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担当者:古川真史
【奈良に住んで20年】奈良を誰よりも愛し続ける奈良ヲタク。人気グルメから人口や歴史、鹿の生息数。何でも答えます。最近は大仏プリン推し。
【湿気や結露によるカビ汚れ】修理費を負担するのは貸主?それとも借主?
長雨の続く梅雨の時期や、寒くなり暖房を頻繁に使用するようになる冬や春先などには、家のリビングやお風呂場、また部屋の壁などに湿気が原因による結露が多く見られるようになります。
家の中の結露をそのまま放置しておくと、カビが発生したり、建材の腐食によって建物そのものの劣化を早めたりする原因ともなるため、結露が発生する理由を知って適切な対策を講じることが非常に重要となります。
湿気が原因で結露が起こると、部屋の窓や壁だけではなく、天井にまでカビ汚れが見られるようになり、不安になったり掃除して取り除くために大変な思いをしたりすることがある、という方も多いのではないかと思います。
では、そもそもなぜ結露は発生し、家や人の体などにどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。
また、アパートやマンションなどの賃貸物件で結露によるカビなどが発生してしまった場合、借主と貸主どちらに責任があり、壁などのカビによる汚れの修繕費は誰が負担するべきなのかなどについても、詳しく見ていきたいと思います。
結露はどうして起きるの?
私たちの回りに存在している空気には、窒素や酸素、二酸化炭素などの他にも水蒸気が含まれています。
雨の多い時期に湿気が室内に留まったり、寒い時期に水蒸気が多く含まれている空気が冷たくなると、家の中で水分が飽和状態となって窓やお風呂場のタイルなどに結露が発生することがあります。
また、鉄筋コンクリートのマンションなど気密性の高い建物の場合、外と室内の温度差が激しいため、やはり結露が発生しやすい状態となります。
結露が起きやすい時期や場所、条件は?
では、特に結露が発生しやすい時期や場所としては、そのようなものが挙げられるのでしょうか。
梅雨や秋雨など湿気の多い時期
6月から7月にかけての梅雨の期間や、台風の上陸することの多い秋雨の時期などに、家の中の湿気に悩まされたことがあるという方も多いでしょう。
また、雨の多い梅雨時にはどうしても洗濯物を室内に干す機会が増えますが、窓を閉めきった状態で室内干しをすると余計に水分が部屋にこもってしまうため、結露の原因となります。
家の中で特に湿気がたまりやすく結露が起きやすい場所としては、キッチンやお風呂場、トイレや洗面所などが挙げられます。
その他にも普段からあまり風通しのよくないタンスやワードローブ内なども湿度が上がりやすいため、衣類に嫌な臭いがついたり、場合によってはカビがついたりしてしまうことがあります。
また、日当たりの悪い部屋なども窓や壁に結露が発生しやすいため、こまめに換気を行うなどの対策を行う必要があります。
冬の寒い時期
寒さの厳しい冬など、寒い時期に暖房を使用して部屋の空気を暖めると、空気には多くの水蒸気が増えますが、窓の近くの空気は外気により冷やされているため、結露が現れやすい状態となります。
実はこのような場合、結露が発生しているのは壁や窓の表面だけとは限りません。
壁の内側や畳の裏面などに湿気がこもり、結露が現れている可能性もあるため注意が必要です。
結露を放置しておくとカビの発生の原因に
湿気による結露をそのままにしておくと、カビの繁殖の原因となる場合があるため気をつけなければなりません。
最もカビが繁殖しやすいのは気温がだいたい20~30℃、湿度は60~80ぐらいであると言われていますが、一度結露が起こるとその壁や床の部分は非常にカビが増えやすい状態となってしまいます。
また、結露によって発生した水分量が多いと、窓の桟や壁紙、天井などに水分が染み込んでしまい、カビ汚れがシミとなって残り、乾いても取れなくなってしまうこともあります。
このような状態になってしまうと結露によって発生したカビが、そこで生活している人の体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性もあるため要注意です。
家の中で増えやすいカビの種類
実は、結露によって家の中で見られるカビには、いくつか種類があります。
黒カビ
家の中で最も多く見られるのは黒カビで、目には見えなくてもたいていの家には空気中に漂っている可能性があります。
特にエアコン内に黒カビが発生すると、カビの胞子が含まれている空気を吸い込むことになるため、体調不良に陥る場合もあるため注意しましょう。
ススカビ
高温多湿な場所で発生しやすいススカビは、特に胞子が軽く飛散しやすいと言われているため、こまめな掃除や換気が必要となります。
ツチアオカビ
緑カビとも呼ばれているこのカビは、家の木材や畳の裏に発生しやすいと言われています。
