票は転出や死亡によって除票となり、除票してから5年を経過すると請求できなくなるので注意が必要です。
住民票と戸籍の違いは?
住民票が現住所を確認するための書類であるのに対して、戸籍謄本や戸籍抄本は日本国民としての身分関係を登録・公証するものです。
つまり、出生や父母の氏名、親子関係、続柄、婚姻・離婚、死亡などを記録・証明するものであり、そのため、遺産相続などにおいて親族関係を証明するときなどに利用されます。
戸籍謄本や戸籍抄本は、住民票と違って住んでいる場所ではなく、家族関係を証明するための書類なのです。
そのため、戸籍謄本や戸籍抄本を発行できるのは本籍地のある役所だけであり、居住している地域の役所に依頼しても発行してもらえません。
通常、賃貸契約は住民票があればおこなえますが、相続やパスポートの申請などでは戸籍謄本などが必要になるので注意しましょう。
住民票を移さなかったときのデメリット
住民基本台帳法では住民票は引越し後、14日以内に異動させなくてはいけないと定められています。
これを怠ると5万円以下の罰金が科せられることがあるので、引っ越ししたときには必ず住民票を移すようにしましょう。
ただし、単身赴任などが理由で引っ越し先に居住するのが1年未満だとあらかじめわかっているときや、進学などが理由で一時的に実家を出てもすぐに戻ってくることがわかっているときなどは、例外とみなされて罰金の対象にはなりません。
また、罰金以外にも住民票を移さないことで被るデメリットはあります。
新住所での公的サービスが受けられない
もっとも困るのが、新住所での公的サービスが受けられないことでしょう。
たとえば図書館などの公的な施設の利用、また、その地域がおこなっている福祉や医療のサービスは受けられません。
公共のサービスは、その地域に住んでいる方のために設けられているものですから、その地域に住んでいると証明できない人はそのサービスを利用できないのです。
確定申告や税金の申請などが大変
また、確定申告や税金の申請なども大変になります。
確定申告などは、住民票に記載されている住所の役所に申請する必要があるため、住民票を移さないとわざわざ旧住所の管轄の役所にまで行って申告をすることになります。
旧住所が遠方の場合は、役所に出かけていくだけで一苦労です。
重要な郵便が受け取れない
住民票を移さなくても親類や友だちには引っ越し先さえ知らせておけば、その人たちからの郵便は新住所で受け取れます。
しかし、役所からの郵便書類など、重要な郵便は住民票がある住所に郵送されるため、手元に届かなくなります。
選挙の案内や運転免許の更新案内など、公的な書類の中には重要なものがたくさんあるため、住民票を移していないとそれらの書類を受け取り損ねて、重要な手続きができなくなってしまう可能性があります。
運転免許証の更新が新住所で行えない
通常、運転免許証の更新案内は、住民票に記載された住所に送られます。
そのため、引っ越し後に住民票を移していないと、案内を受け取ることができません。
その結果、更新ができずに運転免許を失効してしまうことになるかもしれません。
ゴールド免許の人は住民票のある場所でなくても更新手続きを行えますが、それ以外の人は住民票のある住所でしか更新手続きは行えません。
たとえ更新時期に気がついても、免許更新のためにわざわざ旧住所にまで出かける必要があるのです。
そのため、仕事などで時間が取れない方は「気がつけば更新期間が過ぎていた」ということもあり得ます。
勤務先の手当が受け取れない
仕事をしている方の場合、勤務先から支給される「住居手当」や「通勤手当」が受け取れなくなるかもしれません。
通常、住居手当や通勤手当などを申請する場合、住民票の提出が求められるからです。
このとき、住民票と住んでいる住所が異なる場合、通勤費や住居手当を支給してもらえない可能性があります。
また、会社勤めの方の場合はほかにも住民税や保険料、年金などの税金が給与から天引きになりますが、居住地と住民票の住所が違う場合は手続きが煩雑になるため、自身で手続きをする羽目になるかもしれません。
住民票の異動手続きについて
住民票を移さないとさまざまなデメリットが生じることがおわかりいただけたと思いますが、それでは住民票を移すにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
住民票の異動は決して難しいものではなく、基本的に2つのステップで完了します。
1つ目のステップは、旧住所の役所に「転出届」を提出して「転出証明書」を受け取ることです。
そして、2つ目のステップとして、引越し後14日以内に新住所の役所に旧住所の役所から受け取った「転出証明書」と「転入届」を提出します。
たったこれだけで住民票の異動は完了します。
これらの手続きの際に必要なものは、運転免許などの本人確認書類と印鑑だけです。
転出届は原則、引っ越す前までに届出をすることになっていますが、引っ越ししてからでも郵送で済ませることは可能です。
また、引っ越し先が同じ市町村内であれば役所に転居先届を提出するだけで済みますから、もっと簡単です。
ファミリーで引っ越す場合は、一人ひとりが転入届・転出届を提出する必要はなく、世帯主が世帯全員分の届出をすることになります。
【住民票の異動手続きについて】のまとめ
日ごろはあまり意識することがない住民票ですが、引っ越しをするときに移さないとさまざまなデメリットが生じることがおわかりいただけたと思います。
住民票を移さないと罰金対象になるというのは、あまり知られていないことでしょう。
住民票の異動は意外と簡単です。
たった2ステップで完了するので、面倒くさがらずに引っ越しの際にはすぐに済ませてしまいましょう。
住民票は現住所を証明する大切な書類です。
異動の手続きを怠ると新生活に不利益が生じることになりますので、引っ越しするときには必ず行うように心がけましょう。
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