特に湿気の多い場所を好み、木材に発生してしまうと劣化を早めたり腐敗の原因となったりするため、気をつける必要があります。
結露により発生したカビが人体に与える影響
以下では、カビが原因となって発症する可能性のあるアレルギー症状や疾病などについて、具体的に見ていきたいと思います。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の発症には、ススカビと呼ばれているアルテルナリアという物質が大きく関わっているとされています。
アルテルナリアは他のカビと比べて胞子が大きいため、鼻の中に侵入して粘膜にカビが付着すると、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー反応が起こりやすくなります。
アレルギー性結膜炎
家の中のホコリやハウスダスト、カビの胞子が原因となって発症するのがアレルギー性結膜炎です。
これらは、まめに部屋を掃除していても家のどこかに存在している可能性があるため、これまで特にアレルギー症状がなかったという方でも、抵抗力の低下などによって突然発症するケースもあります。
結膜炎になると、目やまぶたなどにかゆみが起き、白目充血して赤くなったり目やにが多く出たりする場合もあります。
かゆいからといってむやみに擦ると、かえって悪化してしまうことがあるため、できるだけ早めに眼科などの専門医を受診して、目薬などを処方してもらうことをおすすめします。
気管支喘息
気管支喘息の原因はさまざまであると言われていますが、家の中のカビやダニの増加がその一因であるともされています。
空気の通り道である気管支が狭くなってしまうため、息をするたびに喉から「ヒューヒュー」や「ゼーゼー」という音がし始めて呼吸が苦しくなります。
病院で治療を受けていれば、ある程度時間が経つと発作はおさまりますが、ひどい発作が長く続くと気道の炎症が悪化し、発作の頻度が多くなるなど重篤な状態になる場合もあるため、気をつけましょう。
夏型過敏性肺炎
その名前の通り、夏場に多く見られる夏型過敏性肺炎は、一般的な肺炎とは異なり、トリコスポロンというカビが原因となって起こり、夏が終わる頃に発熱や咳の症状が見られるのがその特徴となっています。
一度完治したと思っても翌年の夏にまた発症する場合もあり、慢性化すると肺が萎縮してしまい、呼吸困難や呼吸不全などを引き起こして重症化する場合があるため注意しましょう。
気管支肺アスペルギルス症
アスペルギルスというカビが体内に入って肺で増えることにより発症するのが、気管支肺アスペルギルス症です。
免疫力が低下すると起こりやすくなり、微熱や咳、痰や息切れなど、ぜんそくのような症状が起こります。
シックハウス症候群
住宅に使用されている建材や接着剤などの化学物質やカビ、また、ダニなどのハウスダストの増殖によって室内の空気が汚染されると、鼻水や喉の痛み、吐き気、頭痛、湿疹などが起こるシックハウス症候群を発症する場合があります。
湿気や結露によるカビ汚れの修繕費は誰が負担する?
持ち家だけではなく、マンションやアパートなどの賃貸物件でも、結露が原因によるカビが発生してしまうことがあります。
では、実際に部屋の湿気や結露によってカビが発生してしまい、壁や天井などにカビ汚れが発生した場合には、修繕費を負担するのは貸主と借主のどちらなのでしょうか。
貸主が負担するケース
賃貸住宅にカビ汚れが発生した場合、基本的には管理者や管理会社が修繕費などのメンテナンスにかかる費用を負担することが多いと言われています。
どんなに部屋をこまめに換気していたり掃除したりするなどして清潔に保っていても、経年劣化による建物自体の劣化などにより、カビが発生しやすい状態になることがあるからです。
また、例えばマンションの窓に断熱性の低いものを使用していると、冬場に暖房を使用した際に結露ができやすい状態となってカビが発生したり、建物がコンクリート造である場合、壁に吸水力がほとんどないため、カビが生えやすくなってしまいます。
さらに雨漏りや排水管の異常などによってカビが発生した場合にも、費用は管理会社側が負担するのが一般的であるとされています。
借主が負担するケース
借主は借りている部屋をこまめに掃除したりするなどして清潔に保ち、部屋を適切に利用する義務があります。
しかし、換気をせずに洗濯物をずっと部屋干ししていたり、お風呂にずっとお湯を溜めたままにしていたりするなど、普段の行動が結露によるカビの発生を助長してしまっていることもあります。
また、結露が発生していても拭き取るなど何らかの対処をせずに放置し、天井や壁などにカビ汚れやシミができてしまった場合には、借主が修繕費を負担するケースもあるため注意しましょう。
喫煙による臭いやヤニ汚れ、ペットの臭いなども借主の責任になることも
結露によるカビ汚れ以外にも、部屋の中での喫煙による臭いやヤニ汚れによる壁紙の変色や、床についたタバコの焦げ跡などによる張り替えは、借主が費用を負担しなければならないと言われています。
また、犬や猫などのペットを部屋で飼っている場合、ペットの臭いが壁紙に染み付いて取れなくなったり、ひっかき傷がついてしまったりすると、同様の対応をしなければならないことがあるため、十分気をつけるようにしてください。
賃貸は借りるときに契約内容をしっかりチェック
賃貸契約を結ぶ際には、敷金や礼金、保証金などの項目についてきちんとチェックしておくことも大切です。
敷金と保証金などには、部屋を出る際に原状回復するための壁や床などの修繕費や、ハウスクリーニング費が含まれていることがあるため、この点を特にきちんとチェックしておくようにしましょう。
ちなみに敷金や保証金のない賃貸物件の場合、退去する際に原状回復するための費用を請求されるケースがあるため、気をつけるようにしてください。
カビが発生したときの対処法
次に、カビが発生した場合の対処法などについて詳しく見ていきたいと思います。
壁や天井
天井や壁紙などにカビが発生した場合、白い壁紙であれば塩素系漂白剤を使えますが、壁紙の色も落としてしまう可能性があるので色つきの壁紙には使えないので注意しましょう。
カビ汚れの部分を軽く拭き取った後、キッチンペーパーやスポンジに酸素系洗剤をつけ、カビが発生している箇所に浸透させるようにしてください。
30分ほどそのまま放置した後、しっかりと水拭きして乾燥させましょう。
また、殺菌効果が期待できる消毒用エタノールもカビ予防に最適です。
窓枠
窓枠に付着しているカビは、中性洗剤を使ってスポンジなどで拭き取ることで取り除けます。
この方法で落としきれない場合には、塩素系漂白剤を染み込ませて十数分放置しておきましょう。
最後に水拭きして、水分が残らないようにするのも忘れないようにしてください。
フローリング
80%に希釈した無水エタノールや除菌スプレーをタオルにつけ、フローリングを拭き上げていきます。
ただし、フローリングの素材によっては変色してしまう可能性があるため、目立たない場所で一度試してから拭くようにしましょう
湿気や結露によるカビが発生しないように日ごろから気をつけたいこと
結露や湿気によるカビの発生を防ぐためには、日常生活の中で以下のようなことに注意しましょう。
こまめに換気をする
キッチンやお風呂場、また洗濯物を室内に干している場合には、湿気がこもらないように換気扇を回したり窓を開けたりして、こまめに換気をするようにしてください。
特に気温が低い冬には短時間窓を開けただけで外との温度差をなくし、結露を発生しにくくできます。
除湿機を使用する
特に結露が気になる部屋には除湿機を設置し、湿気を抑えてカビが繁殖しにくい環境作りを心がけましょう。
また、花瓶や鉢植え、水槽を部屋に置くと湿気の原因となるため、結露ができやすい部屋には置かないようにしてください。
水蒸気の発生しない暖房器具を使用する
石油やガスストーブ、ファンヒーターなどの暖房器具は、FF式以外は灯油やガスを燃焼する際に大量の水蒸気を発生させるため結露の起こる一因となってしまいます。
オイルヒーターや電気式のハロゲンヒーター、エアコンなら使用しても水蒸気が発生しないため、結露によるカビを防ぐことができます。
そちらを使用するようにしましょう。
断熱シートを窓に貼る
断熱効果のあるシートを窓に貼れば、冷たい外気が室内へ侵入するのを防ぐとともに、暖かい空気が逃げることを防げるため、結露によるカビの発生を抑えられます。
【湿気・結露のカビ対策!】まとめ
季節や温度、気候などによって湿気が多くなり結露が起こると、窓やお風呂場など普段から湿度の高い場所にカビが発生しやすい状態となるため注意が必要です。
カビの胞子を吸い続けると、健康な方にも気管支ぜんそくや鼻炎、シックハウス症候群などのアレルギー症状が現れる可能性があるため、普段から換気をこまめに行ったり結露対策を行ったりすることが非常に大切です。
また、賃貸物件の壁などに結露によるカビ汚れが発生した場合には、基本的には管理者や管理会社側が修繕費を負担してくれますが、明らかに借主側に落ち度が見られる場合には逆に修繕費を請求される場合もあるので気をつけましょう。
普段から部屋をできるだけ清潔に保ち、カビ汚れやシミなどを見つけたらできるだけ早く管理会社などに相談しましょう。
さらに、結露によるカビを防ぐには、普段から換気をしたり、除湿器を使用したり、万が一カビが発生した場合には、壁やフローリングなど、発生した場所によって適切に対処することが大切です。
お部屋の設備も活用すれば、結露や湿気対策も楽に行うことが出来ます。気になるお部屋があればまずはご相談ください!
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担当者:古川真史
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